2016年ドラフト評価 総評(前編)
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2016年ドラフト評価 総評(前編)

2016-10-22 22:46
    今年の指名傾向

    今年の指名を出身別に見るとこうなる。

    まず上位だが、今年は投手、それも大学生投手が非常に多かった。
    一般的には高校生投手の人気も高い年だったが、上位では大学生に人気が集中したようだ。
    今年は大学生でも即戦力より数年後の素材が大半と私は評価しているが、
    球の速い選手が多いので即戦力になると考えているチームは多いかもしれない。
    一方でわりを食った形になるのが野手。
    大学生野手で上位は吉川、京田ぐらいと思われており
    社会人野手の上位指名がないのは毎年の恒例行事だが、
    高校生野手がここにいないのは全部は調べていないがおそらく史上初だろう
    (この9年間はおろか逆指名開始の1993年以降では初めて)。
    上位の可能性がある候補自体非常に少なかったが、まさか本当にこうなるとは。

    そして全体でもやはり投手の比率が圧倒的に高い。
    本指名87人中野手は26人(投手表記の細川、根本も野手としてカウント)しかおらず、
    野手率29.9%は過去8年で最少の2008年37.3%を大幅に下回る比率となった。
    ではどこも全然野手を獲らなかったのか、というと少し違う。



    このように野手率が低くなったのは指名数そのものが最近激増しているのが最大の理由。
    特に育成で野手16人というのは過去最高の数字になっていて、
    それでも比率はここ最近の最低ではあるものの
    いわゆる野手軽視とは全く違う意味合いを持っていることがわかるだろう。
    そしてもちろんこの大量指名のしわ寄せが行くのは現役の野手ではなく投手。
    ドラフトの指名では基本的に選手の入れ替えをしているのである。
    投手指名が多いのはどこも投手重視なのが理由では決してない。
    ただこれもあくまで投手の数の話であって、
    数年後の内容もさることながら来年のイニング数を本当に入れ替えられるのか
    というのが前回の私の危惧であるわけだ。

    パリーグは逃げないから抽選にも当たる?

    今年は下位チームが単独狙いに行き、上位チームが田中正義に特攻するという
    2009年(菊池雄星)に近い1位入札になった(今年は単独狙いに高校生が多かったが)。
    そして田中正義、外れ5球団競合の佐々木千隼と
    またしてもパリーグがくじに当たり強運ぶりを見せたわけだが、
    こうした時に「パリーグは一番人気から逃げないから当たるのだ」と言う人がいる。
    しかし本当にそうだろうか。ちょっと見てみよう。
    2008年以降9回の1位入札で一番人気、二番人気、三番人気と単独指名に行った
    それぞれの回数とその1位入札の勝敗をここに載せる。
    計算法だが、2008年は3人が2球団ずつ競合のため3人とも一番人気、
    2011年の3球団競合2人に2球団競合1人では2球団競合の菅野を三番人気としてある。
    「2008年一番人気は(高校生の)太田だけ」とか「2010年の人気では斎藤だろ」
    「菅野や大谷は何もなければ一番人気だったはずだ」といった反論は受け付けない。

    一番人気にいった回数が最も多いのはパリーグが楽天と日本ハムの2チーム、
    セリーグは中日、阪神、横浜の3チームで、
    実はセリーグのチームのほうが一番人気に向かう回数が多いことがわかる。
    「パリーグはオリックスと西武が4年連続単独だからそのせいだ」
    と言う人もいるかもしれないが、
    その前の2012年以前では最多が楽天と阪神の4回、次いで中日、ヤクルト、横浜の3回で、
    回数の合計はあまり差がないが、特攻するチーム数はセリーグが多いのである。
    なおこの時期の一番人気最少は単独指名3回の巨人(大田)、広島(大石)に加えて
    ソフトバンク(大田)と日本ハム(菊池)の1回ずつになっている。
    あれ、数年先の優勝チームばかりだ。

    そして右のくじ勝率も見れば、やはりくじ運がセ・パで圧倒的に違うのがわかる。
    というか.455対.194とここまで違うのは尋常ではない。
    一応先ほどから挙げた一番人気に限定してセ・パを比較するとセ5勝パ7勝になるのだが、
    セリーグは2008年の2球団競合3人の3勝が大きく、2009年以降はパリーグが圧倒。
    特にセ・パ両リーグのチームが1位入札で対決した場合は2012年の藤浪を最後に
    現在6連勝(2012年の抽選順を考慮すると7連勝)中である。
    外れ1位だとセリーグもそこそこ当たってはいるのだが、
    それでも外れ1位すべてでセ・パ対決となった時の勝敗はセ9勝パ16勝となる。
    どう見てもパリーグチーム目玉選手獲得の唯一の理由は運の良さである。
    「パリーグは目玉から逃げない」というのは目玉選手の抽選に向かわせるために
    作り出された創作物に過ぎない。
    強いて「逃げない」「向かっていく」という言い方が本当に当てはまるとすれば、
    単独狙いを公言または予想されている選手を当日サプライズで入札する場合だけだろう。
    定義が難しい部分もあるが、ざっと思い返す限りでは菅野、森、石川、平沢、高山と
    すべてぶつけていったチームがくじに当たっている(セ対パはパ3勝0敗)。

    後編に続く。

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