【映画の歩き方】メディア史に残る重要作『戦艦ポチョムキン』in ウクライナ【連載83回目】
閉じる
閉じる

新しい記事を投稿しました。シェアして読者に伝えましょう

×

【映画の歩き方】メディア史に残る重要作『戦艦ポチョムキン』in ウクライナ【連載83回目】

2016-10-04 01:04
    今回は、メディア史に残る重要作『戦艦ポチョムキン』のロケ地 へ。
    筆者の自由研究『映画の歩き方』の83回目です。

    ※10/4 写真増量

    f:id:kiyasu:20161002142516p:plain

    f:id:kiyasu:20161002142553p:plain
    映画界で最も有名な階段かもしれない

    ■はじめに
    メディア系・映画系の授業で、ほぼ必ず出てくる古典作品。それが、エイゼンシュタイン監督の代表作『戦艦ポチョムキン』である。100年以上の歴史がある映画史の中のターニングポイントの一つと言っても過言ではない。

    f:id:kiyasu:20161004005308p:plain

    オデッサの階段」と言われる一連の場面は、そのハイライトだ。ウクライナのオデッサを訪れた人は、必ず寄るべき歴史的階段になっている。先行研究としては、既にネットに挙がっていいる旅行記がある。だが、映画マニアの視点で、階段以外のロケ地も散策。これからロケ地へ行く人の何かしら有益な情報になっていただければ嬉しい。行かない人も、映画をテーマにした旅の雰囲気を楽しんでいただければと思う。オデッサはかなり、素敵なところであった。

    f:id:kiyasu:20161002142544p:plain

    KIYASUWALKER

    ▽最近、アクセスが良い記事
    『君の名は。』鑑賞後に推奨する作品と考察(1)『はるのあしおとOP』の類似性など
    f:id:kiyasu:20160828204017p:plain

    ▼第083号
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    映画の歩き方®
    ウクライナ『戦艦ポチョムキン』ロケ地研究編
    KIYASUWALKER
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    ■そもそも戦艦ポチョムキンとは?
    1925年に製作・公開された、ソビエト連邦のサイレント映画である(つまり、音がない映画)。モンタージュ法と呼ばれる、今となっては当たり前の技術を確立した。オデッサの階段の階段では、特に、乳母車が落ちていく場面で『アンタッチャブル』や『未来世紀ブラジル』にも引用されている。本作は、今見返しても決して陳腐に見えない、圧倒的なパワーがある。

    戦艦ポチョムキン Blu-ray  エイゼンシュテイン監督のデビュー作『グリモフの日記』、トーキー作『センチメンタル・ロマンス』収録

    戦艦ポチョムキンとウクライナの関係
    『戦艦ポチョムキンの生涯』という本を読んで貰えば良いと思う。史実の戦艦ポチョムキンと、映画の中の戦艦ポチョムキンと、戦艦ポチョムキンという映画を撮ろうとしているエイゼンシュタイン監督が克明に描かれているのが この本。

    戦艦ポチョムキンの生涯 1900‐1925


    ■著者紹介
    KIYASUWALKER(きやすうぉーかー)
    メディア史の勉強と創作活動が好きです。好きな映画は、ナチス前のドイツ映画、戦後の日本映画、そして、スターウォーズ。問い合わせは、コメント欄か、twitterで@kiyasuまで。
    f:id:kiyasu:20160224222531p:plain

    ◇宣伝
    ・100年後の学生に薦める映画2112本をひたすら書いています。
    ※文字制限でこのページの更新が止まってますが、実際は2000本ほど掲載。




    ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

    【01.大まかなロケ地と旅程】

    旅程の関係上、ポーランドのワルシャワから、3日に一度くらいある便で、オデッサへと向かった(ワルシャワでは、押井守監督『アヴァロン』のロケ地探訪をしている)。そして、オデッサ空港からタクシーで中心となる駅へと向かった。ここは、本来バスでも良いはずだ。その後は、徒歩でロケ地へ向かった。意外と徒歩が疲れる距離であったが。

    ▽駅の近くの風景
    f:id:kiyasu:20161002142548p:plain

    【02.治安とか言語とか諸々】

    治安
    オデッサの街は安全です。ただ、外務省の危険情報には従いましょう。

    言語
    ウクライナ語です。観光センターとホテルは英語も通じました。タクシーの運転手は英語は通じず、タクシーの運転手が、途中、英語ができる若者の知り合いを路上で見つけて、彼に通訳させるという技を使っていました。

    ホテル
    調べたら、1泊500円くらいのドミトリーがゴロゴロしていて、驚きました。最近の情勢が影響しているのでしょうか、結局、普通のホテルに泊まりましたが、それでも3,000円くらいで十分。

