ブロマガ活用の一環として、音楽理論的な話題を投入。
今回もまたコード・スケールの話。
一段落まとめきるまでコード・スケールの話になる予測。
使っている用語等については、学問的には誤っている可能性があります。
なお、状況に応じて、ここの文章を加筆・修正することがあり得ます。
(間違いとか直せるところは後でこっそり直す予感)
コード・スケール・6
前回まで、キーのスケールに基づく形で
よく使われるコードのコード・スケールを簡単に整理しました。
今回からは視点を変えて、コード・スケールを検討していきます
今回からは、前々回予告した、コードの機能の代理関係に着目し、
コードの機能の代理関係に基づくコード・スケールの構成を検討します。
今回は、メジャー・キーについて整理します。
メジャー・キーの場合
メジャー・キーの場合、そのキーの基盤となるスケールはメジャー・スケールに限られ、
バリエーションはありません。
また、主要和音はキーのスケール上の音から構成されるダイアトニック・コードからなり
それらのコード・スケールもキーのスケール上からノンコードトーンを補完するため
結果として、導かれるコード・スケールは前に挙げた内容と同じになります。
ここでは、主要和音の機能ごとに代理コードを分類し、
その共通性について検討していきます。
トニック・コード
トニック・コードは、主音をルートとするI・I6・IM7系統のコードです。
トニック・コードの代理コードとしては、
IIIm[IIIm7]、VIm[VIm7]、IIIm7(-5)、VIm6、#IVm7(-5)
が挙げられます。
基準となるトニック・コードのコード・スケールは、基本として
イオニアン・スケールになります。
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | aug4th dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
このコード・スケール上では、完全4度がアヴォイドノートになります。
以下、各コードのコード・スケールを整理していきます。
IIIm系統:フリジアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | aug4th dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
iii | iv | #iv bv | v | bvi | vi | bvii | vii | i | bii | ii | bii |
I(イオニアン・スケール)との対応関係 |
IIIm系統では、短2度と短6度がアヴォイドノートになります。
このうち、短2度のアヴォイドノートは、トニック・コードの完全4度に相当し、
アヴォイドノートの共通性が見られます。
なお、このコード上では短6度がアヴォイドノートになりますが、
この短6度はコードに含めると構成音がIM7と一致する異名同和音になり、
IM7の転回形になる関係があります。
VIm系統:エオリアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | aug4th dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
vi | bvii | vii | i | bii | ii | bii | iii | iv | #iv bv | v | bvi |
I(イオニアン・スケール)との対応関係 |
VIm系統では、短6度がアヴォイドノートになります。
この短6度は、トニック・コードの完全4度に相当し、
こちらでもアヴォイドノートの共通性が見られます。
IIIm7(-5):ロクリアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
iii | iv | #iv bv | v | bvi | vi | bvii | vii | i | bii | ii | bii |
I(イオニアン・スケール)との対応関係 |
ノンダイアトニック・コードのIIIm7(-5)では、完全5度が減5度に変化し、
短6度がテンションノートになります。
短2度はアヴォイドノートになりますが、こちらはトニック・コードの完全4度に相当し
アヴォイドノートの共通性が見られます。
VIm6:ドリアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | aug4th dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
vi | bvii | vii | i | bii | ii | bii | iii | iv | #iv bv | v | bvi |
I(イオニアン・スケール)との対応関係 |
ノンダイアトニック・コードのVIm6では、
基準のスケールにない音の長6度がコードトーンとして含まれ、
短7度がアヴォイドノートになります。
このコード上では、トニック・コードとの間にアヴォイドノートの共通性は見られません。
一方、次項の#IVm7(-5)との間には、イオニアン・スケールの完全5度が
共通してアヴォイドノートになる関係性が見られます。
なお、VIm6は#IVm7(-5)と構成音が重なる異名同和音です。
#IVm7(-5):ロクリアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
#iv bv | v | bvi | vi | bvii | vii | i | bii | ii | bii | iii | iv |
I(イオニアン・スケール)との対応関係 |
ノンダイアトニック・コードの#IVm7(-5)では、
基準のスケールにない音のトニックに対する増4度がルート音になり、
短2度がアヴォイドノートになります。
