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Centauressさん のコメント

おもしろかった(KONAMI感)
No.1
102ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
前回に引き続き、良作画カットと作画担当者の紹介をしていきます。 ■武本譲治さん S09C10 19分1秒付近 S09C12 19分9秒付近 (S09C11は欠番) やむにやむを得ぬ状況に置かれたアカネが、最期の打開策としてローメンテナンサビリティコードマスター少佐(長い)を召還しようとするが、それは8年後ぐらいにほぼ確実に酷い目にあう諸刃の剣。少佐を召還するか、しないか、アカネの葛藤の表現となるカットです。 アカネの中で二つの意思が激しくぶつかり合っているような、もしくは自分の本能的な動きを意思の力で制御しきれていないような、とても強い葛藤がリアリティを伴って表現されています。 動きによるキャラクターの内面表現とか作画による演技という点では、この2カットが第二話の中で一番好きなカットです。 ■アイラクさん S09C38 20分52秒付近 少佐と芽衣の加勢を得て、勢い付いたプロジェクトメンバーが、もの凄い勢いで開発を進めていくカット。描かれているキャラクターの姿勢や表情がばらばらで、それぞれが喜び具合を自由に思いのままに体現しており、見ていて気持ち良い楽しさがあります。一枚絵としてはここが第二話の中で一番好きなカットです。 アイラクさんには、終盤、S11C07-2でも、いい作画をしていただけました。 S11C07-2 22分45秒付近 当初のコンテは下記の通り。 えこんて アイラクさんが作業に入った後、コンテの解釈に自信がないと言われたので演出意図を詳しく伝えたところ、その演出意図をより効果的に実現する構図を提案していただけました。その後、自分からの更に詳しい演出意図の説明とアイラクさんからの構図の修正のやりとりを数度繰り返し、最終的に完成した絵が上記のものです。 自分の演出意図は、芽衣の引き起こした事象のオワタ感を強調するというものです。自分のコンテでは、広い室内の中で小さな芽衣に大きな存在感を持たせることを基本とし、主に下記の3点によってこの実現を図りました。 広角よりの俯瞰構図により、室内の広さと芽衣の(フレーム上における)小ささを対比的に表現。 周辺のモブ群の視線を芽衣に向けることで、周囲の関心の大きさを表現。副次的に、視聴者の視線誘導。 画面内で動きのあるキャラを芽衣だけにすることで、芽衣に対する視聴者の視線誘導。 これに対し、作画の最終版では、主に下記の要素が盛り込まれています。下記はアイラクさんから頂いた説明と自分の解釈を総合したものです。 広角よりの画角で、室内の広さと芽衣の(フレーム上における)小ささを対比的に表現。 芽衣を消失点に配置することで、芽衣に対する視線誘導。 カメラをアカネ近くに置くことで、アカネの内面表現としての役割も盛り込む。 周辺モブ群の視線についてはコンテと同じ効果。 結果として、当初のコンテよりも芽衣の存在感が増し、アルティメットバグトリガーの本領が遺憾なく発揮され、印象的なカットになったと思います。 アイラク pixiv(「キド」名義): http://www.pixiv.net/member.php?id=861668 (長い!) ■安坂悠さん S09C33 20分22秒付近 結菜が、デスマ打開のため、アルティメットバグトリガー芽衣を連行してきたカットです。自分は第一話ではアカネ派だったのですが、第二話ではこの結菜の絵にやられて(萌えて?)、かなり結菜側に振れました。 このカット周辺の出来事がよく分からない人もいると思うので、解説します。芽衣はアルティ(略)の異名の通り、プログラムに眠っているバグを発現させる天才です。第一話では、その能力を遺憾なく発揮し、大事件を引き起こしました。このことで多くの視聴者が、芽衣を「問題児」として認識したと思います。何故結菜は、「問題児」の投入という、端から見れば馬鹿げた行動をどや顔でとったのか。芽衣は実用中のプログラムに対して能力を行使するとバグらせて問題を引き起こしますが、作成中のプログラムにバグが無いか確認するデバッグ(=テスト)の作業においては、眠っているバグをどんどん発見することができる、非常に頼れる存在となります。 デバッグ要員としての絶大な力への信頼からくるきりっとしたどや顔が良い。 安坂悠 webサイト(「麻野あすか」名義): http://asanoasuka.blog.fc2.com/ pixiv(「麻野あすか」名義): http://www.pixiv.net/member.php?id=536684 本連載で紹介した良作画カットは、各参加者の特色や「色」と言えると思います。世の中の一般的な認識において、アニメのような集団制作では、作品全体の一体性を高めるために均質性が重要とされているように思います。しかし、各参加者に真っ白なキャンバスの大きな自由度の中にそれぞれの色をつけ、場合によっては存分に暴れてもらい、そうしてできた色とりどりの絵の全体を俯瞰すると1つの見事な作品になっているというのも、理想的な集団制作の形の一つなのではないでしょうか。無論制約を完全に無くすことはできないでしょうが、集団制作において人の能力を活かすには、制約は極力少ないに越したことはないはずです。うむ、良い事を言った(ぉ 自分は第三話にはコンテ・演出としては参加せず、この大風呂敷の後始末は監督に任せてしまうつもりですが、自分はポスプロ工程で全体の一体性を増すことによって間接的にプロダクション(≒作画)工程の自由度を上げるよう画策しています。 アニメ制作って面白そうだなと思われた方が居れば、参加してみてはどうでしょうか。第二話では凄い人が沢山参加してますが、第一話くらいの作画でも質は十分だと自分は思っています。参加のハードルをあげるより多くの人に参加してもらいたいのでよろしくオナシャス! おしまい。
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