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「眠れない夜」 第一話
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「眠れない夜」 第一話

2019-05-29 13:16

    あらすじ

    一人暮らしをしていた優哉(ゆうや)は夜眠れない夜を過ごしていた。
    ある日このことを小説に起こそうとパソコンを開く。
    その時、玄関のチャイムが鳴る。そこに現れたのはスーツ姿の人だった。
    その人は”猫”(ねこ)と名乗り彼の小説や経緯を知っている。
    不思議に思った優哉だが、思わず家の中に招き入れてしまう。
    その人はなぜ、優哉の前に現れたのか。そして、その目的とは?

    登場人物
    優哉 ♂ 表示 優   20歳
    出版社で働いている編集者
    仕事は難なくこなすが同僚からは
    普通の仕事できる奴としか思われていない。
    不眠症ではないが、寝れないもやもやした気持ちが
    続き眠れずにいた。

    猫 不明 表示 猫   ?歳
    優哉の前に現れたスーツ姿の白髪の人。
    優哉は同い年か年下と感じた。
    不敵な笑みで優哉を怖がらせるがどこか懐かしいと感じたため
    優哉の前に現れる。

    役表
    優哉♂:
    猫不 :
    ○m…モノローグ
    ()…ト書き


    優「…また今日も眠れないんだろうな」


    優m「僕はベットに寝っ転がりながらそう考えていた。ここ数日
       ずっとこの調子だ。でも朝になるといつも通りで仕事に支障は出ていない。
       同僚や先輩に相談したが、”もしだめなら病院行けよ”
       という言葉しか返ってこなかった。確かに、他人に言えることなんて
       これぐらいが精一杯だろう。」

    優「何とかしないと…どうすれば…あっ」

    優m「僕はあることを思い出した。
       朝のニュースで特集されていた気持ちの整理の特徴。
       ”ノートに書いて気持ちを整理することが大事です”という言葉。
       もしかしたらその方法が効いて寝れるかもしれない。」

    優「よいしょっと」(ベットから起き上がる)

    優「えーと…紙とペンはっと…無いや…仕方ないPCでいいか」

    優m「僕はプライベート用ののーとPCを開いた。
       そしてメモ帳を開き、大画面にして一息ついた。」


    優「よしっ…でも何を打てばいいんだ?特に困ったことなんてないぞ」

    優m「仕事に不安なんてない。特に不満も。僕は目を閉じて考えてみる。
       その時、昔よく夢に見た物語を思い出した。」

    優「うまく書けないけど…小説書いてみるか。昔みたいに」

    優m「昔。と言っても学生時代に紙にぎっしり書いていた小説まがいなことを
       自分なりに書いていた。昔はただの作文だった。
       大学時代になるとその小説のおかげかは知らないが
       提出レポートがうまく書けるようになるまで成長していた。」

    優「昔の話…今を織り交ぜていくか。主人公は…」

    優m「黙々とPCに文字を打ち始める。久々に楽しい、自分だけの世界の物語。
       その時」

    ピンポーン(口でいってもOK)

    優m「玄関のチャイムが鳴った。時間を見たら午前2時。
       せっかく物語がいいところまで言っていたのに
       そのチャイムの音でかき消されてしまった。僕は無視した。
       だが、何度もチャイムは鳴らされる」

    ピンポーン(口で言ってもOK)

    優「なんだよっ。今いい所なのに」

    優m「僕は諦めて玄関のところへ向かう覗き穴から覗くと
       そこには背広を着た少年が立っていた」

    優「こんな時間になんだよ…」

    (チェーンをかけ少しドアを開ける)

    優「どちら様?てかこんな深夜になんですか?」

    猫「夜分遅くにすいません。石垣 優哉(いしがき ゆうや)様でしょうか」

    優「あぁそうだけど?」

    猫「私、通称”猫”(ねこ)と申しまして、お話があり参上いたしました。
      できれば中に入れて頂ければ嬉しいのですが」

    優「悪いけどもうこんな深夜ならわかるでしょ?もう寝るんだから帰ってくれ」

    優m「嘘だ。本当は自分の書いた小説を書きたくてうずうずしている」

    猫「嘘ですよね?」

    優「は?」

    猫「ここ数日優哉様はまともに眠りについていないというか
      病院で処方薬をもらっても眠れない」

    優m「ドキッとした。ぴしゃりと当てられてしまったからだ。顔でバレたか。
       いやでも前、鏡で目の下にクマもなければ目が赤いわけではない。」

    猫「今書かれている”小説”についてお話があるのですが」

    優「えっ…」

    猫「ねぇ?入れて頂けますか?」

    優「…どうぞ」

    猫「では、お言葉に甘えて」

    (一旦扉を閉めチェーンを外し扉を開ける)

