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MP3ファイルのピッチ変更のやり方
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MP3ファイルのピッチ変更のやり方

2014-06-10 23:20

    せっかくブロマガを開設したので、少しでも活用してみようという試み。
    需要がある話かどうかは顧みない。


    MP3ファイルのピッチ調整

    CDの音源の中には、基準ピッチがA=440Hzからずれているものがあったりします。
    例えば、AC/DC「Highway To Hell」「High Voltage」
    Def Leppard「Photograph」
    Queen「Seven Seas Of Rhye」「Hammer To Fall」「The Hitman」
    UFO「Rock Bottom」
    The Rolling Stones「Paint it, Black」
    などのスタジオ版の音源は、基準ピッチがA=440Hzからずれています
    こうした音源に合わせてギターを弾く場合、
    ギターを音源の基準にあわせたチューニングにしない限り、
    違和感を常に感じながら合わせることになります。
    また、基準ピッチのずれ方がはっきりどれくらいとわかっていれば、
    チューナーの基準ピッチをそれにあわせるなどして、
    ギターのチューニングを合わせるのが幾分か楽になりますが、
    基準ピッチが明確でない場合は、チューニングをあわせるのにも一苦労するでしょう。
    音源の方をギターの基準ピッチに変更できれば、
    もっと楽に練習できるはずなのに、と考えるのも自然だと思います。

    ここでは私が使っている、
    上記のような曲の音源をパソコン上で標準的なピッチに変更する方法を紹介します。


    ピッチ調整に使うソフト

    この説明でピッチ調整に使用するのは、「聞々ハヤえもん」というMP3再生ソフトと、
    「WaveTone」という耳コピ支援用MP3解析ソフトです。
    これらはどちらもWindows上で動作するフリーソフトになります。
    ピッチ調整したMP3ファイルをダイレクトに書き出す場合は、
    「Lame」というMP3エンコーダ(フリーソフト)を
    「聞々ハヤえもん」と組み合わせて使うと便利です。


    やり方

    解析

    はじめに対象の音源のMP3ファイルを用意します。CDからMP3で取り込むなどしましょう。
    そして対象のMP3ファイルを「WaveTone」で開き、解析をかけます。
    少し時間がかかるので待ちましょう。
    「WaveTone」はMP3ファイル内の音程の基本周波数を解析する機能があります。
    この基本周波数の解析結果から、A音を探してその基本周波数を割り出します。
    「WaveTone」の解析結果画面には、基本周波数の解析結果が
    黄色い線でグラフ状に表示されているので、
    その線上にマウスポインタをあわせればポップアップで、
    あるいはクリックでカーソルを移動するとウィンドウ上部の表示部に
    その時間軸上の基本周波数が、近辺の音程と一緒に表示されます。

    その表示から、A音付近の基本周波数を数点サンプリングし、
    計算の基準にする基本周波数をメモしておきます。

    計算

    次に、MP3の解析結果から得たA音の基本周波数で、
    同じ高さのA音のA=440Hzのときの周波数割ります。

    周波数変更係数 X=(A=440Hz時のA音の周波数)÷(音源の解析結果のA音の周波数)

    A音の周波数は、基準ピッチを440Hzとすれば
    オクターブ上になるごとに880、1760…と倍々に、
    逆にオクターブ下に行くごとに220、110、55…と半分になっていきます。
    それを踏まえた上で、解析結果から得たA音付近の基本周波数と、
    それと同じオクターブのA音の理論上の周波数を比較して、
    再生周波数変更時の係数を算出します。

    次いで、再生速度を補正する係数を計算します。
    こちらは、1先に算出した周波数変更係数で割ります。

    再生速度補正係数 Y=1.0÷周波数変更係数 X

    これでピッチ調整のために必要な計算値はそろったので、次から具体的な作業に入ります。

    変換

    今度は、ピッチ調整の対象のMP3ファイルを「聞々ハヤえもん」で開きます。
    「聞々ハヤえもん」は、再生周波数を指定でき
    また音程を変えずに再生速度を変更する機能があります。
    [再生速度][再生周波数]の欄に上で計算した値を入れていきます。
    ([再生速度]、[再生周波数]の欄が表示されていない場合は、
    [表示]メニューの[コントロールバー]をチェックすれば表示されます。)

