先日、After Effectsのトラブルについて、玉虫型偵察器さんに尋ねられた件を調べてみました。
タイムリマップのトラブルです。
皆さんご存じの通り(?)、アニメの撮影作業にはタイムリマップが欠かせません。
例えば、以下のようなコンポの構成とします。
・コンポ1:メインコンポ。コンポ2に対してタイムリマップを適用
・コンポ2:コンポ3とコンポ4を合成
・コンポ3:線画コンポ。(※)
・コンポ4:塗りコンポ。(※)
※ 画像シーケンスを1フレーム刻みで階段状に並べた1フレーム1画像のコンポ
このような構成において、時々コンポ1のプレビューやレンダリング時にタイムリマップがズレてしまうことがあります。タイミングやAfter Effectsのバージョンによってもズレる位置が変わったりする気がします。
その結果がこちらです。
図1: アカネが…[1]
なんということ(をしてくれたの)でしょう。
口パクのタイミングがずれてしまったせいで、アカネが何とも言えない表情を浮かべています。
まあ、これはこれでアリかもしれない、とちょっと思ってしまいましたが…w
これは意図とは異なる映像です。
こういうことが起きるのは大抵フレームレートの違いですが、全てのコンポジションが24fpsで統一されているため、こんなことが起きるはずがありません。あれやこれや、4時間ぐらい調査しました。
そして、ついに我々は解決策を見つけたのです!
図2: コンポジション設定[2]
冒頭の「コンポ2」に該当するコンポのコンポジション設定の詳細タブで「ネスト時またはレンダーキューでフレームレートを保持」にチェックを入れます。
図3: 修正後[1]
なんということでしょう。
アカネちゃん可愛い。
ということで、意図通りの映像を得ることができました。
しかし、これは仕様としてどうなんでしょうね?
使えば使うほどAfter Effectsが嫌いになっていく……。
ちなみに、コンポ3とコンポ4でも同じ設定をする必要があるように思ったのですが、今回はコンポ2のみに設定するだけで大丈夫でした。子コンポに適用すれば、孫コンポにも適用されるということでしょうか?
そういうえば、前にもこんなことで躓いて、同じ対処をしたなあと思ったので、備忘録として記事化しておきます。
[1] 次の作品を改変したものです: こうしす!第2話 シーン1 カット3 Copyright (C) 2014 OPAP-JP contributors. (旭洋、るみあ、絢嶺るり、Butameron) Licensed under the CC-BY 4.0
[2] Adobe After Effects CS6 のスクリーンショット