    クラシックカーが多い街
    筆者を乗せたタクシーを含め、クラシックカーが多く見た目が楽しい街であった。

    ▽オデッサ近郊のテーマパーク。さらに行くと有名なビーチがある(大体の旅行記事では、水着美女の写真が紹介される場所。女性が多く感じるところだ)
    f:id:kiyasu:20161002142527p:plain


    【03.オデッサの階段
    いきなり一番有名なロケ地を紹介する。もちろん、オデッサの階段だ。

    ▽劇中、人々が駆け下りた階段
    f:id:kiyasu:20161002144657p:plain

    いくらか改修されて綺麗になっているが、当時の雰囲気がかなりそのまま残っていた。のんびりした観光スポットになっていた。

    f:id:kiyasu:20161002142516p:plain

    例えば、映画には下記のような場面があるのだが・・・
    f:id:kiyasu:20161002144758p:plain

    ちゃんと背景に同じような建物が残っていた。街灯の位置もかなりそのままである。

    f:id:kiyasu:20161002142525p:plain

    ちなみに階段上部で人々が眺めているのは、マイクをガンガン使うかなり派手なスポーツイベントであった。映画とのギャップを感じて面白かった

    f:id:kiyasu:20161004005141p:plain

    また、劇中では、足が無い方が、階段の縁を駆け下りていたが、実際に現地に行ってみるとだいぶ高さがあって驚いた。ちょっと怖い。(改修されて段差が変わっている可能性はあるが)。

    f:id:kiyasu:20161004005048p:plain

    f:id:kiyasu:20161002144751p:plain

    ちなみに。劇中に登場する像(オデッサの初の市長のリシュリュー公の像)はご健在だったのだが、他方、階段下にあった教会らしき建物はなくなっていた。

    f:id:kiyasu:20161004005613p:plain

    f:id:kiyasu:20161004005421p:plain

    f:id:kiyasu:20161004005357p:plain

    f:id:kiyasu:20161004005927p:plain


    【04.ライオンはどこにいる?】
    映画の有名な編集の一つがライオン像の場面だ。3体のライオン像を連続して映すことで、寝ているライオン像が起き上がって見えるのだ。是非とも押さえたいスポットだ。
    階段の近くにはいなかったので、探索に疲労困憊した筆者は、階段上部にある、観光センターに助けを求めた。

    f:id:kiyasu:20161004005235p:plain

    筆者は映画の映像を見せ「このライオン像を探している」と伝える。すると、案内所のお姉さんが、歩いて5分くらいの場所を教えてれた。

    ▽3体のうちの1体
    f:id:kiyasu:20161002144639p:plain

    安心して向かった筆者であるが、そのライオン像を見て、愕然とする。
    この像は微妙に違う!

    f:id:kiyasu:20161002142523p:plain

    観光センターに再訪し、違う像であることを無念に伝える筆者。お姉さんも残念そうな顔をする。それにしても、有名な映画のロケ地の観光センターであれば、過去に筆者と同じ質問をする人はいなかったのであろうか。

    f:id:kiyasu:20161004005308p:plain

    さらに調査を進めたところ、劇中で使用された三体のライオン像は、オデッサから離れたヤルタ島にいる可能性が高いことが判明した。なんと、同じウクライナ内ではあるが、全く違う場所にあるライオンを挿入していたのである。モンタージュ法 の歴史は色々調べてきたが、ロケ地的にも大きな編集が加えられていたのは、新たな発見であった。
    残念ながら、ヤルタ島は現在情勢が大変不安定で、一観光者の筆者が訪れるのは外務省が強く推奨しない場所であった。この旅では諦めることになった。

    【5.海岸沿いのロケ地はかなり変貌】

    劇中、群衆が海へ向かう場面などが多数あったが、今回、その面影を感じられる場所はなかった。灯台など、いくつかオヤと思うところはあったけれど、随分と開拓されてしまったことが解る。

    f:id:kiyasu:20161002142521p:plain


    【06.攻撃された天使たち】
    戦艦ポチョムキンの抗議の砲撃。この場面で挿入される像たちは、発見することができた。
    Odessa Opera and Ballet Theater と呼ばれる場所で、階段からさほど遠く無いところにある。建物の上部に像がある。

    f:id:kiyasu:20161002142519p:plain

    例えば、この像は
     

    f:id:kiyasu:20161004004921p:plain

    f:id:kiyasu:20161002144649p:plain

    f:id:kiyasu:20161004004929p:plain

    f:id:kiyasu:20161002144645p:plain

    ただ、劇中に登場した天使像のうち、一体だけ、見つけることができなかった。壊れてしまって、改修されたのか、筆者の見落としか・・・。今回、写真は数百枚撮ったので、余裕があればまた検証したい。

