《目次》

1.まえがき
2.アケミとアキラかく語りき
3.アケミとアキラかく語りきから重ねて見えたもの





アケミとアキラでケミキラー。アケミさんとアキラさん2人の女性による歌やダンス、そして雑談とユーザーを飽きさせない贅沢な放送内容が人気のコミュニティー。
ニコ生ユーザーなら知ってる人も多いだろう。筆者の説明が邪魔なくらいだ。

知らないという人でも、アキラさんがスッピンから化粧を終えるまでの課程を配信し、スッピンと化粧後のギャップで話題になったこの画像を見れば、「あーこの人か」と思いだす人もいるだろう。


画像引用元
2010.07.13 ガジェット通信より
http://getnews.jp/archives/67725

少し前まではアキラさん1人の配信が多かったが、最近はアケミさんとアキラさんが揃いケミーキラーとしての配信が増えてきた。

筆者は前々からケミキラさんのコミュニティーに参加しているのだが、配信自体はチラ見程度しか視聴しないようにしている。その理由は、アキラさんの雰囲気が離婚した元奥さんと似すぎていて、見てると切なくなるからだ。

9月13日に「【女子膣生ケミーキラー】ばねしきょつて【おひさしぶり】」というタイトルで配信を行った。その配信も切なくなる寸前までチラ見して視聴を終えるつもりなのだったが、放送ページを開いたらそこは、筆者が好きな歪んだ音のする歪んだ世界だったので、切なくなることを強引に忘れて全て見ることにした。





どうやって映像を加工しているのかPCに疎いので申し訳ないがわからない。
ミラーになっていてアケミさんとアキラさんがそれぞれ多重に見える。
配信の前半は主にテクノを、後半はサイケデリックトランスを流して踊っていた。



音楽も踊りも映像も演出も素晴らしいセンスだ。



ぐわんぐわんである。



配信の終盤



酒に酔ったか踊り疲れたのか寝てしまったアキラさん。





心に響き震え美しく悲しくもあり、そして心深く動く幻想的な
シガー・ロスの『Ara batur』を流しアケミさんが1人でまったりと踊り配信は終了した。


アケミとアキラかく語りき

前半と後半の間に、アケミとアキラ2人の雑談が始まった。

雑談の内容は猥談から始まり、そして本題へ。
昔はアケミさん嫌がっていてもオラオラと迫り、「別にええやんけ」と動画配信していたことを今でも後悔しているとアキラさんが吐露。
続けてアキラさんは「だからもうアケミに無理強いするようなことはしない」と語ると、そこであるコメントが流れた。



「二人の出会いはどんなの?」



「仲が良くなればなるほど、アケミさんにきつく接したり、冷たい態度をとってしまう」と涙をこぼすアキラさんに、
アケミさんは「大丈夫だから、気にしないで」と昔の動画配信はあれで良かった、そのことで傷ついたりしていないと説明する。
そして2人の話は加速した。

アケミさんは、「楽しそうにしているツイートを見てしまうと、私は何やっているのだろうと自分を卑下してしまう自分がいるからアキラさんのツイートを見たくない」と話した。
するとアキラさんも、「自分のやりたいことを突き詰めるだけじゃなく、その中で面白さも見出して楽しんでるツイートを見ると、私はあやふやなまま何をやっているのだろうと感じてしまうからアケミさんのツイートを私も見たくない」と話した。

仲が良いからこそお互いのことを羨ましく感じ嫉妬もしてしまうのだろう。良き友は良きライバルでもあり、お互い切磋琢磨しあえる存在でもあるのだろう。まあ良くある話なのだが、女性独特というか、アケミさんとアキラさんこの2人はいつもこうらしい。

毎回、会うたびに「私はこう思っている」「私もそう思っていた」「やっぱりお互いがお互いのことそう思っていたのか」と安心しあうのだという。
また次に会う時までに、会えない間にお互いがお互いのことを思ってパンパンに詰まっていたことを会った時にぶつけてお互い安心しスッキリするといった具合に。

