こんにちは。前回と前々回のクマムシトリビア「クマムシの乾燥レシピ」が好評でした。とってもうれしいです。と小学生みたいに嬉しさを素直に表明したいです。

 読者数もまたまた増えてきました。とても有り難いことです。こうしてクマムシの輪が全国に広がっていき、堀川が北海道第2区から立候補してもトップ当選するくらいになればいいな、と思っております。

 つきましては、みなさまのご友人にぜひ清き一票を、いや、むしマガ購読登録をお勧めいただけますと幸いに存じます。本メルマガの転送は暗黙の了解でフリーとなっていますので、ぜひともご興味のありそうな方々にお送りください。

 そんなこんなで、今号はクマムシトリビアをお届けいたします。

★クマムシトリビア その12

 読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答します。

◆ 質問:

 クマムシは乾燥した仮死状態で何年くらい生きられるんですか?永久に生きられるんでしょうか?(その1)

◇ 回答:

 きました。「クマムシは永遠に生きられる」説の検証です。

 鈴木忠さんの書かれた本「クマムシ?!」にも、この部分について解説が書かれていますが、ここでもこの疑問に一通りお答えした後、さらに掘り下げたお話もしますね。

・有名な120年伝説

 まず、有名な話として、コケの中で120年間乾眠状態だったクマムシが蘇った、というのがあります。博物館で120年間保存されていたコケに水をかけると、その中から出てきたクマムシが動き出した、というものです。

 この話は様々な文献に紹介されてきました。もちろんきちんとした、それも高名な研究者らによって書かれた論文に、です。

 僕も最初はこの「伝説」を信じていました。

 この伝説の元となる論文は、Franchesci氏によって1948年に発表されていました。ただし、このイタリア語で書かれた論文では、120年間眠っていたクマムシの様子が、ちょっと微妙な表現で記述されています。

 2001年のJonsson氏とBertolani氏による総説の中で、この部分の英訳が引用されています。ここでは、この部分をさらに和訳して引用します。