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旋律・起 (4部作・創作)
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旋律・起 (4部作・創作)

2013-11-06 16:32
  • 2

「初日から遅刻とかしゃれになんねぇよ!」

少年は8時と表示された時計を投げ捨てるように置き、新品の学生服に着替え始める。
そう、今日は高校の入学式なのだ。

「ご飯はー?」

「いる訳ないだろ!なんで起こしてくれなかったんだよ!」

「何度も起こしたわよ。でも起きなかったのは彰彦でしょ?」

「そうかもしれないけ・・・」

「私だって入学式には出席するのよ?自分の仕度があるんだから起きるまで起こすってことはできないの!わかったら早く仕度しなさい!」

彰彦と呼ばれた少年が言い終える前に母が怒鳴りつける。

「別に怒鳴らなくたって・・・」

ぶつぶつ言いながらも急いで仕度を済ます。

「忘れ物はない?」

「大丈夫だよ!いってきます!」

「いってらっしゃ・・・もう!」

言い切る前に玄関のドアがバタンと閉まる。

「仕度あるっつったって俺のが先に出るんだから起こしてくれたって・・・」


まだぶつぶつ言いながら自転車をこいでいく。
彰彦が入学する高校は自宅から自転車で20分程の場所にある。
学力的に少し厳しかったが自転車で通えるほどの場所にあるその高校に入りたい一心で勉強に励み、なんとか合格を勝ち取ったのだ。

「あっちー」


暖かくなってきたとはいえまだ4月だ。
やや肌寒いはずなのに彰彦は汗だくになっている。
自転車で全力疾走したのだから当然ではあるが。

「【入学生はこちら】か。よし!」

駐輪場に自転車を置き、【入学生はこちら】と書かれた張り紙を頼りに歩いていく。
そこには見るからに新しい学生服を着た少年や少女がやや緊張気味に立っていた。

「ここで間違いないな。つってもここにひとりでいるのはやっぱり心細いな」

その集団に向かって歩き始めた。

「あきひこー!」

後ろから大声で呼ばれ一瞬ビクッとし、その後振り返る。
そこには少女がこっちに向かって歩いてきた。

「お前かよ!びっくりさせんなって!」

「呼ばれただけでびっくりするとか情けないなぁ」

「し、しかたないだろ!緊張してて余裕なかったんだから!」

「だから情けないって言ってんの!入学式なんて初めてじゃないんだから慣れなさいよ」

「うっせぇな!なんで高校まで一緒なんだよ!」

「私がどの高校行ったっていいでしょ!」

「はぁ。これから3年間またお前の顔見ると思うとテンション下がるよ」

「ひっどーい!それにお前って呼ぶの好きじゃないからやめてくれない?」

「じゃあなんて呼べばいいんだよ!」

「名前で呼べばいいじゃない。早希って」

「なに顔赤くしてんだよ。お前はお前だ」

「だからやめてって!」

このやり取りに目を向けない人がいるはずもなく、全員がふたりに視線を送っていた。
それに気付いたふたりはハッとして軽く俯きながら集団に混ざっていった。




承へ続く (ar389159)


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名前どやって考えたの~?o(^o^)o
94ヶ月前
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>>1
彰彦はなんとなくw
早希は春→桜→稲垣早希→早希ですw
94ヶ月前
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