そこから話は深いところへ。

アキラさんは語った。
「今は人のことを考えるようになれたけど、その変わりに失ったものもすごいある。昔の即興ダンスとかも自分勝手に夢中でやっていたから今よりも良かったし、ニコ生でも昔の尖って夢中でやっていた頃は、良いことも悪いことも何もかも言いたいことを全部言ってきたけど、今は、こう言ったらこう返ってくるっていうのがわかっているから、言いたいことをちゃんと声に出せていないことが怖くて守りに入ってるのも嫌で。昔みたいに尖ったまま、人のことも考えてどっちも出来たらいいんだけど。ニコニコの公式イベントとか楽しいけど、これが私の本当にやりたいことなのかなって、私は中途半端であやふやなまま何やっているんだろって不安になる」

アケミさんは語った。
「絶望を見てからメンタルが強くなった。おととい知ってる人が亡くなったことを知った。その人は酔っ払って転落して亡くなりました。その知らせを聞いて私は後悔をして死にたくない、周りの人も後悔させて死にたくないと思った。昔は楽しいだけが全てだと思っていたし、都合の良い部分しか見てなかった。だけど今は楽しいだけじゃダメって昔わからなかったことがわかった。亡くなったことを知り最悪な絶望だったけど、苦しくても、苦しいことは、1番下じゃなくて上り坂に向かっていることを気づかせてくれる黎明は近いことを。絶望を知らないと楽しい幸せっていう形を象れないということを、その亡くなった人が教えてくれた。」


是非タイムシフトを見てほしい。友達とは何か、今の自分はどうなんだと考えさせられる本当に素晴らしい配信だった。


アケミとアキラかく語りきから重ねて見えたもの

ふと気づいたら自分と重ねてニコ生の配信を視聴していたということがあると思う。
それを強く感じられたのが、上記したアケミさんとアキラさんケミーキラーの配信で、今いる自分の友達との関係が、アケミさんとアキラさんの2人に重なり考えさせられた。
ニコ生を見ててこれほど強く考えさせられるようなことがあったのは初めてだ。

周りより早く結婚したせいで、友達からの誘いを断ることが増えていたのに、今は逆になって、周りより早く離婚したせいで、友達を誘うことが増えた。
離婚して間もなく東京に住んだが今は実家に戻ってきた。今つるんでいるのは、東京行きに猛反対し絶縁を宣告してきた5人の内の4人の奴らだ。大人になると面倒臭いことを無意識で避けるようになり皆それぞれが昔ほど腹を割って喋ることをしなくなった。そこで、ケミーキラーの配信を見て感化され、その4人に同じ内容のメールを一斉送信した。

「なんか最近のお前、勢いねぇな、オヤジ臭いしさ、小さくまとまって満足してんなら死ねよ」


気づけば、怒った4人の男が私の家に集まり、これこれこうで考えさせられたからメールしたと説明をし、外が明るくなるまでの間酒を飲んだ。
朝から仕事だった友達といっても先輩には説明してわかってもらうまで1時間近くかかった。
説明ついでに皆に腹割って喋ろうと、けしかけたら「女みたいだな」「気持ち悪い」とか散々馬鹿にした後、話してくれた。家族や仕事で背負っているものが多くその重みのせいで皆が息苦しく腹を割って話す様子と、昔話に花が咲くようになってきた事実に寂しさも感じたが、なんか笑えた。

