もしかして、今の時代はクレイジーさも巨大ロボットを操るのに必要な条件なのでしょうか!?
昭和のロボットアニメでは、主人公の少年たちが正義の巨大ロボットに乗り込み、悪の組織が送り込んでくる敵ロボットたちを蹴散らしてきました。少年たちにの目には一点の曇りもなく、世界を救い人類を平和にするべく、勇敢で正義感に溢れた頼もしい男子像でした。
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平成になってからでしょうか? いつからかそんな少年たちの中にも心の悩みや闇を抱えた主人公たちが増えてきました。21世紀の現代では彼らに世界平和を託せるのでしょうか? いや、実際に世界をほぼ壊滅状態に追いやったのも若干名いましたけど...。
ということで今回は、「io9」が選んだ鬱屈とした、そしてブっ飛んだ性格の巨大ロボット・少年/少女パイロットを12名ご紹介したいと思います。ではまず、皆さんがパっと思い付くであろうあの彼からどうぞ。
■碇シンジ『新世紀エヴァンゲリオン』
逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ(以下繰り返し)
幼い頃に母親がに先立たれ、仕事一筋でずっと自分を放っといた父親から突如「エヴァ初号機」に乗れと言われてしまったシンジ。まともな説明や説得などもなく、戸惑ったり反抗しながらも渋々乗り込みます。
とにかくウジウジと悩んで、思春期の性の目覚めにも遭遇し、なにかと葛藤が多いシンジですが、意外や意外、感情を表に出さない綾波レイや、ツンデレ美少女アスカ・ラングレーからも好意を持たれてしまうモテキャラだったりします(でも本人はその辺に超鈍感)。
父親に認められたいからエヴァに乗るのに、シンジの持つ信念や意見の違いから命令違反を起こし、挙句の果てには「ニア・サード・インパクト」で人類の大半を絶滅状態においやってしまいます。
人類は滅ぼすわ、周りからは「エヴァには乗らないで、何もしないでいいから。」とキツく釘を刺されるわ、昏睡状態のアスカをオカズにゴニョゴニョするわで、強大なパワーを持つ巨大ロボットには乗ってはいけない主人公の筆頭と相成りました。これは予想通りでしょうか?
■デュオ・マックスウェル:『新機動戦記ガンダムW』
明るく人当たりの良い性格ではあるものの、自らを「死神」と名乗るだけでなく、実際に彼が搭乗するモビルスーツはガンダムデスサイズという、死神さながらの大鎌を持ったガンダムです。
背景にはいろいろあるようですが、一旦戦いとなると叫び声を上げて人が変わったように攻撃的になるのが、巨大ロボットに乗らせては行けない理由となったようです。人格が変わっちゃうのはアウトでしょうね。
■ステラ・ルーシェ :『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
金髪の美少女ステラは16歳という年齢ながら、そうとは思わせないほど口調が幼く、性格や思考もまた幼いものとなっています。
それでも、地球連合軍第81独立機動群ファントムペインに所属するパイロットとしてやっているのは「死」やそれを連想させる言葉でパニックを起こすも、立派に複雑な操縦を要する「戦略装脚兵装要塞」デストロイガンダムを操れるからなのです。
ベルリンの街を一瞬の内に灰にしてしまうほどの、想像を絶する破壊力を持ったモビルスーツに乗るのが、パニック持ちで精神年齢の幼い少女というから、これもやっぱり操縦はご遠慮願いたいですね。
■ダイゴウジ・ガイ:『機動戦艦ナデシコ』
本名の山田二郎は仮の名だ!
