ニコニコ動画の新コマンドをできる限り一般向けに解説
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ニコニコ動画の新コマンドをできる限り一般向けに解説

2013-07-20 01:47


     6月28日にひっそり公表された動画プレーヤー用の新しい「ender」コマンドについて、できる限りコメントアート制作者以外の方向けに解説してみたいと思います。
     enderコマンドは、以前実装されたpatissierコマンドと同様に名前から効果が連想できないコマンドで、コメントアートについてそれなりに知らないと理解しがたいコマンドです。

    【経緯】
     コメントアートにおける問題の一つに「二重リサイズ」の問題がありました。

     二重リサイズ(ダブルリサイズ)とは、
      コメントの横幅が画面一杯になると文字サイズが縮小する「臨界幅リサイズ」と
      1コメント内で一定以上改行すると文字サイズが縮小する「改行リサイズ」が
     同時に発生すると文字サイズが逆に拡大するというバグです。

     二重リサイズは、その便利さからコメントアートでよく使われるテクニックです。
     特に通常2レイヤー(ueコメントとshitaコメント)しか重ねられない固定コメントでそれ以上にコメントを重ねる「多色刷り」というテクニックに使われます。
    ※多色刷り
    固定コメントはueコメントとshitaコメントの2レイヤーしか重ねられない。ueコメントやshitaコメントを画面一杯まで積み上げて、次のコメントがそれ以上入らない場合は弾幕モード化してY座標がランダムになる。改行入りのコメントの高さがコメント領域の高さに近いとY座標のズレがわずかとなり3コメント以上の重ね合わせが可能となる。

     二重リサイズを使用したコメントは画面外に大幅にはみ出すという特有の仕様があります。これを利用すると画面外の見えない位置にフォント変化用の文字を隠すことができます。
    ※フォント変化
    コメントの文字フォントはFlashPlayerに依存しており、フォントを指定することができない。使用するUnicodeによってフォントが変化するため、フォント変化用の文字を入れることでフォントを制御する。

     便利な二重リサイズですが、その特性ゆえに負荷が高くなります。
     2回のリサイズ処理。画面外にはみでる黄枠。
     コメントの負荷は一概には言えませんが、目安としてコメントの重ね合わせと黄枠面積が上げられます。黄枠とは自分が書き込んだコメントの周囲に表示される黄色い枠のことです。
     二重リサイズは見えない領域まで広大な黄枠が広がる上に、多色刷りのために重ね合わせで使用されることが多くなります。そのため、コメント数がある程度多いと動画プレーヤーに負荷がかかることになる訳です。※ちなみに弾幕モード化コメントは弾幕モード化していないコメントより若干負荷がかかります。

     負荷等の問題のある二重リサイズですが、バグなら直せばいいじゃないと思われるかもしれませんが、二重リサイズが使えなくなると、それまで作ったコメントアートが無駄になるだけではなく、過去のマイメモリーのコメントアートが全て壊れることになります。

     さて、この問題の解決策として、なかがみ氏のブロマガ(2重リサイズ)に書き込んだ誰かさんのコメントを運営が見ていて参考にされました。(なかがみ氏の賛同コメントも影響しているような気がしますが)



     つまり、CAクラスタ側から要望した訳ではなく、コメントアート制作者の発言を参考にして、運営が気を利かせて実装した訳です(`・ω・´)
     何故、今更このコマンドが実装されたのかというとこういう経緯によるものです。

     patissierコマンドは、和集合仕様になった時に元々できていたことができなくなった(歌詞コメントの先入れ先出しのログ流れ)ので元の仕様に戻すためのコマンドでした。
     enderコマンドとは、本来こうあるべきだった状態にするためのコマンドです。
     たとえCAクラスタが望んだとしても運営が必要と判断しない限り実装されることはないでしょう。

    【効果】
     一定以上改行されて改行リサイズされるはずのコメントがリサイズされなくなります。つまり、臨界幅リサイズだけになるので二重リサイズは発生しなくなります。臨界幅リサイズの調整によりコメントの高さをコメント領域の高さ近くにすることで多色刷りが可能となるので、二重リサイズの代用が可能となります。
     enderコマンドを入れなければ二重リサイズは発生するので、過去のマイメモリーは壊れません
     では、二重リサイズはもう使わなくなるのかというと、enderコマンドでは画面外でフォント変化文字を隠すということは出来ないのでまだ使い道はあります。

    【付加効果】
     使用できる文字サイズのパターンが増えました。多色刷りで固定できる文字サイズのパターンも増えました。

     コメントアート制作者以外の方には中々気付きにくいかもしれませんが、演出の幅が広がったと思います。

    【隠しコマンドである意味は?】
     patissierコマンドとenderコマンドは何故隠しコマンドとして実装したのでしょう?
     patissierコマンドについては、リーフ仕様はコメントを一箇所に集中させずにできるだけ分散させるための仕様であり、運営側としては元の仕様に戻すpatissierコマンドは一般コメントでは使って欲しくありません。
     enderコマンドは別に公開してもいいのではないかと思われますが、コメントアートをまったく知らない人からすれば公開されても意味不明だから?


     コマンドの命名は運営のユーモアの表れでしょうか。



    <関連リンク>
     新コマンドenderについて【CA新時代】

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