• TENETとかいう最高の映画の話

    2020-09-18 16:594
    ゲームレビューと違い、映画の評論は歴史ありの文脈ありなので、僕みたいな雑魚が書いたところで感想文にしかならないので、はなから断っておく、感想文である。あまりにも最高だと思ったのでネタバレせずに信者を一人でも増やせたらと思う所存。

    ・予告編等でもあるが、テーマは時間に大きく依存している。
     インセプション、インターステラーでも語られた時間軸というキーワードを今作でも取り込んでおり、今視聴している自分の時間に対する価値観を揺らがせに来る設定になっている。個人的に小難しい話に取り込まれているうちに今の価値観がグチャグチャのフワフワになってあとからガーーーーーーーーーッと推測整理したくなるような映画が大好きなのでこの点TENETは満点だと思う。

    ・政治とポルノから切り離された純粋なエンタメを目指している。
     最近は仮想空間でも政治の話やポルノの話が支配的で、それをトリガーとして見るものの意識を取り込もうとする作品も多い。それが悪いとか良いとかではなく、現代の流れとしてそういう作品は話題になりやすいし、逆に話題作ほどそういう傾向もあるように思う。TENETはそういった政治的な配慮や、ポルノによる煽情はない。だから純粋に物語が楽しめると思う。まあちょっとエッチなシーンはあるけど、わざと「ちょっとエッチ」に留めてあると思われるところがまたいい。ちなみに拙者はちょっとインテリぽい顔立ちの整ったヒロインのちょっとエッチ感大好き侍にてこういう性癖の持ち主は今作も見るべき間違いない。

    ・ノーランてラブシーン撮らないという認識でOKだよね?
     OKなんですよね?

    ・でもインセプションでもインターステラーでも恋愛要素あったから今作も・・・
     今作の描き方、前者二つとまた違うのがいいですね・・・・・・・・・・・・・・・・いいですよね・・・・・・・・・・・・・・・ええいいですよね・・・・・・

    ・伏線を引いては回収の繰り返し、それを物語の構造にうまく落とし込んでいる。
     伏線A→回収A の繰り返しでは当然飽きるが、簡単に言うと伏線A→伏線B→回収A→伏線C→回収C→回収B みたいな構造をうまく設定に落とし込んだうえで金賭けた映像で別に伏線わからなくてもなんかすげえみたいな魅せ方してます。別に伏線なんかわかる必要ないんだよハラハラドキドキウワーすればいいだろ!?みたいな。でもわかるやつはちょっとニヤッとできるみたいなのもあるとなお良いだろ?みたいな。時間軸をテーマにしてるので伏線は張りやすいんだろうけど、ここまでちゃんとしてるとほんとニヤニヤしかないですね。

    ・とにかく映画館に行って見ましょう。「最高」です。
     記録は裏切らないので、こういう風に記録しておきます。
     








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  • ラストオブアス2をクソほどネタバレするレビュー

    2020-07-06 18:581
    ネタバレせずにレビューできないゲーム、それがラストオブアス2である。

     ジョエルが開始1時間くらいで死ぬため、それに触れずレビューするとハンバーガーから肉を抜いたみたいになってしまうためだ。そしてこのジョエルの死が作品に対する低評価に繋がっていることも多いようだ。「殺す必要はあったのか」「2なのにジョエル操作できないのか」「PV詐欺」等々、Googleユーザー評価ではなんと51%しか評価されていない。二人に一人がBADを付けている状態である。

     自分はこのゲームを生配信を通してプレイしたため、定期的に「クソシナリオ」「続編とか出さなきゃよかった」等の罵声コメがついて面倒だった。自分のような無名の配信者でもこんな有様なので、有名どころではもっと酷いに違いない。

     ところがこのゲーム、批評家メタスコア的には非常に評価が高い。95点前後のところが多いようだ。しかし、前記サイトにおいてもユーザー評価は見事に半々、ややBADが多い印象である。

