2017年ドラフト会議総評
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2017年ドラフト会議総評

2017-10-29 23:32
    今年は、「1位が外れも全て同時入札、逆指名なしの統一ドラフト」という
    現行制度になってからちょうど10年目。
    総評はその点を踏まえて今年の指名を数字で振り返ってみた。
    多分に私の志向が反映されているが、
    まあ日本シリーズの判定ではらわたが昇華してしまっている人も気楽に読んでほしい。

    上位指名を振り返って



    今年は清宮が7球団競合に加えて、中村2球団、外れ指名で安田と村上が3球団と
    高校生野手の1位指名が続いた。
    1位に高校生野手4人はここ10年で初めてである。
    さて、上位指名ではそんな高校生野手ばかり目が行きそうだが、
    より希少性が高かったのは社会人野手の上位指名。
    全て2位指名ではあるものの上位指名の社会人野手3人はこの10年で初、
    1993年(井出竜也、波留敏夫、三輪隆)以来24年ぶりの出来事だった。
    逆指名でも社会人野手はあまり獲得されていなかったことがわかる。
    実は制度の関係上、高校生野手1位指名が逆指名時代には珍しい光景ではなく、
    4人以上の指名は2002年以来(西岡剛、森岡良介、尾崎匡哉、坂口智隆)15年ぶりで、
    逆指名・自由枠時代にはこの年を含めて計3回、
    嘉勢敏弘が一時期二刀流だった94年を入れると4回になる。
    上位指名3人未満も高校生野手は昨年だけである。

    指名全体を比較すると



    全体で見ると、今年は昨年とは打って変わって野手重視のチームが多かった。
    本指名の野手数は一昨年と並んで最多タイ、育成を入れると10年で最多だ。
    その野手率の高さの原動力になったのは、こちらでもやはり際立っている社会人野手。
    本指名が独立リーグの選手を含めて計15人、独立リーグを除いても13人おり、
    社会人野手を今年乱獲した巨人を除いても9人いる。
    その巨人も指名したのは有力候補と目されていた選手ばかり。
    昨年解禁された選手も何人かいるが、
    今年は社会人野手にも人材が多かった様子がうかがえる。

    そんなふうに大量指名されたはずの社会人野手だが、
    この表を見てもわかるように数は高校生野手と同じ。
    本指名の指名野手を高校・大学・社会人に分類した場合の数は
    高校生がこれで9年連続最多である。
    ただしこれでもドラフト評論や高卒好きのファンにとっては、
    高校生野手は冷遇されている存在とされているようだ。
    また今さら冷静に考えてみると、高卒選手が主力になりやすいのは
    そもそも高卒中心に指名されていれば数的優位で当然じゃないかということになるが。
    この10年間のドラフトで変化してきた部分は少なからずあるが、
    確率・期待値を極限まで無視した高校生・素材重視の評論とファン目線は、
    10年どころか数十年たっても全く変わらない部分の代表格と言えるだろう。
    むしろ最近はその傾向が再び強まっている感すらある。
    次の項のように多少は納得できる理由もあるにはあるのだが、
    一番の理由はやはり高校野球の人気とそこから作られる知名度なのか。

    即戦力投手の向かう先

    投手のほうを見ると、ここ2年は社会人投手の指名比率がかなり低くなっている。
    それも今年は独立リーグの本指名も目立ったため、
    相対的に企業チームの投手指名が減ったことになる。
    その一方で噂程度の話ではあるが、最近目立ってきたのが大学生投手の順位縛り。
    これらを総合すると、社会人チームも投手の獲得にかなり苦慮しているのかもしれない。
    特にここ2年の社会人投手候補を見ると、
    球は速いがプロ入り解禁年に入って調子を崩すか崩したままの選手と、
    エース格としてかなりの結果を残してもいるが最速が遅い(145km以下)選手に
    はっきりと分かれる傾向が見られた。
    解禁年に調子を崩すケースには、大卒1年目では大活躍していたタイプも多い。
    大学のほうでも高卒1、2年目の投手に対して似たようなことが言われているが、
    同じような1年目での使いつぶしが社会人でも行われつつあるのかもしれない。
    反面、プロの場合はそこからのさらなる伸びしろが重視される上に、
    最近は高校生の段階から球速のインフレが起こっている。
    こうした様々な要素が相俟って、
    以前にも増した素材重視の投手ドラフトが行われつつあるのだろう。
    単純にプロの指名数が増えてきたのも、
    他のアマチームに選手が集まらない理由の一つと思われる。

    ただし現状だとまだまだプロでもそこから先の育成が追いついておらず、
    ルーレットで配当の倍率が変わらないのに赤黒ではなくひたすら一点賭けを行うかのような、
    確率だけを下げるギャンブルに終始してしまっている感がある。
    あえてえらそうな書き方をするなら、
    私の即戦力投手志向を根本的に覆す画期的な投手の分析と育成手法が確立してほしい。
    というかそうならないと、ここ最近指名された投手たちも
    その持っている素材の力を発揮できないままユニフォームを脱ぐ結果になりかねない。
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