このコード上でも、トニック・コードとの間にアヴォイドノートの共通性は見られません。
一方、前項IVm6との間には、イオニアン・スケールの完全5度が
共通してアヴォイドノートになる関係性が見られます。
なお改めて書きますが、#IVm7(-5)はVIm6と構成音が重なる異名同和音です。
ドミナントセブンス・コード
ドミナントセブンス・コードは、V7系統のコードです。
ダイアトニック・コードとしては、VIIm7(-5)が代理コードとして挙げられますが、
V7(9)のルート音省略形と表記・解釈されることが多く、
代理コードとしてはあまり活用されていません。
メジャー・キーでのV7系統のコード・スケールは、
基本的にはミクソリディアン・スケールになります。
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | aug4th dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
このコード・スケール上では、完全4度がアヴォイドノートになります。
次いで、VIIm(-5)系統のコード・スケールを対比します。
VIIm(-5)系統:ロクリアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
iii | iv | #iv bv | v | bvi | vi | bvii | vii | i | bii | ii | biii |
V7(ミクソリディアン・スケール)との対応関係 |
VIIm(-5)系統では、短2度がアヴォイドノートになります。
この短2度は、V7系統では完全4度に相当し、アヴォイドノートの共通性が見られます。
また、この音はキーのトニックになります。
サブドミナント・コード
サブドミナント・コードは、IV系統のコードです。
メジャー・キーでのサブドミナント・コードの代理コードは
IIm[IIm7]、VIm[VIm7]、#IVm7(-5)、bVII[bVIIM7]
などが挙げられます。
サブドミナント・コードはリディアン・スケールと関連付けられ
アヴォイドノートがないことが特徴です。
そのため、他の機能のコードと異なり、IV系統のコードと代理コードとの間に
アヴォイドノートの共通性が成り立ちません。
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | aug4th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
以下、各コードのコード・スケールを整理していきます。
IIm系統:ドリアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | aug4th dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
vi | bvii | vii | i | bii | ii | biii | iii | iv | #iv | v | bvi |
IV(リディアン・スケール)との対応関係 |
IIm系統では、ドリアン・スケールがコード・スケールの基盤になり、
長6度がアヴォイドノートになります。
V7に先行してトゥーファイブを構成するコードとして多用されています。
VIm系統:エオリアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | aug4th dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
iii | iv | #iv | v | bvi | vi | bvii | vii | i | bii | ii | biii |
IV(リディアン・スケール)との対応関係 |
VIm系統では、エオリアン・スケールがコード・スケールになり、
短6度がアヴォイドノートになります。
トニック・コードの代理コードでもあります。
なお、サブドミナント・コードの代理コードとしてVIm系統が活用される例は限られます。
#IVm7(-5):ロクリアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | dim5th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
#i | ii | #ii | iii | iv | #iv | v | #v | vi | #vi | vii | i |
IV(リディアン・スケール)との対応関係 |
ノンダイアトニック・コードの#VIm7(-5)は、
トニック・コードの代理コードにもなりますが、
サブドミナント・コードの代理コードとしての機能も持ちます。
ロクリアン・スケールをコード・スケールに持ち、短2度がアヴォイドノートになります。
bVII系統:リディアン・スケール
P1st | m2nd | M2nd | m3rd | M3rd | P4th | aug4th | P5th | m6th | M6th | m7th | M7th |
iv | #iv | v | bvi | vi | bvii | vii | i | bii | ii | biii | iii |
IV(リディアン・スケール)との対応関係 |
ノンダイアトニック・コードのbVII系統も、
サブドミナント・コードの代理コードになります。
リディアン・スケールをコード・スケールに持ち、アヴォイドノートはありません。
サブドミナントマイナー・コード
サブドミナントマイナー・コードについては、前々回に触れた通りです。
以上、メジャー・キーにおける、
コードの機能の代理関係に基づくコード・スケールの構成について
簡単に整理してみました。
次回はマイナー・キーについて検討していきます。
参考になれば幸いです。