ドラフト上位指名の傾向についての一考察
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ドラフト上位指名の傾向についての一考察

2014-06-23 22:23
    今回は高校・大学・社会人の合同ドラフトに戻った2008年以降の
    上位(1、2位)指名の傾向を簡単に紹介していこうと思う。

    ① 1~2位指名での投手と野手の比率は2:1
    拒否~再指名による重複、プロ入り数年後の転向を除くと
    上位指名の投手と野手の数字は96:48でちょうど2:1になる。
    上位で野手を指名したがるチームもあれば、野手は3位以降で獲るチームもあり、
    このへんはチーム事情と好みにもかかってくるものと思われる。
    なお仮想ドラフトでも、指名選手は違えどこの比率はほぼ同じになることが多い。

    ② 上位で野手を指名する場合は高校生内野手が多い
    22歳以下の選手層が苦しいと思われているチームが多いので
    意外に感じる部分かもしれない。
    しかし実際には高校生内野手は野手48人(うち拒否による重複1人)中17人と圧倒的に多く
    全体で見ても48人中27人(+転向1人)が高卒。
    またどの層にも共通しているのは遊撃手の指名が目立つことか。
    逆に少ないのは捕手で8人(うち4人が2013年)しかいない。
    仮想ドラフトでは捕手が重視されがちだが、現実はそうでもないことがわかる。
    ただ22歳以下の存在が重要視されるのは年代表を作ると22歳以下がどうしても空きやすい
    (22歳以下は高卒4年目までと高卒3年目で指名された社会人1年目以外ほぼありえない)
    ためで、本来はあまり気にすべきではないポイントとも考えられる。

    ③ 投手は出身別の違いはない
    正確に言えば「その年の人材で大きく変わる」。
    高校生投手が当たりの年なら高校生が多めになり、大学生投手が当たりなら大学生、
    どちらもいまいちだと社会人が多くなる。
    当たり前の話なのだが評論だと意外に忘れられがちな部分であり、
    大学社会人の投手で上位を固めた場合よほどの有名選手でないと
    現実の指名、ファンによる仮想ともにボロクソに叩かれることが多い。


    ここからはチーム別に見てみよう。

    巨人
    1位入札で逆指名を強硬に行使しなかったのは2008年大田と2013年石川のみ。
    今のところ逆指名選手がしっかり戦力になっているのが昔との違いと言える。
    もし育成がうまくいかなければFAや外国人で補えばいいということなのか、
    2位は逆指名制度以前の伝統である高校生を好む傾向がある。
    ただなかなか坂本のようにはいかないので余計にFA選手を獲得せざるをえないのが実態。

    阪神
    合同の1位高校生獲得は2012年藤浪が14年ぶり(入札は2009年菊池がある)と
    一見即戦力偏重に思われがちだが、2位は2010年以降4年連続で高校生。
    大学・社会人も獲れた選手は榎田以外全員大学生と比較的若い選手を好む。
    近年の補強も彼らの成長までのつなぎと考えるとしっくりくるものが多い。

    広島
    1位入札はかつてのような素材型高校生偏重時代に比べると、
    高校・大学問わず完成度を重視した指名が多い。ただし一番人気に向かうことは少なく
    あらかじめ入札を表明しての一本釣り狙いも目立つ。
    2位はその時の巡りあわせなどでパターンが変わるが、この6年間は社会人が一人もいない。

    中日
    1位は誰に強い権限が与えられているかで指名が大きく変わるように見える。
    現体制ではスカウト部長以上にGM、監督の意向が反映されそうだが、
    投手に限って言えば3人とも若い選手を好むようだ。また故障歴や不調をあまり気にせず
    東海、中部(西側)、北陸(西側)の地縁を重視した指名も有名。
    一方野手は高校生大好きな部長と社会人好きのGMがどう折り合いをつけるかが重要か。

