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  • 【CH会員2次先行】『不思議堂【黒い猫】』マーダーミステリーナイト公開生放送【イベント】

    2023-05-12 13:50  
  • 【連載物語】不思議堂【黒い猫】~阿吽~/朗読短編【春の奇術師】

    2023-05-04 20:51  
    朗読短編『春の奇術師』
    著:古樹佳夜
    絵:花篠
    本編生朗読のアーカイブは「令和5年3月記」でご覧いただけます!
    吽野:浅沼晋太郎
    阿文:土田玲央
    奇術師・天蛙:河西健吾
    アーカイブ前半 https://www.nicovideo.jp/watch/so41987185
    アーカイブ後半 https://www.nicovideo.jp/watch/so41987200
    ◆◆◆◆◆居酒屋◆◆◆◆◆
    吽野 「は〜〜! 美味しいお酒だねぇ、阿文クン!」
    吽野は勢いよくジョッキを飲み干した。
    宵の口、行きつけの居酒屋は活気付いている。
    阿文 「どうした先生。もう酔っ払ったのか」
    吽野 「ふふふ、いやー、それがさ〜」
    珍しく上機嫌な吽野に阿文は目を光らせていた。
    度を越して呑んでしまっては明日の原稿が上がらない恐れがある。
    そんなことなど気にもとめずに、吽野は懐に手をつっこんだ。
    吽野 「この金のカエ
  • 無料公開中【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』第一話

    2023-05-04 15:10  
    著:古樹佳夜絵:花篠吽野:浅沼晋太郎阿文:土田玲央★第二話はこちらhttps://ch.nicovideo.jp/kuroineko/blomaga/ar2115953-------------------------------------------◆第一話第一章「大江山よりの便り」下町の風情漂う商店街。最奥に不思議堂がある。
    ボーンボーンと
    真向かいの時計店の振り子時計が夕暮れ時を告げた。
    裏手の飲み屋から、ガヤガヤと酒呑たちの笑い声が
    聞こえてくる頃だが、そんなことなどお構いなしで、
    吽野は一心不乱に売れない冒険小説を執筆していた。
    吽野「裏の飲み屋、楽しそうだな……それに引き換え、俺は机に齧り付いて、何してんだろうねぇ……」
    吽野の集中は完全に切れてしまった。
    吽野「あ〜ダメだ……。阿文クン……」
    阿文「時計屋から聞こえただろう。今は五時」
    吽野「そうじゃなくてぇ、お茶ちょうだい
  • 無料公開中【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』第二話

    2023-05-04 15:05  

    著:古樹佳夜
    絵:花篠吽野:浅沼晋太郎阿文:土田玲央★第三話はこちらhttps://ch.nicovideo.jp/kuroineko/blomaga/ar2115955------------------------------------------第二話序章「次なる演目は」
    ◆◆◆◆◆不思議堂◆◆◆◆◆
    吽野「う〜〜〜ん……」
    吽野は文机に向かって、頭をガリガリと掻いていた。
    後ろから、心配した阿文が声をかける。
    阿文「先生、何を唸っているんだ。お腹でも壊したのか」
    吽野「お腹は壊してない。今ね、舞台の題材を思案中なんだ〜」
    阿文「ほう、舞台か」
    吽野「次回は二人芝居の予定だよ」
    阿文「二人だけ? 他の役者を呼んでも良さそうだが」
    吽野「予算の問題だよ。出演は俺と阿文クン」
    阿文「ええ、また僕も出るのか」
    吽野「不満げだね」
    阿文「うーん、本当に僕でいいのか? 僕は、演技に関しては
  • 無料公開中【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』第三話

    2023-05-04 15:02  
    著:古樹佳夜絵:花篠吽野:浅沼晋太郎阿文:土田玲央★第四話はこちらhttps://ch.nicovideo.jp/kuroineko/blomaga/ar2115964----------------------------------------------------
    第三話第一章 文豪の集い

    ◆◆◆◆◆不思議堂◆◆◆◆◆

    吽野「寝癖直んないな……ま。いっかぁ」

    吽野は前屈みになりながら

    右手で前髪をいじり、ぶつぶつ言っていた。

    阿文「おや、先生が鏡台の前で髪を整えている。まるで猫みたいだ」

    部屋に入ってきた阿文はくすくすと笑った。

    足元をすり抜けたノワールが、目を細めて、細く鳴いた。

    ノワール「ニャー〜」

    阿文「ははは。確かに、ノワールの言う通りだ。猫だったらあんな寝癖はつけてない」

    吽野「悪口が丸聞こえなんだけど」

    阿文「おっと、気づかれた」

  • 無料公開中【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』第四話

    2023-05-04 15:00  
    著:古樹佳夜絵:花篠吽野:浅沼晋太郎阿文:土田玲央
    ★第五話はこちらhttps://ch.nicovideo.jp/kuroineko/blomaga/ar2149215-----------------------------------------------------

    第四話序章「狛犬」

     

    ◆◆◆◆◆不思議堂◆◆◆◆◆

     

    その日、吽野は上機嫌で、阿文に話しかけた。

     

    吽野「阿文クン、春だね」

    阿文「ああ。そうだな」

     

    店内の片付けをしていた阿文は、

    手を止めることなく受け答えした。

     

    吽野「春といえば、なんの季節かわかるかな?」

    阿文「そうだな……うーん、桜の季節……かな?」

    吽野「それ! いやー俺たち気持ち通じ合っちゃってるよね〜」

    阿文「それはよくわからないが」

    吽野「あらそうなの?」

    阿文「そういえば、ちょうど今、裏手の神社は桜
  • 無料公開中【連載物語】『不思議堂【黒い猫】~阿吽~』第五話

    2023-05-04 14:00  


    著:古樹佳夜
    絵:花篠
    吽野:浅沼晋太郎
    阿文:土田玲央
    -----------------------------------------------------
    ◆第五話 第一章「泥棒!」
    ◆◆◆◆◆不思議堂◆◆◆◆◆
    阿文 「先生、大変だ!」
    阿文が血相を変えて飛んでくるものだから、
    吽野は書き途中の草稿をくしゃくしゃと丸めて部屋の隅に放ってしまった。
    もっとも、原稿用紙の上に、落書いていたことを悟らせないためだ。
    吽野 「どうした? 3日前買い付けてきた呪いのマネキンが喋りでもした?」
    阿文 「あいつ喋るのか!?」
    吽野 「って噂だよ」
    阿文 「昼間ぶつぶつ聞こえるのはあいつだったのか……って!そうじゃない、それよりも大変なことが起きたんだ」
    吽野 「一体何が起きたの?」
    阿文 「不思議堂に泥棒が入った!」
    吽野 「なにぃ!」
    その一言で、吽野は文机をひっくり返す勢いで立ち上が