「やさしくされると涙が出そうになる」

　手指が乾燥してビニール袋が開けなくなったのはいつからだっただろう。これも加齢のひとつなのだろうか。老眼に始まり、最近は髭に白髪が混じるようになった。一段ずつゆっくりと老人への階段を昇るたびに振り返って言葉にならない感慨とさみしさが込み上げてくる。 　

「炭素税で学校に屋内プールを」

「今日から体育は鉄棒なんだよ」と娘がうれしそうに教えてくれた。 　

「天動説」

　娘が理科で「太陽と影」について学び始めた。 　

「クリスマスよりもハロウィンの時代へ」

　 2010 年代に父親になって知ったことがいくつもある。そのひとつが多くの子どもがクリスマスよりもハロウィンを楽しみにしていることだ。 　

「脱穀、そして籾摺り」

　娘が春の田植えで頂いてきた苗をベランダのバケツ田んぼで育てていた。 　

「ワークライフバランス」

　休み前の打ち合わせの最後に締め切りを聞くと大抵こう言われる。 　

「既読スルー」

「夏休みの自由研究どうなったかな」と娘がぽつりと言った。 11 月も間近な肌寒い朝のことだ。 　

「社会から取り残されているんじゃないかなんて思う必要ないんじゃないかな」

　 SNS の投稿の裏に投稿者の社会的孤立に喘いでいるような焦燥感を感じて息苦しくなることがある。 　

「フェアトレード」

　日本の農業が衰退した理由を探す旅に出たのは 2009 年のことだった。食糧自給率の低下が社会問題としてマスコミで取り上げられていた頃だ ( それは解決するどころかますます悪化している ) 。 　

「共に悩み、共に成長する」

　子どもが生まれてから、人生をもう一度生き直しているように感じられることがたびたびある。我が子が直面している問題に、共に悩み、共に成長する機会でもあるからだ。