     さて、この点を踏まえたうえで本題に入るが、ラストオブアス2における大きなテーマは「復讐」であり、する側のエリーと、される側のアビーの両方がプレイアブルになっている。エリー側からアビー側への操作に移るため、ここもユーザー側からすると混乱しやすく低評価が付きやすいようだ。ジョエルが死に、復讐に燃えるエリーはプレイヤー側からすると感情移入しやすく、せっかくエリーに気持ちよく同情しているところでアビーに切り替わる。

     なぜこのような構成になったのだろうか。考えられるのは一つしかない、プレイヤーに復讐の意味を問うためだ。お前が怒りに任せて殺そうとしていたのはこういう人物だったのだ。どうだ心が痛むだろう、本当にお前に殺せるのか?と。

     「ジョエルに助けられたにもかかわらず」ジョエルを殺したアビーは、実はジョエルに医者である父親を殺されていた。そう、前作ラストシーンでエリーを助けるためにジョエルが撃ち殺した医者が父親だったのだ。しかも復讐を成した後も、罪悪感に駆られ、父親の死のトラウマを克服できないでいた。そんなアビーは作中で敵対する組織に属するレブとヤーラという子供を助けることになる。その人助けと、まるで親子のようなコミュニケーションがトラウマの克服に繋がり、本当の仲間を作ることになる、というようなストーリーである。どこかでこのようなシナリオを見たことがないだろうか?

     そう、アビーの描かれ方は前作のジョエルに非常によく似ているのである。最初エリーのことを単なる商品としか見ていなかったジョエルは、道中の艱難辛苦を超えるうちにエリーと本当の親子のような絆を結んでいく。それが最終的には病院での殺戮につながるわけだが、その結果が復讐に燃える、復讐を果たしたアビーを生むことになるのである。こんな皮肉をプレイヤーに投げかけるのがアビー編なのだ。プレイヤーが助けたり、殺したりすることによって、望まぬ死を齎すこともあるのだ、と。

     よくできている。そう、本当によくできた続編ならではのシナリオと構成である。当初自分も、Detroit:Become humanのように同時進行でいいのではないかと思っていたが、アビー編が前作の踏襲になっていると気づいてからは何の問題もないと気づいた。そもそも結末が分岐的なDetroitと違い、一本道のシナリオなのだから余計にそうである。プレイヤーに対する理解を促すためにも、同時進行ではないほうが良かったのである。

     ラストオブアス2は考えさせられるゲームである。上記のシナリオに対する理解もそうだが、プレイヤーが単純に気持ちよくなるゲームではない。ゲームは気持ちよくあるべきだ、という人はスーパーマリオでもプレイしていればよろしい。爽快感のあるステージと、殺しても罪悪感を生じない敵しか出てこない。

     むろんラストオブアス2がマリオ的な要素を含んでいないわけではない。美麗なグラフィックはムービーシーン以外にも作中全般に実装されており、プレイシーンに応じてその顔を逐一変化させる。不気味な病院であったと思ったら、エスニックな南国情緒あふれる農村に切り替わったりする。そのすべてがシームレスであり不快感のあるローディングもなく、緊張感があり難易度の高い戦闘が没入感を高めてくれる。単純に気持ちよくなれる要素もきちんとあるのだ。ライフイズストレンジ2やバイオ1のオマージュだったりするものも作中にあり、単純に笑える小ネタもあるため、陰鬱なテーマである復讐にプレイヤーを置きとどめない工夫がなされていると言っていいだろう。前作よりもボリュームもあり完成度の高いゲームであると言える。

     エンディングについては言及を避けるが、前述までのとおり気持ちのいいエンディングとは言えないだろう。だが、なぜそのエンディングになったのかについては矛盾なくプレイ中に描かれるため、自分にとっては満足のいくエンディングであったと記しておく。では最後に、このゲームをプレイすべきではないと思われる人を記載して終わろうと思う。

     ・ジョエルというキャラクターが好きで好きでたまらない人
     (ジョエルとエリーという関係性が好きでそれが破壊されるのが嫌な人)
     ・レズ要素やマッチョな女が許せない人
     ・考えさせられる暗いテーマが嫌いな人

