• ありとあらゆるオタク的事象を憎む母にはヲタの娘がおりまして 後編

    2013-09-25 01:3920

     ――いつか堂々と「自分はこういう人間だ!!」
                って言ってる日がくるといいな――
                   
    永井三郎『スメルズライクグリーンスピリット』



    ご無沙汰しております。都まんじゅうです。

    こんな雑記だれも読まないだろうし、好き勝手に思いの丈をぶちまけ祭りじゃ!
    そぉい!
    と軽ーい気持ちで書き始めたのは2週間も前のこと。

    まさかこんなにも多くの方に読んで頂けるとは…。特にコメントの多さは衝撃的で、
    PCの前でしばらく西野●ナの歌詞並に震えっぱなしでした。
    まず初めにお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


    この雑記における「オタク」とは何を指すのか?という鋭い(痛い)ところを
    突いた素晴らしいコメントを頂戴したので、自分なりに改めて考えてみたのですが

    データベース化した世界観とそのシミュラークルにすぎない作品に”動物化”した
     消費者が(ry」云々、「自らより”弱いもの”に向かっていく(ry」云々、

    それらしい文献を引っ張ってくればくるほど、わけがわからないよ!状態に陥った
    ので、ここでは感覚的に「”ある種の趣味”に深く耽溺している人間」ぐらいの軽い
    ノリで「オタク」とか「ヲタ」という言葉を使ってしまおうと思います。

     ダメだ…考えることを放棄している……考えることが…怖いんだ
     

    などと察していただけると非常に助かります。

    (ちなみに『オタクのことが面白いほど分かる本(中経出版)』では大まかに
    アニメオタク・インターネットオタク・ゲームオタク・マンガオタク・パソコンオタク・読書オタク・
    フィギュアオタク・芸能人オタク・特撮オタク・コスプレオタクの10パターンを列挙していたのですが、
    私はこの中だとアニメ・マンガ・インターネット・読書・フィギュア・コスプレオタクにあたるようです。
    あとは岡田斗司夫さんがブロマガに「オタク」とはなんぞ、といった感じの記事を投稿なさっているので
    そちらも参照するとスッキリするかもしれませんね)


    さて、初見の方もいらっしゃることと思いますので↓から振り返ってみます

    ~読まなくてもだいたい分かった気になる前編あらすじ~
     
     
     いわゆる「オタク」に対して激しい嫌悪感を持っている母の徹底した教育虚しく
     娘が重度のヲタになってしまった!
     育て方を間違えたと嘆く母親!自分の“異常性”に苦悩しつつも毎日ヲタ充する娘!
     そんな中、ここ最近イベントやらコスプレやらで更に悪化の一途をたどる娘に対し
     ついに母の堪忍袋の緒が切れる。ついでに娘も色々と限界を迎え、母娘の確執は
     深まるばかり。
     そして戦いは、家を飛び出し、いよいよ旅行先にまでもつれ込むのだった……。


    ありとあらゆるオタク的事象を憎む母にはヲタの娘がおりまして 後編

    その日は雲一つない晴天でした。
    いつも苦労かけてばっかりだし、たまには親孝行でもすっか!
    ということで私は母を誘い、式年遷宮で沸き返る「伊勢神宮」へ。




    ……「親孝行」というのは半分建前です。ちょっと盛りました。

    様々なしがらみがベッタリと張り付いた“家”という場所から少し距離を置いた方が
    心身ともにリフレッシュできるし、腹を割って色んなことを話せるんじゃなかろうか?
    と思いついたので母を半ば強引に家の外にひっぱり出したに過ぎません。

    しかも「お伊勢参り」を提案すると、母ちゃんの食いつきが抜群でした。
    旅の途中しばしば母が子供のようにはしゃぐ姿を目の当たりにすると、
    娘としては「あぁ、きっとこれが本来の正しい母娘関係なんだ」と胸にこみ上げてくるものがあったり。

    やっぱり旅行中に「私の趣味」に触れるのはやめておこうかなぁ…
    この雰囲気を保っていきたい… たまの休みだし…

    たびたび決心が揺らぎます。

    しかし1日目の観光を終えてホテルの部屋に着くころには私も腹を決めました。



    「お母さん…? あのさ…、来週の日曜日、イベントがあるんだけど……」

    これだけの言葉を言うだけなのに妙に緊張して声が震えるという情けなさ。
    ”イベント”という言葉を耳にした瞬間、母の顔が微かに曇る。

    母「 で?

    私「(でっていう……) コスプレ、をね。する予定なんだ」

    母「 で?

