久野です。
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久野です。
久野です。
学会でお付き合いがあり、尊敬する先輩研究者でもある
広中一成先生が『通州事件 -日中戦争泥沼化への道』
(星海社新書)を出版しました。
「南京大虐殺」論争の中で長年なおざりにされてきた
通州事件(昭和12年7月)を扱った、貴重な研究書です。
学術ベースなので当然、
典拠は文献史料の引用がメインとなっています。
「漢字が今のやつに直されてても、
史料とか読むのメンドーだよ~」
(←日本をまもりたいという方が、
本当はそれでは困るんですが…)
という方も、ぜひ本書が紹介している
現場経験者の証言だけでも読んでみて下さい。
私にとって、同盟通信社特派員として
当時通州にいた安藤利男氏の証言は圧巻でした。
氏は他の日本人たちと一緒にしばらく監禁されたのち、
虐殺を行っっていた保安隊に
通州城内の「銃殺場」に連行されます。
しかし、スキを見て城壁の頂上まで駆け上がり、
城外に向かって高い壁を一気に飛び降りて、
幸運にも3日後に北京で保護されました。
その時の思いを、安藤氏は以下のように語っています。
「この儘(まま)では必ず殺される。
何とかして逃げなければいけない。
このまま銃殺されてしまへば、
斯(こ)んな重大な事実を誰にも言はないで、
どんな事があったのかも
一般の日本人は知らないで済んでしまふ。
〈中略〉自分には報道の任務もある」
彼は逃げたのではありません。
“本当の虐殺”をこの時だけでなく、
後世の我々に伝えてくれるために命がけで走ったのです。
戦後の日本人は彼の思いを踏みにじって、
ありもしない「南京大虐殺」ばかり喧伝してきたのです。
このような記者にこそ本来は、
日本のジャーナリズム界最高の栄誉賞を授与すべきでしょう。
本書は、通州事件を「南京大虐殺」プロパガンダの
カウンターパートにすべきと考える方々にとっては
主張面でやや物足りないかもしれません。
でも通州事件について、背景も含めて
体系立てた知識・情報を求める方は、ぜひ読んでみて下さい。
今週の【久野潤チャンネル】のテーマは、
「我々は国の代表をどのように選んできたのか」。
よその国まで行って「南京大虐殺」を喧伝し、
先人たちを貶め続ける政治家を
選び続けたのも日本人自身なんです。
( 久野 潤 )