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旋律・結 (4部作・創作)
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旋律・結 (4部作・創作)

2013-12-04 19:00
  • 2

翌日も教科書の配布などで1日が終わった。
どうやら本格的に授業が始まるのは来週からのようだ。
彰彦はその教科書を自分のロッカーにしまうと渋々校内を歩いた。

「くっそ。ほんとめんどくせぇな・・・。でも少しくらい見ないとあいつがうっせぇしな・・・」

ぶつぶつと話しながら歩いた。
『心の声が思わず口に』といったところだろう。

「そうだ!どうせだからオレと全く関係ないとこ見るか!それなら絶対に入ろうなんて気ぃ起こさないしな!」
「となると、科学部だ!」

そう思うと半ば早歩きのようなスピードで廊下を歩いた。
やらなきゃいけないことはなかなか手が付けられないが、やらなくてもよいという状況に持ち込むためにはとても行動派である。
科学部が活動している理科室に向かって階段を上がっていく。
するとなにやら上の階からピアノの音が聴こえてきた。
科学部が活動している教室は5階にあり、その上の6階に音楽室があるためである。

「ピアノ?あぁ、音楽部か。音楽部でも見に行ってみっかな」

科学部を覗くために5階まで来ていた彰彦は、もう1階分の階段を上がっていく。

「んー、よくわかんねぇけどクラシックってやつかな?」
「音楽とか興味ないけどピアノの音はなんか心地いいんだよなぁ」

なんてことを思いながら1段ずつ上がっていき6階に着いた。
音楽室がある階というのもあってさっきよりピアノの音が鮮明に聴こえた。

「やっぱり綺麗な音だなぁ」

素人感覚ではあるが少しその旋律に惹かれていった。
「なんという曲なんだろう?」「どんな人が弾いているのだろう?」
興味本位ではあったが、徐々に彰彦の頭に『知りたい!』という欲が湧いていた。

コン!コン!

「失礼します」

彰彦は扉を開け軽く会釈するとピアノの方へ視線を移した。

「え!!お前!!」
「彰彦!?」

ピアノを弾いていたのは早希だった。

「なんでお前が!」
「彰彦こそ!」
「オレはお前が仮入部くらいしろって言うから!」
「それでここに?」
「悪いか!?」
「別に悪くはないけど・・・」
「それよりお前が弾いてたのか!?」
「そうだけど?」
「あんな綺麗な曲をお前が!?」
「失礼ね!これでもずっとピアノ習ってたんだからね!」

先生が割って入る。

「ま、まぁまぁ。お知り合い?」
「彰彦とは幼馴染で・・・」
「腐れ縁みたいなものです」
「ちょっと!腐れ縁はひどくない!」
「だってそんなもんだろ?」
「ま、まぁまぁ。落ち着いて」

彰彦は未だに驚いていて挙動不審になっている。

「それで、仮入部しにきたんですか?」
「あ、いえ、その・・・。なんでもないです!」
「彰彦!」

扉を勢いよく開くと彰彦は一目散に出て行った。

「なんであいつが?あいつが弾いたピアノに惹かれた?そんなことは・・・。でも、ドキッとはしたし・・・」

またしてもぶつぶつとつぶやきながら階段を下りていく。
そしてそのまま帰路に就いた。
その間もピアノを弾く早希の姿を思い出す。
少しすると心は落ち着いてきて、今はどちらかというと小馬鹿にしているようだった。
「あの早希が?ピアノ?嘘だろ?似合わねー!」といったところである。
しかし、落ち着けば落ち着くほどひとつの感情がしっかりと芽生えていた。




「また聴いてみたい」











次の週の月曜日



「彰彦!おっはよー!」
「おう」
「まさかこんなすぐにばれちゃうとはねぇ」
「なにが?」
「部活のこと!」
「ん?あぁ、部活か」
「んー?なんか元気ないなぁ」
「別にそんなことねぇよ」
「そう?ま、いーや!ところで!」
「ん?」
「その手に持ってるの入部届だよね?」
「そうだけど?」
「帰宅部なのに必要あるのかなぁ?」
「いや?土日でちょっと考えてさ。部活入ることにした!」
「うっそ!ほんとに!?意外!!」
「意外ってのは失礼だろ」
「ごめんごめん!んで、何部!?」
「教えねぇよ!この前の仕返し!」
「えー!!けちー!!教えてくれてもいいじゃんか!!」
「教えたら仕返しにならないだろ?ま、きっとすぐにわかるよ」
「ぶーぶー!」
「それ、お前がやっても全然可愛くないからな?」
「うっさい!」

あははと早希を馬鹿にしたように笑う彰彦の手には「音楽部」と書かれた入部届が大切に握られていた。


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ほいで?続きは?(笑)( ̄▽ ̄)
君のは恋愛手前で終わりやし~w
94ヶ月前
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>>1
オレのさじ加減で展開が決まっちゃうと思うと嫌なんです^^;
この二人にはくっついてほしい!って思う人もいれば、こんな障壁があっても面白い!って思う人もいると思うし・・・
94ヶ月前
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