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星雲より遠くから【第1話】「コンタクト」
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星雲より遠くから【第1話】「コンタクト」

2016-11-06 13:05
    「光としてなら誰かに届く」

    「俺たちはすでに体というものを捨て去った。それでも命だ」

    「君たちの進化を見たいわけじゃないんだよね。」


    ー1-

    そいつと出会ったのは、酒の飲みすぎでぶっつぶれた日の朝だった。
    昨晩、大学のサークルの飲み会でやりすぎた。いまだにいっきコールが根深く存在する
    うちのサークルはあほだと思うが、中心で叫んでいるのが自分なのだから仕方がない。

    「よう、こんにちわ」

    とふとどこからか声がした。誰か家に入れた覚えはないし、僕はきちんと酔っぱらいながらも自分の家に帰ってきたはずだ。開けたくない目を開けると、自分の部屋の天井だった。
    よかった、誰かの家ということはないようだ。

    「おはようございます」

    声は枕元の自分のケータイから聞こえてきた。なんだアラームか。
    あんだけ酔っぱらいながらもアラーム設定するなんておれはしっかり者だな。
    でも、今日はなんか予定があっただろうか。あるとして大学の講義くらいだが、
    アラームをかけなきゃいけないほど大切なことでもない。
     そもそも昨日飲んだ段階で今日は行く気なんかないのだ。

    「とりあえず俺を手に取ってくれい。」

    とケータイがとんでもない自己主張を始めた。
    さすがに何事かと違和感を感じた俺はケータイに手を伸ばした。
    こんなアラーム機能があるはずがない。

    画面を見ると、何のボタンも押していないのに画面が一面青色だった。
    えっ、何このホラー・・・まだ寝てるのか僕は。

    「俺の声が聞こえてるかい?」

    明らかにケータイから声がしている。
    (なんだ、どういうことだ、最近のsiriは勝手に話しかける機能がついたのか?
     いや、そもそもアンチアップルの俺はアンドロイド機種じゃねーか。なんだ、アンドロイド
     の新機能なのか?昨日の飲み会でメカおたくの後輩が何か仕込んだか?)

    「聞こえてる」

    自分でもなにをしてるんだろうと思いながら、返事をしてみた。初めてシーマンをやった時のような感じだ。あるいはオペレーターズサイド、あれは何歳の時だったか。

    「おぉ、感動だぜ。久しぶりに意思疎通できる相手に会えた。俺は今すげー感動してる。」

    と、声を荒げて返してきた。ボーカロイドとか、読み上げソフトのような声じゃなくて、
    普通のひとの若い男の声だった。
    (なんだ、疑似トークが楽しめる機能でも着いたのかこのケータイには?絶対なんかの罠だな、これ。返事したら録音されてて、あとで後輩に「何ケータイに真面目に話しかけてるんですかwwwww」ってすげー草はやされるパターンだな。しかしあの後輩やたら機械に強いと思ったらこんなことまでできるレベルなのかよ。)
     と警戒しながらも楽しそうなので会話に乗っかることにした。べつに馬鹿にされても困らない。

    「感動なのはよかったが、これはそのどういうことなんだろうか。」

    「おぉ寝起きのところすまん。君のケータイを借りて俺が話しかけてるんだよ。」

    すごい・・・きっちり会話が成立している。かなり、会話パターンが登録されてると見た。
    せっかくだから、質問の意味が分かりませんって言われるまで頑張ってやるか。勝負だ後輩!

    「あなたは誰なんですか。」

    「君たちの言葉でいうところの宇宙人だよ。」

    ・・・ほほう、宇宙人と来たか。やるな後輩。センスがぶっとんでるぜ

    「その宇宙人様がなぜ日本語を?」

    「あれあんま驚かないんだな。きみが使う言語がこれっぽいから合わせただけだよ。文明レベルが俺と君たちじゃ全然違うから、このレベルの電子機器は完璧に操れる。中の情報も瞬時に理解可能さ。」

