チーム別:過去10年間の傾向(2)
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チーム別:過去10年間の傾向(2)

2014-10-22 21:28
    今回はセリーグの残る3球団を見てみよう。

    中日
    本指名 高投16 高野8 大投11 大野14 社投12 社野10 計71
    育成込 高投17 高野8 大投12 大野18 社投13 社野11 計79
    転向 投手→野手 金本明博、赤坂和幸、宋相勲

    ここ1年ほど、阪神と並んで過度の大学・社会人アレルギーが進行している。
    このチームの場合は現GMや前・現監督への批判がその主な原因であり、
    反面スカウト陣への期待が非常に高い。
    ただこの論調が最近異常なまでに激しくなっており、
    「成功した選手はすべてスカウトのおかげ、失敗はすべてGM・監督のごり押し」
    「成功した選手でも現GMが推したと判明している選手は失敗扱い」
    といった領域にまで達している。

    スカウト陣の評価が高い理由としては
    現部長がドラフト雑誌などによく顔を出すことによる親しみやすさや
    その選手評価がドラフト好きの好みと非常に近いことなどが挙げられよう。
    この10年間の指名を見ても野手の高校生比率が非常に低く(11位)、
    大学、社会人の率は1位と2位で若手好きの好みとは真逆。
    監督時代からかなり口を出してきたと言われるGMへの反発の要因でもあるのだろう。

    ではスカウト・編成主導で行われたと思われる
    2011、12年はどうだったのかというと、
    野手は13人中4人だけで高校生が高橋周平、溝脇隼人の2人。
    残る大学生2人がいずれもスラッガータイプなのがいかにも、
    という感じではあるが、これだけでもイメージとはかなり異なるのではないか。
    この2年間はむしろ高校生投手5人が目立つ時代である。

    とはいえそれ以外の大社野手が成功だったかといえばそうではないのも事実。
    こちらはとにかく守備・走塁型で打力がいかにも弱い選手のオンパレードと
    なっている。言わば現役時代のGMとは全く異なるタイプ。
    野村克也氏などにも言えることだが、
    こういう大選手たちは自分の打力を過小評価する傾向でもあるのだろうか。


    横浜DeNA
    本指名 高投12 高野11 大投10 大野9 社投16 社野8 計66
    育成込 高投16 高野12 大投10 大野11 社投18 社野9 計76
    転向 投手→野手 北篤

    1997~2001年まで高校生路線、2002~04年は即戦力路線を敷いた横浜だが、
    2006年以降は2011年まで大学社会人偏重と高校生偏重を
    交互に繰り返す指名を行うようになる。
    その内容も年ごとに大きく変わっており、
    2006年と2009年は上位以外は当時それほど知名度のなかった選手を、
    逆に2007、08は甲子園組や有名大学の選手を中心に指名している。

    残念なことにどちらの年にも共通しているのは
    投手の育成がうまくいっていないこと。
    高校・大学・社会人のどれをとっても即戦力より素材中心の指名が多いのが
    最大の原因で、育成枠から上がってきた国吉佑樹が期待の若手ではあるのだが
    今年早々に解雇されチームの姿勢が疑問視された2011年指名の高卒投手も
    乱暴にくくってしまえば全員が国吉と同じタイプ。
    むしろ伸びてきた国吉の方が例外なのである。
    ただ数少ない完成度の高い選手や移籍してきた選手も軒並み低迷してしまう。
    本拠地のパークファクターが高いのも一因だろうが、
    それでも何か説明のつかない謎の状態が続いている。

    そんなチームも2012年に親会社が変わり、フロントも一新された。
    それから2年間のドラフトは本指名の高校生が12人中1人だけだが、
    これは親会社にハッパをかけられたからというよりは
    2011年とのバランスをとったからと考えられる。
    野手は高卒組が順調なため、今後も投手重視の指名は続きそうだ。


    東京ヤクルト
    本指名 高投12 高野8 大投9 大野8 社投14 社野9 計60
    育成込 高投12 高野10 大投12 大野10 社投17 社野10 計71
    転向 なし

    2004~10年までは高校生と大学社会人のバランスをとった指名(本指名高校生41.4%)
    だったが、2011年以降は極端な大社、それも投手重視の指名になった。
    一部では今年退任した監督の延命策などと揶揄されたが、
    その理由は2011年のCSを見れば容易に想像がつく。
    館山昌平、増渕竜義、村中恭兵のスクランブル起用に球数が少なかったとはいえ
    石川雅規が中3日での先発。由規の長期離脱が確定していた状況下で
    投手の数があまりにも不足していたのだった。

    これは2005~08年のドラフトの結果が大きい。
    全7人の1位指名はすべて抽選に勝利するか単独、希望枠での獲得に成功、
    ここまで思惑通りの指名をできたチームはほかにない。
    しかし村中、増渕、赤川克紀はほぼ単年の活躍だけで足踏み状態、
    武内晋一、高市俊、加藤幹典はほとんど戦力にならず、最も伸びた佐藤由規が故障。
    このうち6人が投手なのだから投手補強に走らざるを得ないのである。
    野手も川端慎吾、中村悠平、山田哲人以外はあまり伸びが良くないが、
    投手の補強を怠りさらに若手投手を酷使で潰すよりはましと言ったところ。

    ただこの上のリストを見てもわかるように、
    このチームは即戦力投手の見極めがどうにも良くない。
    高校生は上記以外も八木亮祐がそこそこ成長しているのに対し、
    大学・社会人は今年1年目の選手を除けば使えているのは
    山本哲哉、久古健太郎、小川泰弘ぐらい(評価保留が石山泰稚)。
    ここがもう少し何とかなれば指名にも余裕が出てくるのだが。
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