    優「どうぞ…」

    猫「お邪魔いたします」

    優m「律儀に靴をそろえスリッパを履くと
       僕についていくように後ろにくっついてリビングに入ってきた
       その後、僕はコーヒーをその人の前に置く」

    猫「これ熱いですか?」

    優「あぁまぁ…」

    猫「あぁすいませんが、冷めてから頂きますね。あぁ申し遅れました私こういうものです」

    優m「名刺を渡された、そこには”猫又社”(ねこまたしゃ)と猫と堂々と書いてあった」

    優「それはご丁寧にどうも」

    優m「スーツ姿。でもどこか違和感があった。
       それは髪の色と目の形。白髪で目は猫のように鋭い。
       まるでこの世のと思えない。でも、なぜか、懐かしい感じがした。」

    優「で?話ってなんだよ」

    猫「あなたの過去の作品や今、執筆されている小説をぜひ、
      当社のコミックに掲載させて頂きたいのです。」

    優「…もう一回、聞いていいか?」

    猫「だから当社である週刊誌!猫又社(ねこまたしゃ)に
      先生の小説をぜひ、本として発売したいんです。」

    優「あのさ、嘘ならまともな嘘つけないの?
      僕、自慢じゃないけど出版社に勤めているんだけど
      猫又社なんて出版会社、聞いたことないし
      それに僕の小説まがいなものを載せるだ?
      冗談もほどほどにしろよ」

    優m「僕はコーヒーを口に運んだ時にとんでもないことを猫は言った。」

    猫「聞いたことないのは当たり前です。だってあやかし専用専門誌ですから」

    優「うっ!…ごほごほっ!」(コーヒーでむせる)

    猫「あぁ~大丈夫ですか?」

    優「お前、頭おかしいんじゃねか!?あやかし専門の専門誌!?
       まずこの世にあやかしなんて居るのかよ!」

    猫「信じしていただけないのか分かっていましたので
      実物をお持ちしました」

    優m「いつの間にか持っていたのか分からないが
       猫は鞄をガザゴソとさぐり一冊の本を出した。それはコミックぐらいの雑誌の厚さで
       ”月刊人のすべて”と書かれていた」

    猫「優哉先生!ぜひこの本に月刊掲載させていただく今日は参上しました」

    優「そんなもんお断りだ」

    猫「何故です!?」

    優「まず僕はただの編集者で作家じゃないし、それに協力するメリットもない」

    猫「報酬は必ず出します!」

    優「それでも、あダメだ。」

    猫「…」

    優m「猫は黙ってしまった。
       何か考えているように見えたが下を向いていて表情が読み取れない。
       するとボソボソと語り始めた。」

    猫「そうですよね、いきなり言われても無理ですよね。でもですね先生。
      先生の事、編集者全員が”新しい風”だと思っているんです」

    優「”新しい風”?」


    猫「そうです。今までのわが社のいや、
      あやかし全体は人間に対して良いイメージを持っていません。
      わが社もそうでした。でも、あなたの小説を読んで思ったのです。
      あやかしも人間も同じ。いろんな種類の人間がいるのではと。
      私たちに害をなす人間だけではないということを。
      だから今度は人間にいや、あなたという人間に小説を書いていただきたいのです。」

    優「言いたいことはわかった。
      でも、僕はどこぞの有名漫画家じゃないんだぞ。それに知識もない。
      それにこんな駄作を書いて読者が喜ぶと思うか?批判だって来るぞ
      僕も編集者だからわかる。
      編集全体やニュアンスを変えるその大変なのことぐらい」
      

    優m「そう、だから僕は更に困った。
       彼の目は本気の目だ。仕事をしている僕と同じ目。」

    猫「先生のお話は人間とあやかしのかけ橋になる。そう信じています。」

    優「読んだこともないになんでそんなこと言えるだ?」

    猫「…本当におぼえてないのですが?」

    優「?」

    猫「いえ、なんでもありません」

    優「とりあえず今書いてる文章読んでから決めてくれ」

    猫「ということは!?」(机をバンっと両手で叩いて身を乗り出す)