    KIYASUWALKER®

    f:id:kiyasu:20161004010256p:plain


    ■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

    [このブロマガは?]
    チュニジア、ヨルダン、イスラエル、トルコ、マレーシア、中国…
    映画のロケ地を中心に廻ってきた旅行について紹介する。

    大体、毎週土曜〜月曜のどこかで更新したいと思っていますが・・・。

    f:id:kiyasu:20160502130834j:plain

    これからロケ地へ行く人の何かしら有益な情報になっていただければ嬉しい。
    行かない人も、映画をテーマにした旅の雰囲気を楽しんでいただければと思う。



    ★ロケ地旅行記シリーズ一覧★

    ■特選
    オススメ5選!リンク集
    1. スターウォーズ(完全版)
    2. シェルブールの雨傘(中編)
    3. ローマの休日(完全版)
    4. 尾道三部作・新三部作(さびしんぼう・ふたり編)
    5. 去年マリエンバードで

    ▼スターウォーズ ルークの家
    f:id:kiyasu:20150413230524p:plain

    最高アクセス5選!リンク集
    壱. きっと、うまくいく 編(中編)
    弐. ローマの休日(完全版)
    参. スターウォーズ(完全版)
    肆. バケモノの子(仮編)
    伍.『スター・ウォーズ フォースの覚醒』初回上映をアメリカまで観に行ってきた!

    ▼きっとうまくいく編 ラダック地方で口論する橋
    f:id:kiyasu:20150516025141p:plain

    地域別 リンク集
    ▼ヨーロッパ
    サウンド・オブ・ミュージック 前編 中編 後編(オーストリア:ザルツブルグ)
    ビフォア・サンライズ 恋人までの距離編 前編 中編 後編(オーストリア:ウィーン)
    去年マリエンバードで編 本編(ドイツ: ミュンヘン)
    ラン・ローラ・ラン編 前編 中編 後編(ドイツ:ベルリン等)
    ミッション:インポッシブル編 完全版(チェコ: プラハ)
    アメリ編 前編 後編(フランス:パリ等)
    シェルブールの雨傘編 完全版(フランス:シェルブール等)
    ローマの休日編 完全版(イタリア:ローマ)

    ▼中東
    ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル編 本編(UAEドバイ:ブルジュ・ハリファ)
    インディ・ジョーンズ 最後の聖戦編 完全版(ヨルダン: ペトラ等)
    007/ロシアより愛をこめて編 本編(トルコ: イスタンブール)

    ▼アジア
    スラムドッグ$ミリオネア編 前編 後編(インド:アーグラ)
    支那の夜編 本編 (中国: 上海)
    きっと、うまくいく 編 前編 中編 後編(インド: ラダック地方)
    インファナルアフェア編 with 恋する惑星 本編(中国:香港等)

    ▼北米

    猿の惑星 1968年版編 本編(アメリカ:ロサンゼルス ハリウッド)
    プリティ・ウーマン編 本編(アメリカ:ロサンゼルス ハリウッド)
    バック・トゥ・ザ・フューチャーpart2 ビフのカジノ編 本編(アメリカ:ラスベガス)
    グッド・ウィル・ハンティング編 本編(アメリカ: ボストン)
    フォレスト・ガンプ/一期一会編 本編(アメリカ: ワシントンD.C)
    キングコング編 本編(アメリカ: ニューヨーク)
    ロッキー編 前編 後編(アメリカ:フィラデルフィア)

    ▼アフリカ
    スターウォーズ編 完全版 補足編(チュニジア:トズールなど)

    ▼日本

    幕末太陽傳/幕末太陽伝 本編(日本:品川)
    東京物語 本編 (日本:堀切など)
    コクリコ坂から with愛染かつら編 前編 後編(日本: 横浜)
    野良犬編 本編(日本 : 上野+?)
    椿三十郎編 本編(日本: 御殿場 厳島神社)
    七人の侍 編 前編 後編(日本: 伊豆など)
    海街diary with スラムダンク編 前編 後編(日本: 鎌倉)
    バケモノの子編 仮編(日本: 渋谷)
    男はつらいよ編 前編 後編(日本:柴又)
    菊次郎の夏編 前編 中編 後編(日本: 浅草)
    尾道三部作&新三部作編 前編(日本: 尾道)

    ■その他

    ▼番外編
    映画マニア向けのNetflix?『MUBI』を使ってみた!本編
    侍映画マニアのインド人に教えて貰った!おすすめインド映画4本
    本編 NEW
    僕とアフガニスタン難民の旅 本編
    ロケ地探訪シリーズ動画 解説(2) 本編
    ロケ地探訪シリーズ動画 解説(1) 本編

    ▼スターウォーズ
    全128ルートに進化!『スターツアーズ』まとめ 本編
    『スター・ウォーズ フォースの覚醒』初回上映をハリウッドまで観に行ってきた!本編




    広告
    コメントを書く
    コメントをするには、
    ログインして下さい。