     もう一度繰り返すが、私はラストオブアス2には90点付けるが、それが気に食わない人がたくさんいるのも知っている。だがすべてのゲームがすべての人に、この瞬間に受け入れられる必要はないと思っている。今はクソゲーだと思っていた人が、10年後そうでなかったなと振り返ることもあるだろう。本作品はそういうゲームだと私は確信している。


  • ウィッチャー3という神ゲー

    2020-06-24 20:144
    あんまり神ゲーって言わないほうがいいかもしれない。だが、神ゲーだ。

     もう5年前のゲームであるし、GOTYも取ってるので今更語ることもない気がするが、なんせ神ゲーである。むろん賛否はあると思う。アクションにこだわるならSEKIROには勝てないと思うし、操作性にこだわるならスパイダーマンには勝てないと思うし、ストーリーに関して言えばゴマンとある小説の中にもっといいのはあるだろう。まあケチをつけようと思えばいくらでもつけられる。
     
     自分がゲームをやるときに評価する点として特にこだわるのが「選択可能だが予測不可能な展開」である。予定調和なゲームはつまらない、勧善懲悪のストーリーには飽き飽きだ。この点においてウィッチャー3は非常に優れている。優れすぎていてBADENDに直行してしまったのは私だけではないはずだ。ゲームと小説、何が最も異なるかと言われればこの選択性にあり、ありとあらゆる点が自分の選択によって流動的に変化するウィッチャー3は、最高のゲームであると断言できる。 
     
     動画や生配信が溢れるこの世界で、ウィッチャー3の動画を見ることは自身のゲーム体験を損なうだろうか?確かに大きな結末についてはネタバレもあるだろうし、誰とセックスできるかもネタバレになるだろう。だがこのゲームにおいては、たとえ結論が同じだったとしても、その道のりには無数の分岐があり、意図的にトレースしない限り100人が100人とも別のゲーム体験をすることができるだろうと思う。クエストをプレイする順番、助けた・殺したNPC、話しかける順番、そして選択肢。結論が変わってしまうものから、NPCの細かい表情や台詞回しが異なるものまで、あなたが見た動画とは違う展開が顔を見せるに違いない。

     このゲーム体験を支えるのが見事なローカライズ・翻訳に対するである。ウィッチャー3はポーランドの小説:ウィッチャーが原作で、ゲーム会社もポーランドのガチガチの洋ゲーである。テーマはダークファンタジー。ファンタジーといえば固有名詞や宗教用語のオンパレードになりがちであるし、ダークなだけに中二病御用達の闇のワード満載であるにもかかわらず、見事なセリフ回しでプレイヤーを魅了してくれる。メインストーリーだけでなく、サイドストーリーや町中のNPCの取るに足らないセリフに至るまで見事な翻訳が施されているため、セリフを聞いて回るだけでも楽しくなること請け合いである。こんな翻訳ができるのは、ゲームに対する愛がないと不可能であると自分は思う。翻訳者と声優の皆さんには頭が上がらない。というよりも日本国内のゲームでもここまでNPCにしゃべらせるゲームは少ないはず。 ※ただし「最高級の剣だ」を除く。

     色々書きたいところはあるが、じゃあいったいどんな人がウィッチャー3にハマるのか、プレイすべきなのか、逆にあまりハマらなさそうな人はどんな人だと思うかをまとめて終わりたいと思う。

    ウィッチャー3にハマりそうな人
     ・オープンワールドのゲームが好きな人
     ・ダークファンタジーが好きな人
     ・細かいクラフティングとかが好きな人
     ・コスパがいいゲームが好きな人(セールだと2000円以下で100時間以上遊べる)

    ウィッチャー3にハマらなさそうな人
     ・ガチガチのアクションゲーが好きな人
     ・単純明快で勧善懲悪が好きな人
     ・アイテムは完成して手に入るのが好きな人
     ・とにかく最新作が好きな人
     
     本当にビビるほどにお手頃価格で手に入るので、向いてないと思う人でもやってみるのが個人的にはオススメである。ぜひあなたも最高のウィッチャーライフを送ってほしい。