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星雲より遠くから【第4話】奪取ダッシュマネー
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星雲より遠くから【第4話】奪取ダッシュマネー

2016-11-07 01:08

    「さすがに勝手にケータイを占拠してそのままじゃ気分が悪いからな。自分の食い扶持くらいは自分で稼ぐよ。」

    と、宇宙人は殊勝なことを言い出した。

    「一つ疑問なんだがケータイを占拠してるってどういう状態なんだ。そのケータイがいまはソラ自身ってことなのか。」

     だとするならこのケータイが壊れた瞬間、こいつの存在も消える。割とぜい弱だぞこいつは・・

    「そういうわけでもない。おれはネットワーク上の生命体みたいなもんだからな。どこにだって移動できる。このケータイが壊れたら消えるということもない。だからこのケータイは俺の住居みたいなもんだ。どこにだって行けるが帰る場所は欲しいのさ。このケータイに決めた。だから、まぁ侵食して使えないっていうのは詭弁で、おれにこのケータイをくれってことさ。」
    勝手な奴だ、そのケータイには少ないとはいえ貴重なLINEのデータとか入ってるんだぞ。
    「お前がそのケータイに入ってると、俺は通常使用できないのか。」
    使えるんならべつに新しいものを買う必要はないのだ。
    「使えるよ別に。」
    「なら別にいいじゃないか。」
    「太陽が使うたびにこっちが遠慮するのめんどくさいわ!」
    「なんだって!」
    「うるせぇ、俺に任せちゃ最新型のスマフォ位はすぐに手に入れたるわ!」
    「よしわかったぁーー!」
    というわけで宇宙人と僕による金稼ぎが始まるのであった。

    「とはいうもののお前はどうやって金稼ぐつもりだよ。」
    「まぁやろうと思えば、銀行のデータいじって太陽の口座に突然2億くらい振り込まれるとかできなくはないな。おまえらの文明のセキュリティは児戯みたいなもんだどうにでもなる」

    「おぉ、なんて素敵なんだ。ぜひ頼む。もう一生遊んで生きてけるじゃないか。ありがとうソラ、大好きだぜ。宇宙人かどうか疑ってすまなかった。お前はおれの人生史上最大の親友だ。いや愛してるといっていい。結婚しようぜ。」

    「おまえそんな性格で今までよくやってきたな、大丈夫か。おまえそんな2億も振り込まれたら絶対不正を疑われるぞ?その痕跡を防ぐことまではできない。間違いなくお前がハッキングしたと思われるだろうな。」

    「逮捕されるってこと?」

    「まぁ逮捕されたらさすがに助ける力はないな。」
    なんてぬか喜びだ・・二億とか人を喜ばせやがって・・
    ぼくの純粋な気持ちをもてあそびやがって、くそっ。
    宇宙人の分際でいつか殺してやる、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すころすコロス・・

    「おい、おまえ目がやばいことになってるぞ。」

    はっ!(なにか、何かにとりつかれたようだ・・・)

    「もっと安全な方法はないのか。」
    ぼくは気を取り直してソラにそうきいた

    「そうだなぁYouTubeってサービス金もらえるらしいじゃないか。」
    「あぁ、一再生で0.5円いや、確か今は0.1円だったかそんなに儲かるわけじゃないぜ。
    再生数伸ばすなんてそんな簡単なことじゃないんだ・・・・。ぼくがどんだけ苦労したことか。。」
    バイトなんてしたくない。就職活動なんてしたくないそんな思いで僕はずっとユーチューバーにあこがれている。しかし、どんだけ自分の恥をさらしたってそうそう再生数なんかのびないんだよぉーーー!
    「なんだよ、苦労したことあるのかよ。あんなもん簡単に再生数伸びるだろうが。」
    「なんだと、お前はどうせデータをいじって再生数が多いことにするだけだろ。」
    「いやそういうデータ的な不正はする気はない。」
    「ん??」
    「もし、失敗してるなら単純に数が足りないだけだ。」
    「ん?」
    「いいか、別に人は面白いものを見るわけではない。人気のあるものを見たいだけだ。本当に面白くたって、すごくったって見てはくれない。嘘だっていい。まずは、かりそめの人気を作っちまえばいい。」
    「そんなこと簡単には・・。」
    「いや、おれにはできる。数が足りないっていうのはしょせん人には継続する力が足りないってことだ。まったく同じ内容の30秒ぐらいの映像をひたすら投稿し続ければいいだけだ。新着動画を埋め続くし続ければ必ず人の目に留まる。一度目に留まってしまえば人は気になって仕方なくなる。映像は単調な耳に残りやすい音楽とともに奇抜なものを流すだけでいい。それだけで、何が面白いかわからないまま人はそれを評価し続ける。太陽には難しいかもしれないが、俺には秒でできる仕事だ。マンーマンゴーモンゴルメンなんて言うフレーズを繰り返せばおそらくは世界的なブームになるはずだ。」

     ミルコ=クロコップの気持ちでこいつは何を言ってるんだと思ったが、
    まぁ宇宙人ましてや高度文明を誇ってるらしいのでまぁとりあえずやらせてみることにした。
    ピエ太郎という名前でマンマンゴーモンゴルメンって歌いながら朝青龍みたいな男が踊り続ける映像をソラは3分ぐらいで作り上げた。
     こんなわけわからん映像が人の目に留まるとは思わなかったが、ソラの恐ろしいのはやはり宇宙人らしいネットワークの使い方だった。
     奴はあらゆるソーシャルメディアを使い本当にしつこいくらい多くの人間にこの映像を届け続けた。批判なんて気にせずに本当に狂ったかのようにこの映像を発信し続けた。
     
     たった3日でピエ太郎のマンマンゴーモンゴルメンはユーチューブで100万再生を超えた。その他のソーシャルメディアを考えれば二倍以上ということになるだろう。
     あっというまに正体不明のピエ太郎はマスコミ及びソーシャルメディアの注目の的になり、おれの銀行口座には10万以上のユーチューブからの振り込みがあったのだった。
     通常こんなすぐに振り込まれないだろうが、まぁきっとソラが何かやったのだろう。

    そんなわけで、あっという間に僕は新しいケータイを手に入れることができた。しかし、ユーチューブを使ったのはよくなかった。むしろ、銀行で不正を働いた方がよかったくらいだった・・・。とくにピエ太郎という名前がよくなかった。これが結果、僕の人生をとんでもないドラスティックなものに変えていくとはまだこのときは夢にも思わなかったのだった。

    次回「インコンビニエントイデアル」につづく

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