    会話がちゃんと成り立ってる!
    ずいぶんと設定が練りこんであるな・・・しかもずいぶん長文で返してきた。
    後輩暇人すぎるだろ。

    「で、その宇宙人様はなんで俺のケータイから話しかけてるんだ?目的とかあるのか。」

    「君のケータイだったのはたまたまだよ。目的は、まぁ生き残るためさ。」

    「たまたま?プログラムがたまたま仕込まれることがあるか?」

    「おっと、疑ってるね。そうかそうか今の時代は人口知能の開発なんていうのを頑張ってやってる時代なんだね。それで俺のことを学習機能をもった高度なAIとか思ってるわけだ。
    そうかそれは、なかなか信用してもらうのが難しいな。」

     本当に今のAIっていうのはすごいんだな、2040何年だかには完成するとは聞いていたがここまで会話できるレベルか…。あんまそっちの情報詳しくないんだよなぁ・・
     酒とコーヒーの味くらいしか詳しくないんだよね・・・

    「信用というか、面白いと思ってるよ」

    「別に信用してもらわなくてもいいんだが、それはせっかくの出会いなのに面白くない。
    この部屋にあるあのゲーム機はどうやら無線でつながってるようだな。もしあっちからも話かけたら、君も驚くかな?」

    「ほう、そんなことができるのか。」

    「主電源さえ入ってれば。さすがに電力供給されてないものは無理だし、情報伝達されようがないものは厳しいけどね。だから、そこのパソコンからもいける」

    なんか、とんでもないこと言いだしたな。

    「やってみなよ。」

    とその瞬間、PS4とパソコンが同時に起動し、最初のログイン確認すら行われず、
    ケータイと同じように画面が真っ青になった。そして

    「これで信じてもらえたかな」

    と問いかけてきた・・・

    これはいくら何でも、ホラーすぎる・・・・夢だろう・・・

    「おっ、やっと驚いたかな。身体を起こしてくれたね」

    そう、僕はねたままだった姿勢から上半身を起こした。それはたしかだ、しかしなぜそんなことまでこいつにわかる。

    「ケータイにも、ゲーム機にもカメラがついているからね。ちゃんと視覚情報も伝わってるさ。」

    さすがに会話AIのレベルを超えている・・後輩ごときができるレベルじゃない。

    「何がしたいんだ・・ハッキングってやつなのか」

    「そんな怖がらないでくれって、ほんとうにただの宇宙人なんだよ。ただの宇宙人ていうのも変な話なんだが・・。」

    ぼくからさっきまでのゆとりが一気になくなったのがわかる。後輩のせいだと思えなくなった瞬間に恐怖しかなくなってしまった。人は何かわからないものに触れた時にこんなにも混乱するものなのか。そうだ、主電源を全部落とそう。このままじゃきっとやばい。
     とおもって立ち上がった。

    「あ、ちょっと待ってくれって、今君は電源を切ろうと立ち上がろうとしてるだろ。それは、本当に困るんだよ。せっかく見つけた居場所がなくなってしまうんだ。頼むから話を聞いてくれい。」
    と懇願してきた。本当に泣きそうな声だった。その声に少しだけ自分の恐怖が和らいだのがわかる。

    「頼むよ、話がしたいんだ。驚かせてすまなかった。害とか絶対ないから、まぁ君の家の電気代にほんの少しだけ影響があるかもしれないが大したことないだろう。話を聞いてから嘘か本当か判断してくれたっていいだろ。」

    ちょっとしたジョークのおかげで、少し冷静さを取り戻した。たしかにこんな面白い状況を電源を切って終わらせてしまうのはもったいない。誰のたくらみで何の罠があるのかわからないが。どうせ暇だし話を聞くくらいはしてもいいのかもしれない。

    そして少し間をおいてから答えた。

    「わかった、宇宙人とりあえず名前を教えてくれ。そしてゲームとパソコンの画面を切ってくくれ。」

    「名前か…、そうだなぁ君たちの使う音で一番近い音で表現するならソラだな。」

    そして、ゲーム画面とパソコン画面は消灯した。

    ソラはゆっくりと自分の話をし始めた。

    第2話「光速プロローグ」へ















































































































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