    上で計算したXに100をかけた値を、[再生周波数]の欄に入力します。
    同様に、上で計算したYに100をかけた値を、[再生速度]の欄に入力します。
    100をかけるのは、どちらの欄もパーセント指定で入力するようになっているためです)
    この状態で再生すると、音源はA=440Hzを基準とした音程に近くなるはずです。
    もしここでまだ音程にズレが感じられる時は、
    MP3ファイルの基本周波数の解析からやり直すと良いでしょう。

    必要であれば、この状態で[ファイル]メニューの[保存][一括変換]で、
    ピッチ調整をした音源ファイルが作れます。

    この段階で何が起きているのかを簡単に説明すると、
    [再生周波数]では再生時の周波数の増減を指定します。
    これは、テープレコーダの早回し・遅回しをイメージすると理解しやすいと思います。
    再生周波数を上げると、再生速度は速くなり、同等の割合で再生音の音程も上がります。
    この再生周波数が2倍になると、再生速度と再生音の音程の両方が2倍になり、
    つまり結果として、1オクターブ高い音程で倍速再生されるようになります。
    再生周波数に前項の周波数変更係数を乗算した場合、
    再生される時の音程は、A音に注目するとして

    音源のA音の周波数 × 周波数変更係数 X
    =音源のA音の周波数 × (A=440Hz時のA音の周波数)÷(音源のA音の周波数)
    =(A=440Hz時のA音の周波数)

    という計算になり、再生音の音程は理論上A=440Hzにあわせた音程になるわけです。

    ただし、再生周波数を変更した場合、音程だけでなく再生速度も連動して変化します。
    再生周波数を変えて低かった音程を高くすれば、それだけテンポも速くなってしまいます。
    そこで、「聞々ハヤえもん」"音程を変えずに再生速度を変える機能"を活用します。

    再生周波数を指定して再生した場合、その係数に比例して再生速度は変化します。
    元の再生速度を1.0とすれば、再生周波数をX倍した時の再生速度は
    再生周波数と同様にX倍されて、1.0×X になります。
    この状態の再生速度を元の速度に戻すためには、再生速度をXで除算すれば良い訳です。
    つまり、前項の〈再生速度補正係数 Y = 1.0 ÷ 周波数変更係数 X〉は、
    周波数変更係数でX倍された再生速度を、元の1.0に戻すための係数ということになります。

    以上の手順で、MP3ファイルの音源をA=440Hz基準の音源に変更することが可能です。
    なお、この説明では「聞々ハヤえもん」「WaveTone」を使用しましたが、

    • 音源から基本周波数を解析する機能
    • 音源の再生周波数を指定できる機能
    • 同様に音程を変えずに音源の再生速度を変更できる機能

    の3点を確保できれば、上記以外のソフトウェアでも音源のピッチ変換はできます。


    応用

    なお、上記の手法を応用して、
    半音下げの音源をレギュラーチューニングで弾ける音源に変換する
    ということも可能です。

    方法については、解析の段階で音源から探す音程をA音ではなくG#音にするだけです。

    他にも、1音下げやカポを使っている音源などを
    レギュラーチューニングで弾ける音源に変換することも可能です。
    いずれも、解析の段階で音源から探す音程を、
    元の音源の5弦開放に当たる音程にするだけです。
    ただし、音程を変更するとドラムやヴォーカルなどの音程も連動して変わりますし、
    ダウンチューニングとレギュラーとでは弦の鳴りが違ってくることもあります。
    音源を変換する時には、曲の雰囲気も含めて考慮するのが良いかもしれません。


    余談

    余談ですが、「聞々ハヤえもん」には、
    "再生速度を変えずに音程を変える機能"もあります。
    半音の10分の1単位で音程の変更が可能なため、
    耳を頼りにすれば、上で紹介した解析や計算などをせずに、
    トライ&エラーで音源の音程をギターに合うように変更することもできます。
    解析や計算が面倒であれば、こちらの機能で力押しするのも良いでしょう。
    半音下げとわかっている曲をレギュラーチューニング用に変換する場合などは、
    こちらの機能を使った方が手っ取り早いでしょう。



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