今回は、日本で起きている過剰とも思えるほどのサービス競争がなぜ問題なのかを書きたいと思います。
まず一つめには、客のモンスター化を助長させてしまうという問題があります。過保護ともいえるようなサービスを受けて当たり前の日本では、店員のちょっとしたミスや態度に腹を立てて、延々とクレームをつける客を増やしてしまいます。
このようなモンスター客が増えると、企業はこのような人たちのための対策に多くの人的、時間的なリソースを割かなくてはなりません。これはマクロな視点で見ても大きな経済損失です。
そして二つめは、多くの人々が社会に出られなくなってしまうことです。
日本ではファミマでもマクドナルドでも、アルバイト店員に要求するホスピタリティのレベルが非常に高くなっています。しかし、世の中には一定の割合で、このレベルに到達できない人々もいます。
それは、どんなに努力をしても、お釣りを出すスピードやポテトを揚げるスピードがちょっと遅かったりする、そんな人たちです。
この程度のことは、他国ではほとんど問題になりません。はっきり言って、アメリカやフランスではスーパーの店員のレジ打ちのスピードは、日本のスーパーの店員の3倍くらいかかっています。それどころか、携帯で友達と話しながら働いている人もいたりします。でも、客は誰も文句を言いません。それでよしとしているのです。
しかし、日本ではちょっと動作が遅かったり、愛想笑いが苦手な人たちは、店長や上司や同僚から怒られ、下に見られ、そして解雇されたりしてしまいます。こうなると、自分のことを社会不適合のダメ人間と思うようになり、心も病んで外に出られなくなる人もいることでしょう。
これも、潜在的な働き手を社会に還元できなくなるため、経済損失は計り知れません。
つまり、どこかでこのサービスのハイパーインフレに歯止めをかけないと、日本という国はすごく生きづらい国になるのです。いや、すでになっているのです。それは、外国に暮らしていると良くわかります。
毅然とした態度で臨む企業が増えることで、日本人がサービスに対して寛容になり、日本が今よりも住みやすい国になるといいですな。
★クマムシトリビア その16
読者からのクマムシにまつわる様々な疑問に対して堀川が回答...の予定だったのですが、今回からクマムシさんとクマムシ助手のゆうさんにバトンタッチします。
☆クマムシさん
【プロフィール】
ヨコヅナクマムシの女の子。のんびりしている。
☆ゆうさん
【プロフィール】
クマムシの世話をしているちょっと不器用な助手。好物はゆでたまご。
http://www.kumamushisan.net/labo.html
◆ 質問:
クマムシはどれくらいの低温や高温の範囲に耐えられるんでしょうか(その1)。
◇ 回答:
・クマムシさん→ク
・ゆうさん→ゆ
ゆ「わーい!むしマガ初登場だ~!読者のみなさん、よろしクマムシ☆」
ク「ゆうさん、はしゃぎすぎだよ~」
ゆ「ごめーん。ちょっとテンション上がっちゃったもので...」
ク「それに『よろしクマムシ』ってあいさつは、ぼくの専売特許だよ」
ゆ「ホントごめんね!クロレラあげるから許して。はい♪」
ク「ぱくぱくまむし。うん、許してあげる♪」
ゆ「(単純ねぇ...) えーと質問は、っと。クマムシがどれくらいの温度に耐えられるかね。」
ク「このひとは、たぶん乾眠のクマムシのことについて聞いているんだろうね」
ゆ「うん。クマムシは熱や寒さに強いことで知られているよね。下は絶対零度のマイナス273度から上はプラス150度まで大丈夫とか。これって本当なの?」
ク「うん、本当だよ。高温には150度までたえられたっていう報告も「あるにはある」んだ」
ゆ「あるにはある?」