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その7:秋キノコダイナマイト(前編)
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その7:秋キノコダイナマイト(前編)

2015-09-18 08:14
  • 8

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≪注意≫
このブロマガはキノコ屋見習いの観察をまとめたものです。実際の同定に利用できるものではありません。
記事内容に訂正・補足がある場合はコメント等でご指摘いただければ幸いです。
なおキノコの正確な判別は経験者でも間違えるほど難しいものです。慣れない内はベテランの方に付き添ってもらうなどして、素人判断での採取・喫食は行わないでください。死にます。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※秋です。つまりキノコです。
温暖化が叫ばれる昨今ですが、今年は残暑も厳しくなく九月に入るなり肌寒さを覚えるほどです。加えて雨量も豊富で(一部多すぎたところもあるようですが)、キノコ的にはまさしく最高のコンディションと言えるでしょう。こりゃもうたまらんぜ! と、キノコ狩りに出かけた先々週(9/5~6)のお話。着実に記事上げるのが遅れてきてんね。

まあそれはともかく、向かうは県北の山。いつも行っている櫃ヶ山ではなく、そこからさらに足を伸ばした新しいフィールドです。
ただこっちは櫃ヶ山とは違い路線バスが近くまで通っていないのでレンタカーを借りました。
あまり長距離は走りたくないのと多分金額的にお得だろうと、高速バスで真庭市内に入ってから乗り換えることにしました。なんだかんだ実際に利用するのは初めてですが、案外簡単に借りれましたね。私は車に全く興味がないので、ネットで予約する際に「このBクラスだのって何じゃい」とよくわからず、とりあえず安い奴を選びました。五人乗りのスウィフトとかいうのでした。

キーを挿さずに持っているだけでエンジンをかけれるというシステムに戸惑いもしましたが、やはり車があると違いますね。カーナビをオプションで付けましたが、案外道も覚えているものです。一度輪行袋で自転車を持ち込んだこともありますし、何だかんだでちょくちょく通ってるおかげでしょうか。
特に道に迷ったり地元民に煽られることもなく、車は順調に進んでいきます。気分は華やぎ、仰ぐ秋空は遠く広がり私を迎え入れてくれているかのようでした。

「雨降ってきやがった……」

いい加減にしろよ、この野郎。天気予報だと降水確率20%だったじゃねえかよ。
山に囲まれているせいか、ほんとにこの一帯は天気が読めません。まあ小ぶりだし、多分着くまでには止んでるでしょう。そう思いたい。

途中でコンビニにも寄り、40分ほどの道程を経て目的地に到着。雨は一応止みましたが、まだ雲が残っている感じ。予報ではここから天気が回復して行くはずなので、もうこのまま進んでいくことにしました。というか、車を止めようとした矢先にはもう見つけていたので矢も盾もたまらんです。



でっけえ!
20cm超えの大物です。大きさ的にはオオノウタケ? でも色味が薄いかな。オオノウタケならもっと暗色になるし、ノウタケのでかいやつか?


別角度から見たら二つくっついてるだけみたいですね。右脳と左脳みたいだ。周りの個体はほとんど食べられてました。ナメクジとかの仕業でしょう。



さて今回の散策は前回同様、キノコと虫草の二本柱で行きたいと思っています。ざっと歩きながらキノコを探して、良さそうな坪(虫草の生えるポイント)を見つけたらそこをじっくり探すという流れです。なので、山道自体は軽く流すように歩くつもりだったのですが……。


キノコが多い!

これは嬉しい悲鳴です。軽く足を踏み入れただけでそこかしこから顔を出しています。しかしこれ、時間足りるかなぁ。



ツルタケ? いやいやツバがある。ツルタケダマシです。


なんかの幼菌。フクロツルタケとかそこら辺。



なんだこれ。
やたらと生えていたキノコですが、見当もつきません。


傘は周辺が波打ち、条線あり。ヒダは上生で疎、脈で連結。全体的に吸水性が高いのか、透明感のある色合い。
うーむ、なんだろう。どっかで見たことある感じなんだよなぁ。と思い探してみますが、図鑑に該当するものはなし。ダメもとでネットでも調べてみましょう。
「キノコ ヒダ 脈で連絡」で検索してみました。
そして思い至りました。これ、サクラタケに似てる!
しかしサクラタケは名前の通り桜色~紫色のキノコ。本種は幼菌の段階から白色で色抜けでもなさそうです。ただ当たりをつけることができたので、今度はサクラタケ関連で調べてみると手持ちの「北陸のきのこ図鑑」に載ってました。シロサクラタケというキノコみたいです。
スッキリ!




