仮想ドラフトは当てられるのか
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仮想ドラフトは当てられるのか

2017-10-11 22:48

    仮想ドラフトは指名を全て当てなければ意味がない?

    最近、仮想ドラフトの企画が増えてきた印象がある。
    したらばやなんJ、Twitterなどでもその比率が上がっているのもあるが、
    それとともに野球太郎のような専門雑誌も行うようになった
    芸人ドラフトにいたっては楽天主催でパリーグTVの中継があるものだ。
    既存の大手メディアでは
    TBSのS1やスポニチの会議倶楽部1位指名記事も当てはまるだろうか。
    会議倶楽部の模擬ドラフトも注目されなくなって10年以上たつが、
    こうした企画に再びスポットが当たるようになったのは間違いなさそうだ。

    一方でこうした企画を非常に嫌う人も少なくない。
    「何の意味があるんだ」という批判が一番多く、
    中には「勝手な妄想を周りにふりまくな」
    「参加者の1人がクズ(嫌い)だから参加者全員クズだ」
    といった誹謗中傷の領域に入るものもある。
    さて、そんな批判で特にどこでも目立つのが
    「(本番と)当たらないのなら意味がない」というものだ。
    この手の企画にはドラフト候補や補強ポイントの紹介といった側面もあり、
    それぞれには参加者のいろんな考え方を目にできるのも重要なポイントになる。
    特に最近の場合は昔の会議倶楽部の模擬ドラフトと違って
    補強ポイントや人数、プロ志望届の有無も指名に反映されるようになったので
    これらの側面がさらに大事になってきた。

    そういった意味でも仮想ドラフトは
    本番と同じ選手を指名すること自体があまり意味のない企画ではあるのだが、
    そもそも確実に当てることは可能なのだろうか。
    NPBはくじの抽選があるので、抽選の結果を事前に確実に当てるのは不可能だ
    (というか毎回当たるならむしろ本番での不正が疑われるレベルだ)。
    批判している人の中にはそれすらも当てろと言い出す人もいるが、
    たとえこの点には納得しても、1位指名がウェーバーならどうだろう。
    本当に当てられるものなのだろうか。
    今回はこの点をNPB以外の視点から見ていただこうと思う。

    Mock Draftの結果から

    では、こちらの動画ページを見ていただきたい。
    1時間28分と非常に長いものなのでHPと動画の最初だけでいい。
    今回登場いただくのはNFLである。
    NFL NETWORKではドラフトが近づくと毎週MOCK DRAFT LIVEという番組が放送され、
    各解説者によるモックドラフト(1人仮想ドラフトに近い)が行われているのだが、
    これはその最終週に行われるスペシャル版。
    8人の解説者、リポーターがそれぞれ4チーム分(正確には4つの指名権分)を担当し、
    それぞれの視点からドラフト1巡指名をしていくという企画だ。
    つまり、日本でも行われている仮想・模擬ドラフトと全く同じものが、
    NFLでは公式で行われている
    のである。
    ちなみに同じ動画はYoutubeでも見ることができる。
    もちろんNFLの公式チャンネルだ。

    さて公式で行われている以上、
    「仮想ドラフトは当たらなければ意味がない」と言う人たちからすれば、
    「こちらも全部当たっていなければ無意味」なはず
    である。
    しかも基本的には完全ウェーバーなので、抽選運は全く関係がない。
    では実際にはどれくらい的中するものなのか、実際の結果を見てみよう。
    赤い太字がチームと指名選手が的中したケース、
    青い太字は、選手は的中しなかったがポジションが的中したケース、
    ただの太字はオフェンス―ディフェンスの二択が的中したケースである。

    選手が的中したのは32人中4人、ポジションが的中したのは4人で、
    この2つを合わせても25%しか当たっていない。
    それどころか、オフェンスかディフェンスかの二択でも10割には到底届かないのだ。
    ちなみに2016年はこうなっていた。

    もっとすごいことになっている。
    ポジションが的中したのは7人いるが、
    1位と2位のWentzとGoffが逆になったこともあり、
    選手と順位が一致したのはたった2人。
    しかもHargreavesⅢは順位は当たったものの
    11位がトレードされて指名されたチームが異なるため、
    選手・順位・チーム全て的中したのはElliott1人だけだった。
    さらに、2017年は1巡指名されなかった選手が32人中3人だったが、
    2016年は31人中7人が2巡以降に指名されている。
    一方でオフェンス―ディフェンスの的中率は2017年より少し高い。
    なお2016年の1巡指名が31人しかいないのは、
    ペイトリオッツがこの年の1巡指名権をはく奪されたためである。

    ルーレット一点賭けに100%的中を求める思考

    こうしてみると、ウェーバーでも指名選手は全く当たらないことがわかる。
    こちらにはこちらで指名権のトレードが頻繁にあり、
    同じ年の指名権はおろか、翌年の指名権や現役選手とのトレードも行われる。
    それゆえ、ウェーバーといってもNPBの抽選とは別の不確定要素があるわけだが、
    それを加味してもいかにMock draftが当たらないものであるか、
    おわかりいただけるだろうか。
    「仮想ドラフトは当たらなければ意味がない」と主張するのは
    10%の確率もないゲームのガチャに
    常に100%の大当たりを求めるようなものと言ってもいいのかもしれない。

    では、仮想ドラフトが嫌いな人たちに言わせれば「無意味な」ものが
    なぜ公式で行われているか。
    一番はやはり選手や補強ポイントを知ってもらうことだろう。
    指名選手の評価も補強ポイントの見方もチームごとに異なり、
    当然解説者や識者、ファンたちにもそれぞれにそれぞれの見方がある。
    そうした色々な見方を知ることで、
    贔屓チームの将来像に本番当日まで幾多も胸を躍らせる、
    こうした企画はその手助けの一つとなるはずである。
    また、たとえ自分が考えていたものとは違った指名でも、
    チームの方針がどのようなものだったかを考えるきっかけにもなることだろう。
    そもそも本番の指名を当てることを目的とした企画でもないのだから、
    このような批判そのものが筋違いでもあるわけだ。

    というか予想を100%当てなければならないと考える人は、
    強いチームでも勝率が100%にならない、どんな強打者でも4割をまず打てない
    野球というスポーツを見ることはおろか、
    ちょっとした確率が関わるすべてのスポーツやゲーム、事柄に向いていない気がする。
    彼らの心臓や血管は試合観戦に耐えられるのだろうか、心配だ。


    お知らせ

    最後に宣伝を一つ。
    今年も10/14(土)の20:00から、
    ニコ生のこちらの枠で仮想ドラフトが行われる。
    ニコニコ自体が最近かなり不安定になっているが、
    各担当者とサポーターたちがどのような選手評価と補強ポイントを考えているか、
    皆さんも本番当日の参考の足しにしていただければ幸い。
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