平成28年5月20日
幹事長 玉城デニー


 沖縄県うるま市で、行方不明となっていた20歳女性が自宅近くをウォーキング中に、米軍属の男性による凶悪な蛮行によって尊い命を奪われるという悲痛な事件が起こってしまった。ご遺族と関係者の深い悲しみを拝察するとともに、何の因果関係もない他人を突然襲う米軍人・軍属らの衝撃的な犯罪に対して強い憤りを禁じえない。満身の怒りで抗議する。

 戦後71年が経過してもなお在日米軍施設の73.8%が置かれたままという沖縄の状況は、すなわち米軍に勤務する兵士や軍属の数も多いということの事実でもある。沖縄の施政権が日本へ返還された1972年以降も、米軍関係者による犯罪・検挙件数は5,896件、そのうち殺人・強盗・強姦・放火などの凶悪犯罪は2015年末までに574件発生し741人が摘発されている。過重な米軍基地負担を押しつけ続けている日米両政府のその責任は極めて重く、今回の痛ましい事件も、基地と隣り合わせの危険性が伴う生活を日常的に強いられているがゆえの結果であることも明らかだ。米軍基地あるがゆえの危険性を根本的に取り除かない限り、普通に平穏な生活を望む県民が、再び蛮行の歯牙にかけられる恐れを拭い去ることは不可能である。

 沖縄県民の我慢はもう限界に達している。日米両政府は「綱紀粛正と再発防止に努める」という常とう句で逃げようとせず、沖縄県における過重な米軍基地の速やかな閉鎖・撤去を実行するとともに、米軍・軍属等の犯罪の逃げ道ともいわれている不平等な日米地位協定の抜本的改正を強く求める。


米軍属による凶悪犯罪についての談話(PDF)