オオホウライタケ。
……にしてはヒダがまだ密な気もする。それに傘表面のシワも大人しい感じ。でもここまで大きくなるのはオオホウライタケくらいか。色の抜けたカバイロオオホウライタケ、ってわけでもないでしょうし。この仲間は足並み揃わず幅広で小じわを挟んだヒダが特徴的。





ツエタケ。
何気に結構な種が混同されている仲間です。傘表面は著しくぬめり放射状のシワがあり、柄には細粒状に微毛が生えています。オキナツエタケあたりでしょう。



ムラサキシメジかと思ったらベニタケ科のキノコ。



変な花。
たまたまネットで見つけましたがホトトギスって名前らしいです。



なんとなく良さげな沢を見つけました。虫草が無いか探してみます。


クチベニタケ。



 

ズキンタケ。



 

 

クロチチタケ。
ちょっとわかりにくいですがヒダを傷つけると少量の乳液を出します。黒褐色の色合いで傷つくと赤変性、傘中央が出っ張るのが特徴。



キンチャフウセンタケ。
今まで古いのばっかり見てきましたが、ようやく綺麗な状態を見れました。いえーい。



コブリノマメザヤタケ。
虫草かと思って期待してしまった。紛らわしいキノコです。



ドングリから生える小型菌。
ニセキンカクアカビョウタケかな。



トビナナフシ。



ぬ!
この木の下側、何やら白い影が見えますね。怪しい……!
慎重に木の皮を削り、掘りだしてみると。



出ました! 超小型ですが立派な虫草です!
調べてみたところヒメハリタケというキノコ。小型のハチの幼虫から出ています。ただ
結実部はまだ未成熟な個体のようですね。



ちなみにこのくらいの大きさです。













秋に生えてるからギンリョウソウモドキかな。
一瞬ビニールが捨てられてるみたい。



クワガタ。
越冬するのかな?





灰白色のチチタケ属。
白色の汁は特に味なし。赤色のシミが見えるけどアカシミヒメチチタケ? 地元で見たのはもっと傘色がオリーブがかってたけど。チチタケも色々わかってないの多いからね。やむなしやむなし。



アミタケ。
この傘裏はいつ見てもいいなぁ。

と、馴染みのアミタケを見つけて一通り和んだ後、ふと顔を上げて向こうに視線を投げてみたところ……、



き、き、キター!!!!!!
ついに、ついに! 念願のタマゴタケを見つけました! いえーい! やったぜ!
一本は崩れちゃってるけど、もう一つはとてもきれいな形で残っています。これは本当に嬉しくて軽く雄たけびを上げました。周りに誰もいなくて良かった。


 


まだ傘も開いていない状態ですが傘周辺の溝線が確認できますね。真っ赤な傘に橙色の柄、真っ白なツボが特徴です。
……ただこのタマゴタケ、柄にだんだら模様が無いですね。図鑑などに載っているタマゴタケは柄のだんだら模様が大きな特徴とされています。ふうむ、まだ生長途中だからなのかな。他に見たことが無いのでなんともわかりません。

とりあえずこの時点で今回のキノコ狩りは大成功です。車借りてまで来て良かった。そのままルンルン気分で足を進めていきました。



 

フサヒメホウキタケ。
こんなでかい塊は初めて見ました。




ウスヒラタケ。




カッパツルタケ。
皿の形がよくわかりますね。




ドクベニタケの菌輪。




木陰にベニイグチ。




 

ササ藪を歩いていたら目の前に蛇がいました。ビビった。シマヘビですね。
杖でガサガサ音を出してもなかなか逃げ出さない剛毅な奴です。




 

