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"全体主義と闘った男"河合栄治郎の命日に想うこと|久野潤チャンネルブロマガ
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"全体主義と闘った男"河合栄治郎の命日に想うこと|久野潤チャンネルブロマガ

2017-02-17 12:18


    久野
    です。

    2月15日は戦前~戦中期を代表する経済学者、河合栄治郎の命日です。

    毎年この日は河合栄治郎研究会
    (会長:川西重忠桜美林大学教授)があるので、
    私も昨年に引き続き参加しました。

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    午前中は有志による青山霊園での墓参会、
    午後に桜美林大学四谷キャンパスで研究会が開催されます。

    研究会代表の川西重忠桜美林大学教授の開会挨拶のあと、
    以下の報告がありました。
    ○ 湯浅博産経新聞論説委員「河合栄治郎の現代的意味」
    ○ 行安茂岡山大学名誉教授「河合栄治郎の『自我の成長』とその課題」

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    墓参会から御一緒させていただいた行安氏は
    戦前生まれ世代なので
    「昨日はパレンバンの落下傘降下記念日でしたよね、
    あの戦いの経験者を取材しに岡山に伺ったことがあります」と話を振ると、
    「実は私のいとこがパレンバン征ってんだよ、
    僕も小さい頃から『空の新兵』歌うのが大好きでね」とおっしゃいました。

    そしてこのたび産経新聞での連載をまとめて
    『全体主義と闘った男 河合栄治郎』(産経新聞出版)を出版された湯浅氏には、
    論文を同封した手紙を先日お送りしたばかりでした。

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    開会前に湯浅氏と名刺交換させていただいた際、拙論も読んだということで
    「もっと早く(連載前に?)送ってくれたらよかったのに」と言って下さいました。
    御世辞かもしれませんけど、たいへん光栄なことです。

    同封した学術論文は、4年前に『国際研究論叢』に書いた
    「支那事変における河合栄治郎の国際情勢認識 
    -他の自由主義知識人との危機意識の相違を踏まえて」。

    河合が戦争賛美に転向したわけではなく、
    また「議会主義」を標榜していたゆえに
    仕方なく戦争継続を是認したわけでもなく、
    コミンテルンの浸透による「支那の赤化」→「日米離間」
    を喰いとめるために毅然たる対応と早期解決を主張した
    ということを実証的に論じたものです。

    念のため――私の本来の専門は
    支那事変(いわゆる日中戦争)期の政治外交とその背景思想で、
    大学院の学位論文のテーマも
    (当時ほとんど知られていなかった)昭和研究会でした。

    戦後の反戦平和主義の風潮の中で河合の思想・主張は曲解され、
    弟子筋によってすら歪曲され、
    単に「自由主義者」「民主的社会主義者」と評されるに至りました。
    それはただ河合だけの問題ではなく、
    支那事変の発生&長期化の原因を
    “軍国主義日本による侵略”の一言で片づけてしまう現況につながっています。

    自虐史観を含む戦後レジームからの脱却に向けて、
    河合栄治郎について大々的に取り上げた湯浅博氏
    そして産経新聞の慧眼に敬意を表します。

    さて今週の「久野潤チャンネル」では、
    そうした歴史戦の最前線で奮闘して下さっている
    山岡鉄秀さん(Australia-Japan Community Network(AJCN)代表)
    をゲストにお迎えしています。ふるってご覧下さい♪



    ( 久野 潤 )
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