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2025年2月の記事 12件

「移住することは、視点を変えること」

 一日の大半は仕事部屋で16インチの窓から世界を見ている。良い報せと悪い報せ。情報。コミュニケーション。現在過去未来。百万都市を歩いているとき以上の人々の声。誰かの溜め息に寄り添い。誰かの罵詈雑言を音楽で掻き消しながら、アイデアを搾り出し、想いを言葉に乗せて紡いでいく。出来上がったものを窓の向こうにそっと置いておく。自分の言葉が誰かのノイズにならないことを祈る。   席を立つたびにもうひとつの窓を見る。そこにはいつも海が広がっている。夜明け前の静けさの中で操業する漁船。午後の青い煌めきと旋回する鳶。茜色の夕焼けと子どもたちの笑い声。季節の移ろいがある。自然と共に生きている人たちの営みがある。 雪化粧をした霊峰富士が守っている。  窓の外にいつも海がある町で暮らし始めて15年。生活者としての視点は大きく変わった。海に多くの大切なことを教わった。結果としてそれは幾つものあたらしい出会いへと繋がっていた。この町で海を見つめ、里山で土に触れ、汗を流して感じたことを日々言葉に紡いできた暮らしが自分を想像もしていなかった未来へと連れてきてくれたように思う。  

草の根広告社

『草の根広告社』は、放送作家を生業とする僕が、2004年からとある番組サイトで日々の想いを徒然なるままに綴って来た「人生日誌」です。大都市東京の通勤圏にある海辺の小さな町「秋谷」で暮らしている現在は、本業の傍ら、浜でビーチグラスを拾い、畑を耕し、海沿いを走りながらの日々の思索と 「海辺暮らしのミニマリズム」について書いていこうと思います。ともに掲載する「海と空の写真」が読んで下さる方の深呼吸になればと願っています。

著者イメージ

小原信治

1969年生まれ。神奈川県出身。1989年より放送作家及び脚本家として活動中。2008年からは青葉薫として全国の農家を訪ね歩くフィールドワークも開始。その経験を書籍「種蒔く旅人」や同名タイトルの映画原案などにも。2010年には三浦半島にある海辺の小さな町「秋谷」に移住。東京・大阪などでの本業の傍ら、里山で自らの畑を耕しながら執筆活動を続けている。株式会社オフィスクレッシェンド取締役 お問い合わせは⇒http://www.crescendo.co.jp

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