けしかけた、お前はどうなんだという話になる。
アキラさんが語った自分への不安。アケミさんが語った気づかされたこと。それらが自分に重なり感じたこと。

「昔の自分に負けんなよ」
「苦しいことに負けんなよ」

今のところ、生主ブロマガで生主じゃない記者は私だけだ。
生主の書いた記事はその生主を知っている人が読めば、記事がその生主の声で再生されるから面白さがより増すなど、どこの誰だかわからい無名の売れない作家が書く記事は、そもそもハンデがあるなと感じることもあるが、有利というか得なのは記事の内容で判断されることだ。気づけば生主ブロマガに寄稿した記事は10本を超え記事を寄稿してから1ヶ月が経とうとしている。
しかし生主ブロマガも私も、この先どうなるかわからない。

今のうちに書きたいことを、今、書こうと思う。

私がニコ生を見ている理由は、離婚してから一度も会っていない中学1年生の娘が、もしかしたら生主としてニコ生で配信しているかもしれない、これから配信するかもしれない私の娘を見つけ、PCの画面越しでもいいから、中学1年生に成長した娘の姿と声を見聞きしたいから私はニコ生を見ている。
ひょっとしたら娘は配信なんかしない可能性もある。配信したとしても来年になるか再来年になるかもわからない。もしPCの画面越しに見られる可能性があるなら、私はこの先もずっとニコ生やツイキャスといったライブ配信サイトをチェックし娘を探し続ける。

そして、生主ブロマガに記事を寄稿している理由は、もし娘が生主だったら無理矢理でも記事にして、生主ブロマガの中の人にお金を払っても土下座でもなんでもして、なんとか頼みこんだら娘に会えるかもしれないからだ。

どうせ記事をかくなら、私の記事を見た人が自分はまだマシだなと思って今の自分の状況に安心出来たり、こいつ馬鹿だなとか笑ってくれたら少しは誰かのためになれるのかなと、ついでに思ったからだ。私の記事に、記事の内容に無理矢理くっつけた私のエピソードというか余計な主観を混ぜたものがあるのはそのためだ。

ただ、どうも世間では私が良かれと面白いと思い書いている記事は記事とは呼べないものらしく、どうやら私は記者に向いてないことがわかった。小説家に向いているのかも怪しいところだ。

他の生主ブロマガの生主記者さんたちの記事を読み自分が書いた記事と比べてきて答えは出ているのに、どんなことをしても生主ブロマガに縋り付き寄稿しないといけないと思い、気付いていないフリをしてきたが、ケミーキラーさんの配信を見て気づかされたこともあって、気付いていないフリをするのは辞めようと思う。

私は生主ブロマガの邪魔しかしていない。
生主ブロマガの記者を辞めようと思う。

そもそも、娘のためにとか美談を狙ったような理由で生主ブロマガの記者になろうとした動機が不純だ。生主ブロマガを盛り上げようとネタを探し必死に書いている他の記者の皆さんに申し訳ない。

実際問題、この記事は今から私の手を離れ校正に移動し却下されるかもしれない。
このままの内容で掲載されたのなら私の熱意が伝わったという証拠だ。

記事のタイトルのセンスのなさに定評がある私の最後の記事、「ケミキラかく語りき」でどれだけの人が読む気になり私の最後を見届けてくれるかわからない。
タイトルに記者辞退のお知らせとか辞退を匂わす文言を入れたいのは山々だが、最後くらい最高にダサいことはしないで、しれっと去りたいので我慢する。

娘をニコ生で探すことはやめないが、生主ブロマガを恣意的に利用しようとした考えが甘かった。

今まで私の記事を読んでくださった皆さん有難うございました。
毎回、私の記事にコメントしてくれたあなた、有難うございました。
コメントしてくれた皆さん有難うございました。
コメントで文章自体の改善点を教えられたりと、どれも今後の参考になるものばかりでした。

生主ブロマガを今後ともご贔屓にお願いいたします。

9月15日AM5時
月白タクミ
力也記者名:月白タクミ
プロフィール:現役の小説家であり、重度のニコ厨リスナー。著書に「枕絵に蝶女舞う嘘」がある。
リスナー目線によるリスナーにしか書けない記事を担当する。
Twitter:https://twitter.com/69ageha