橋本徹・大阪知事の出自を綴った週刊朝日の「ハシシタ 奴の本性」が初回にして、最終回になってしまった。連載の初回が最終回になるとはだれが想像しただろか。
作家はノンフィクション系の事前取材に重点においた佐野眞一氏である。私も佐野氏の著作は何冊か読んだことがあるが、たとえそれがリサーチャーと呼ばれる取材スタッフを大量に駆り出してのものであっても、十分に関係者に取材を行ったうえでのもので、読むものを引き付けるペンの魔力のようなものを孕んだ作品に仕上がっている。同じようなテーマで取材され著作されたものが孫正義・ソブトバンク社長の「あんぽん」もその魔力にあふれている作品だ。