本名は山田二郎であるものの、それが普通過ぎて嫌だったのか、ダイゴウジ・ガイを魂の名前・真実の名前と言い張るちょっとアレな感じのキャラクターです。
ガイは『機動戦艦ナデシコ』の劇中に登場するロボットアニメ『ゲキ・ガンガー3』マニアで、現実の戦いの中でも自分を『ゲキ・ガンガー3』の登場人物かのように成り切ってしまうのです。こんなチームメイトがいたら戦場でちょっと不安ではありますが...なにげに第3話のラストでは撃たれて第4話では早々に『機動戦艦ナデシコ』から去ってしまいます。
■ ヒイロ・ユイ:『新機動戦記ガンダムW』
小さい頃から工作員としての教育を受けて育った主人公ヒイロ・ユイ。デュオから無口で無表情で無鉄砲と言われるほどクールな15歳ですが、自分のガンダムを自爆させたり、自らが操るモビルスーツに愛着がちっとも無いという面も見せます。
まかりなりにも『ガンダム』を操る主人公なのですが、彼を助けに来た救急班を殺したり、学校の女の子たちに呼ばれた誕生日パーティーの後で、耳元で女の子に「お前を殺す」と囁いたり(しかも第1話で)、クレイジーでやっぱり巨大ロボットには乗ってもらいたくないタイプです。
■ 惣流・アスカ・ラングレー:『新世紀エヴァンゲリオン』
あんたバカぁ? でお馴染みのアスカ
ドイツ3/4、日本1/4の血を持つクォーターにして、14歳で大学を卒業。エヴァ弐号機に乗るためエース・パイロットとして訓練を受けてきたエリート美少女がアスカです。
アスカはシンジほど性格が鬱屈としているわけではありませんが、精神を病んだ挙句に自殺した母がいたりと、複雑な幼少時代を過ごしています。異性として気になると同時に見下しているシンジが、同じエヴァのパイロットで自分よりも高いシンクロ率を弾き出しているのも完璧主義者の彼女が自信を失う理由のひとつでした。
異性としてシンジを意識するのは、彼女がまだ多感な14歳だからなのか、高慢で高飛車でプライドの塊みたいな性格だから、煮え切らないシンジに腹を立ててしまうからなのか?
キャラクターたちにも濃い人間性が描かれている、『エヴァンゲリオン』だからこその登場人物かもしれませんが、周りにアスカを不安にさせる要素がいろいろある状態では、あんまりエヴァに乗って欲しくないかなぁ、ということでランク・イン。
■ フォウ・ムラサメ:『機動戦士Zガンダム』
強化人間フォウ
ムラサメ研究所の4番目の被検体なのでこの名が付けられ、強化人間として改造された女性フォウ・ムラサメ。サイコガンダムのパイロットにさせられていますが、それまで一年戦争による戦災孤児だったところを拾われ、記憶の除去や医療的な実験が繰り返されてきた経緯があるのです。
主人公のカミーユとは心惹かれる者同士となったものの、正気を失っている時には見る者を全て殺したくなる衝動に駆られるフォウ。
サイコガンダムなどの破壊兵器が満載の超巨大モビルアーマーには、強化人間のフォウだからこそ操れる反面、殺戮衝動を持った人物には乗っていてもらいたくないかなと。鬼に金棒すぎます。
■ カトル・ラバーバ・ウィナー:『新機動戦記ガンダムW』
ガンダムサンドロックを操縦するのがこのカトルです。普段は非常に温厚で優しく、絵に描いたような模範生です。「宇宙の心を感じとる」という特殊な直感にも優れており、戦闘をまとめるリーダー性にも優れています。
なのに、カトルはキレると最凶にアブないヤツへと変貌してしまうのです。カトルに比べると、自分のことを「死神」だなんて呼んでいるデュオなんてまだ可愛いほうです。
カトルは家族が殺されるのをその目で見てしまって以来、宇宙に平和をもたらすためには動く者は全て殺してしまうべきだ、と考えているのです。
キレることで180度人格が変わってしまうパイロットというのは、かなり考えものですね。
■ニーナ・アインシュタイン :『コードギアス 反逆のルルーシュ』
アッシュフォード学園に通う高校二年生で、くせっ毛の強い黒髪を二つのおさげにし、眼鏡をかけた素朴な感じの女の子がニーナ。「ガニメデ」を操縦したりもしますが、ウランの核分裂とウラン濃縮の可能性についての研究していた学者肌です。