落ち葉の下から何か白いのが出てますね。これまた虫草の気配がします。
といってもコナサナギタケとかそこら辺だろうと見てみたら、なんだこれ。

宿主は小さな甲虫です。節々から覗く白いモフモフはボーベリアっぽいですけど、普通のボーベリアならカビ状に覆うだけのはず。しかしこいつは明らかに子実体様のものが伸びてますね。んー、謎です。今度詳しい人に聞いてみます。
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≪追記≫
詳しい人に聞いてみたところ、おそらくコナサナギタケが宿主を間違えたものではないか、とのことでした。何でも基本的にはガの蛹から出るコナサナギタケも時おり、別の宿主に生えることがあるのだとか。普通なら感染するだけで子実体までは形成しないのですが、何かの拍子で条件が合うとそのままお構いなしに生えることもあるそうです。コナサナギ、ということで虫草としては珍しいわけではありませんが、甲虫から生えているのは珍しいものだと教わりました。
虫草というのは発生が限定的で、好き嫌いの激しいものというイメージがあったので目から鱗の情報です。なんとも奥が深い世界だなぁと実感しました。
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シロオニタケ幼菌。好き。





ナラタケモドキ。






「うはは」
なんだか笑ってしまいました。マツ林を通る山道のど真ん中に見事なまでの存在感。


この大きさからしてクラヤミイグチだと思います。
濃い変色性があるので管孔部には文字だって書けます。


その後エゴノキタケの群生だのムラサキヤマドリタケなど見ましたが何故か写真がボケていたので割愛です。最近マクロレンズの練習をしようとマクロ常備で撮影をしているのですが、たまに距離の調整に手間取ってしまいます。まあそのうち慣れるでしょう。
何より今回はただでさえキノコが多い上、感動の出合いもあったのです。ついついチェックがおろそかになるのは仕方のないことでしょう。そう、仕方のないことなのです。


そんなこんなでこの日の散策は終了です。時刻は17時をまわり、日も傾いてきました。まだまだ昼間は暑いものの日の短さにしみじみと秋を覚えます。沈み行く夕日をと眺めながら、
もう帰りの高速バス間にあわねえなぁ
と他人事のように思いました。

まあ、実際間に合わせる必要もないのです。
今日の私はレンタカーです。返却期限は翌日の15時まで。そう、今夜はこのまま車中泊で一泊するつもりなのです。この後温泉に入って、コンビニでご飯を食べました。(田舎のコンビニは無駄に広いので飲食スペースがあったりします)
とっぷりと暮れた山の中、虫の声を聞きながら就寝です。明日に疲れを残さないため、早めに休みましょう。それほど大きな来るまでもありませんが、やはりテントよりかは安心感がありますね。
めっちゃ寝苦しいけど。

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キノコハントお疲れ様です。今年こそタケリ・・・じゃなくてカエンダケ見つかると良いですねw
73ヶ月前
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初コメですがお疲れ様です!
タマゴタケ、模様がなかったとはいえとても色鮮やかですね!少し見入ってしまったw
これからも頑張って下さい!
73ヶ月前
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お疲れ様です。今回も面白い記事をありがとうございます。
オオホウライタケとみて\ホーライー/って思ったのは自分だけじゃないはず…
ホトトギスは愛好家も多い山野草のひとつですね。品種改良やら盛んに行われてますよー。
73ヶ月前
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一枚目が捨てられたパンにしかみえないw
73ヶ月前
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記事乙です。安定の「うんこ」ww
ヒメハリタケでググっても全然情報が無いばかりか、同じ和名(!)の別のキノコが出てくる・・・
成熟した姿など、どんな虫草なのか気になります~
73ヶ月前
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後編上げました。明日から連休を利用して遠征に出るので間にあってよかった。
もう一つおまけ編があるのですが、それはまた今度にさせてください。
73ヶ月前
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>>5さん
調べてみたところ重複和名らしいですね。どっちが正式とかではないらしいですが、サイトによっては虫草の方を和名なしとしてたりします。虫草の学名はophiocordyceps osuzumontanaというのですが、こちらで検索しても画像はあまりないみたいです。『冬虫夏草生態図鑑』には写真が載ってますよ。(ステマ)
73ヶ月前
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記事乙です。タマゴタケは初見だったんですね、意外。今年は見つけたら食べるつもりなんですが、今季はなぜか出会えてません。憧れのズキンタケ(私は未見)は、ガガンボさんにとってはおなじみのキノコですね。写真のホトトギスは、花糸に斑紋がないのでヤマジノホトトギスかと。ハナバチが花被片の上で旋回しながら吸蜜する姿は、メリーゴーランドのようで面白いですよ。
72ヶ月前
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