    横浜DeNA
    6年で最下位5回のチームのため基本は即戦力を欲しがるが、
    地元で人気の高校生がいるとそちらを獲りに行くことも。
    チームの体制が2012年以降変わり、それまでの指名傾向が今後も当てはまるかは怪しい。
    ただこの6年の上位で早稲田大出身が2人、法政大が2人指名されているのは気になるところ。

    東京ヤクルト
    基本は即戦力投手重視。08年までに大物高卒投手を乱獲できた(現在はほとんど不調or負傷)
    こともあるが、やはりヤ戦病院の現状が影響しているのだろう。
    野手は上位指名が少ないが2位までに獲りたい逸材がいるかどうかが
    ポイントか(特に高卒ショート)。ここもヤ戦病院の患者次第と思われる。
    一方で大社投手はそれまであまり注目されなかった選手を上位指名することも多い。

    東北楽天
    1位入札は競合する指名に敢えて向かうことが多く、現監督が就任してからはそれが顕著。
    が、外すと途端に変則的な指名をすることがある(09戸村、11武藤、07高校・寺田)。
    2位は08、09年が高卒野手だったが、10年以降は名前のかなり売れている選手ばかりである。
    最近の指名傾向や発言を見る限りでは、現監督が退任しても現在の路線はあまり
    変わらないのではないかと考えられる。

    埼玉西武
    1位入札は大競合に向かうと思いきや一本釣りを狙ったりと非常に読みづらい。
    ここ6年は上位で野手を獲ることが少なかったが、
    3位以下で主力を確保できていたためさほど影響がなかったのも一因と思われる。
    また浅村は3位最初の指名である(つまり2位指名の時点で確実にとれる)。

    ロッテ
    少数精鋭指名のためかこの6年間の上位はすべて大学・社会人(12年入札は藤浪)、
    その割に長く戦力になっている選手が少ないが、これは2位で前評判の割に
    完成度の高くない投手を獲ってきた影響もあるだろう。
    ポジションが重複する指名もケガや不調選手の補充がすぐ出来るようにという狙いか。

    福岡ソフトバンク
    高校生の上位指名が多く、去年の社会人2人はいずれも22歳以下と若い選手が目立つ。
    2012年の東浜以外抽選を外し続けているのも一因だが、
    補強資金が潤沢かつ素材型を好むフロントの傾向が表れていると言える。
    ただ野手に比べて投手はその成果がほとんど出ておらず、
    今年の補強にもその苦しさが表れている。

    オリックス
    2010年は大石を外しての結果論ではあるが、上位での投手重視と野手重視が極端
    (08、09、12、13が投手2で10、11は野手2)なものになっている。
    野手は高校・大学・社会人の別なく上位指名するが、投手は高卒指名が08甲斐と12藤浪だけ。
    西が成長した中でもったいなくも見えるが、
    このチームの高卒投手成功率を考えれば妥当とも言える。

    北海道日本ハム
    1位指名に関しては客も呼べる大物がいれば抽選・他チーム逆指名をいとわず特攻、
    あまりにもいない場合のみ一本釣りを狙うという姿勢のようだ。
    10年以降4年連続で高校生野手を2位以内で指名しているが、そのうち3人が遊撃手と育成に
    苦慮している様子がうかがえる。他のポジションの育成が順調なため余計に目立ってしまう。

    いかがだったろうか。この6年間を見ただけでもそれぞれの特徴が出ていて、
    なかなか興味深いものがある。


    最後にニコ生の宣伝を一つ。
    7月20日(日)20時から、こちらのコミュニティ
    (http://com.nicovideo.jp/community/co17337)で仮想ドラフトが開催される。
    今回は1位と2位のみの指名なので初めての方も参加しやすいようになっている。
    現在中日、オリックス、北海道日本ハムの担当者が空いているほか、
    各チーム担当のサポートをするサポーターも募集中とのこと。
    このブロマガを読まれた奇特な方も奮って参加していただきたい。
    その際にこの記事が少しでも指名のお役にたてば幸いである。
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