ニーナは神聖ブリタニア帝国第3皇女のユーフェミアのことを信仰していましたが、処刑された彼女の仇討ちのためにと フジサン近辺で採掘されるレアメタル「サクラダイト」を積み込んだ爆弾を完成させ、その後に大量破壊兵器フレイヤを完成させます。
差別を当たり前と思っているニーナは、そのフレイヤをスザクのランスロットに無理矢理載せさせて、平然とした顔でイレブン虐殺を計る冷酷さも持ち合わせているのです。
動画はユーフェミアの死を知ったニーナの苦悶の表情が、面白い顔芸と評判になったもの。他にも自慰行為にふけるシーンがあることから「オナニーナ」とも呼ばれたりします。
■トロワ・バートン :『新機動戦記ガンダムW』
ひとつのアニメから、もうこの記事で4人目の人物が選出されている『ガンダムW』。こんどはフランス語で「3」を意味するトロワです。
でも実は、本物のトロワ・バートンはバートン財団の子供なのですが、本物が殺された時に偶然その場に居合せたことで、トロワになってしまった名無しの傭兵少年だったりするのです。
ヒイロ・ユイは根本から精神病質者でありますが、トロワは一見して社会病質者と思われるタイプのようです。彼は「戦う度に心を殺してきた」と言い、人の死に直面しても感情を表に出しません。
ヘビーアームズガンダムは、攻撃が全弾発射の弾幕タイプなのですが、記憶喪失の最中に量産型宇宙用可変モビルスーツのトーラスにも搭乗。その時には弾切れになるまでビームライフルで乱射をしまくるという、少々アブない面を持ち合わせています。
■アレックス・ローズウォーター:『THE ビッグオー』
実はトマト(クローン人間)として育てられた
パラダイム社の社長にして、物語の舞台であるパラダイム・シティの実権を握る人物が、このアレックスです。自分のことをボク、父親のことをパパと呼ぶファザコンの43歳で、彼はすでに権力も地位も金も持っているというのに、まだまだやりたい物事が多々あるのです。
それはビッグ・オーに匹敵するパワーを持ったビッグ・デュオを操縦したいという欲望と、その前にパラダイム・シティの住民としてそぐわない人間を全て殺してしまいたい、という欲望です。
こんなのが街の権力者だってのは恐ろしいですが、巨大ロボットを操って気に食わない人間を片っ端から駆逐していこうものなら独裁政治もイイとこですよね。オチオチ夜も眠れません。
■ネーナ・トリニティ:『機動戦士ガンダム00』
ネーナ・トリニティ
17歳という年齢なのに、幼児的な残虐性を持っている美少女ネーナ。とある任務から帰る際、「自分達が戦いで疲れているのに、楽しげにしているのが気に入らない」という理由の憂さ晴らしで結婚式場を襲撃し、民間人を大勢虐殺する事件を起こしたこともあります。
良心の呵責も後悔の念も持たず、自らのひねくれた理屈で人々を傷つけるため、ファンの間でもクズ呼ばわり。
「チームトリニティ」の兄弟たちに殺されかけた時、主人公の刹那・F・セイエイに助けられ、王留美(ワン・リューミン)にかくまって貰うことに。『2nd』で22歳になったネーナはその後も留美に仕えていましたが、ずっと嫌っていた留美に対し、とあるきっかけから反旗を翻し最終的にその留美を殺してしまいます。
ですが最期は、かつてネーナのテロ行為によって家族を失ったルイスに仇討ちで、恨み節を叫びながら殺されてしまうのです。
ということで以上、「ロボットを操縦すべきではなかった心の不安定なアニメキャラ12選」はいかがでしたでしょうか?
振り返れば12人中7人が『ガンダム』シリーズのどれかからの選出でしたね。初代では「正義の怒りをぶつけろ」と歌われていた日本の王道ロボットアニメ...今のパイロットたちを見たらアムロはどんな思いをするでしょうか?
これまでのロボットアニメの歴史上、他にもクレイジーな巨大ロボット操縦者はいろいろ居たかと思いますが、皆さんが思い付くパイロットがいましたら、ぜひともコメントかツイートで教えてくださいね!
12 Lunatics Who Shouldn't Have Access To Giant Robots[io9]
(岡本玄介)
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