    優「できるか、どうかわからないがやってみるよ」

    猫「ありがとうございます!!!!」

    優m「僕は席を立ち、PCを猫のもとへ持ってくる」

    優「これだ」

    猫「ほうほう…これは昔の話ですね…でも…」

    優「でも?」

    猫「インパクトがない」

    優m「楽しすぎて気が付いていなかった。
       確かにこの物語はインパクトがない。」

    優「最初からやり直す」

    猫「えっ?」

    優「一週間くれ。思い出しておくから」

    猫「はい!」

    優m「俺は満面の笑みの猫を無意識に頭を撫でていた」

    猫「あの~先生?」

    優「あっ!すまん!ついな。
      とりあえず完成させておくから一週間後のこの時間に来てくれ」

    猫「わかりました!」

    優m「その後、冷めたコーヒーを飲み干し、猫は帰っていった。
       猫が去った後なんでこんなこと引き受けたのか、あざ笑う自分がいた。
       でも約束は約束だ。
       僕はメモ帳を白紙にして打ち始めた。」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    優m「今回の話は実話だったりする。
       僕が小学校の頃、田舎の畦道で歩いて時小さな鳴き声が聞こえた。
       鳴き声の方へ向かうと小さな段ボールがあって開けると
       そこには小さな子猫が一匹弱弱しく鳴いていた。
       速攻で家に持ち帰り両親と一緒に動物病院へむかった。
       風邪は引いていたもののそれ以外には外傷もなく風邪薬を処方され
       家族全員で飼うことになった。
       名前を”宙”(そら)と名付けた。
       名前の理由は僕が、猫だけではなく人間も愛せるようにと。
       家族全員でかわいがった。
       でも、その数十年後僕が高校生の頃突然いなくなった。
       あちこち探しまわった。
       でも見つからずみんな落胆した。
       その時だった。近所の人から連絡があった。
       ”宙ちゃんらしき猫が車に轢かれたって!”
       急いで病院へ向かった。最初に飛び込んだのは僕」

    優「そら!」

    優m「そこには管で繋がれ人工マッサージを受けていた宙の姿だった。
       機械音は無情にもピーという無機質な音を響かせていた。
       家族が揃った後人工マッサージを辞め宙は天国へ旅立った。
       僕が呼びかけたときピクリと顔が動いたのが目に焼き付いていた。」

    優「よし…これを題材にしよう。宙のためにも」

    優m「仕事をこなしながら、夜は執筆活動に勤しんだ。
       するとだんだん眠気に襲われるようになってきた。
       だが、猫との約束を守るため執筆をつづけた」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    ~一週間後~


    ピンポーン(口でもOK)

    優「来たか」

    猫「お久しぶりです。約束通り来ました」

    優「おう、入ってくれ」

    猫「ちゃんと執筆してましたか?まさかサボってたとか?」

    優「だったらここまでできないだろ」

    ドザッ(紙の束の音)

    猫「うわぁ…すごい」

    優「大変だったんだぞ。色々と」

    猫「じゃぁさっそく読ませていただきますね!」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    猫「とてもいいお話です…」

    優「それはよかった。でもさ、欠けているんだよ。」

    猫「何がですが?」

    優「僕は猫じゃない。だからなんで家を出て行ったのか
      分からないんだそこの描写がない。あやかし相手なんだろ?
      だったら分かるはずなんだ」

    猫「…」

    優「なぁ猫。この家を出ていった猫の気持ちわかるか?」

    優m「その後沈黙が続いた。そして重たい口を開いた」

    猫「…最初は好奇心だと思います。この話だと出てくる猫は
      元捨て猫でしょ?でもまだ子猫…
      だから外へ出たいという好奇心に負けたんだと思います…」

    優「そうか…ならなんで帰ってこなかったんだ?」

    猫「多分…道が分からなくなってそれで迷って…それで…それで…」(少し泣き声で)

    優m「猫の声は震え、下を向いたまま涙を抑え込んでいる感じがした。
       その時、僕は確信した」

    優「おかえり”宙”」

    優m「ハッと僕の方を見る僕は机越しで白髪の髪をゆっくり撫でた。」

    猫「うっ…ひっ…うぅ…ほんとは…は戻りたかった…おうちにかえりたかった…」

    優m「僕が書いていてた小説。
       いつもそばにいてその小説を音読して聞かせていたのは、猫の宙だけだった。
       僕は椅子から立ち上がり、宙を抱きしめる。その後は大泣きで落ち着くまで
       ずっとそばにいた。」


    猫「ありがとうございました。あの時は」

    優「まさか俺と同業者になっていたとは思ってなかったけどな。」

    猫「優さんのおかげなんですよ。あの時が一番の至福の時でした」

    優「じゃぁもう少し聞かせてくれ、あの楽しかった時の時の事」

    猫「はいっ!!」(満面の笑み)

    優m「その後修正を加え、出版社に提出し掲載。なかなか好評で
       僕はその雑誌の長期連載が決定した。」


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    優「なぁ宙?」

    猫「なんですか?」

    優「この話って続くのか?」

    猫「勿論!続きますよ!」

    優「まじ…?」


    終わり


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ここまで台本を読んでいただきありがとうございます。
    実はこのお話のもとは自分の実話です。
    昔、飼っていてた家族同然の猫の最期の描写を取り入れました。
    元々、体が弱く肝臓に病気を抱えていました。
    でも10年間生きて大往生でした。
    もし、虹の橋があるのならまた、ここに戻ってくることを祈っています。
    重くなりましたね汗。すいません。
    他の作品ももしよかったら読んでいってください。
    アドバイスもお待ちしております。


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