    私「もう…、私も自分のことは自分で責任とれる歳だしさ。ほっといてくれ!とまでは
      言わないけど、、趣味のことでアレコレ言われるのは、なんかキツイっていうか」

    母「………それで?」

    私「別に犯罪に手ぇ染めてるわけじゃあるまいし、まぁ、あまり良い趣味とは言えない
      かもしれないけど、でもそろそろ私の好きにさせて欲しいんだ…よねー…」

    ところどころ母に配慮して言葉を選んでいるあたり負け確定だろうが!チキンめ!!
    もっとはっきり言ったらどうだ。

    私「あー…、私は自分がオタクだってことを今まで恥じて生きてきたけど、
      それはお母さんの手前、そうしなきゃって思ってただけで。本音は違うんだ。
      私はアニメ見るのやめろとかマンガ読むのやめろとか、コスプレやめろとか、
      そういう事言われるのは心外です。今まで辛い事があってもメンタル弱いなりに
      生きてこられたのはやっぱり、そういう楽しみがあったからだし。
      オタク的なモノを一切合切やめろって言われるのは『死ね』って言われるのと
      同じくらい辛い。
      お母さんには理解できないかもしれないけど。
      だけど、やっぱり、私はそういう文化圏の中にどっぷり浸かって生きてきたか
      ら、素晴らしいモノだと思うから…、そろそろ自分の趣味に誇り持ちたい」

    ――とにかく、こんなことを一気に喋った記憶があります。
    部屋の温度は涼しいくらいだったのに緊張のあまり手汗がはんぱなく噴きだしてきて
    困りました。

    アカン。
    やっぱり旅先でくつろいでる中、いきなりこういう話題を切り出すのは不利だったん
    じゃないだろうか。
    どうすんのこれ。どうすんのこの空気。これで明日も元気に観光しろってか。

    数秒の間に脳内をかけめぐる反省文と謝罪文。
    溜め息もつけず、ただ肩を落とす私
                 
     

                      ――に降りかかってきた意外な言葉


    「………。今はそういう時代なのかもね。」



    !!!? 

    「よくわからないけど、そういうイベントが定期的にあるぐらいメジャーな
     文化活動なのかもしれないわね……、よくわからないけど。」

    よほど強調したいのか「よくわからないけど」を二回も言い放ってくる

    「自己責任とれるって言うなら、そうね。…いいかな……」

    恐る恐る「え、いいの?」と尋ねる私に対し、半ば諦念したかのように

    いいわよもう。好きにしなさい
                   
    ――さあ、夕食いただきにいきましょ

    と弱々しく微笑む母を見て、私はキョトン。

    ……あ、あれ?
    前編で長々と書き連ねちゃうぐらい10年近くも引きずった私の葛藤って、
    たった3分程度の会話でスピード解決しちゃうような些末な問題だったのか……?


    ちょっと信じられませんが、どうやら私は賭けに勝ったらしい。
    こんなにあっさり。

    まぁ、とにかく。

    ――――やったぜ。

    その日の夜、私はツイッターに「I did it !」と結果報告をしました。

    こんなにも穏やかな気持ちで過ごせる日がくるとは。
    なんだか世界の見方まで変わってしまうぐらい爽やかな心持!

    一泊二日の旅行中、母娘は喧嘩することなく、思いっきり旅という非日常を享受
    しました。澄みきった青空と神宮の木々のコントラストが目に焼き付いています。

    一生の思い出に残る素晴らしい旅行になった。
    そう思っていたのです。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    「……え?」

    あの旅行から2日後、家の台所で母の手伝いをしながら次に参加するイベントのことを
    話していたところ、予想外の言葉を耳にし、思わず固まりました。

    母「だから、コスプレなんて変な趣味やめなさいって言ってんの

    私「自己責任の範囲内で認めてくれたんじゃないの?ホテルで言ったよね?」

    母「言ってない」

    私「は!?」

    母「認めてなんかないわよ。諦めたの。あのときは。でも帰ってきて改めて
      考えてみたら、やっぱり異常だわ。や め な さ い」


    「やったか!?」のフラグがここで見事に回収されるとは思わなかった。。


    母「あのねぇ、だいたいアンタはなんでコスプレをするの?イベントに行くの?
      それって人生に必要なことなの?」
      
      

    私「なんでって…、人生にとって必要とか無駄とかそういうものじゃないんだけど…」

    この「なんで?」という問いに言葉が詰まってしまったことが今でも悔やまれます。
    心の奥底でまだ『自分は異常』という母ゆずりの認識が凝り固まって、全然抜けきっていないのだと思い知らされました。
    なーにが「そろそろ自分の趣味を誇りたい」だよ。笑わせんな。


    母の猛攻は続きます

     「昨日の夜、テレビ番組でコスプレ特集しててね(※たぶん『百識王』)
      お母さん、少しは理解しようと思ってしばらく見てたのよ。
      そしたら出てたタレントさんが言ってたけどね、
      ”普通の人はやらない”って。やっぱり異常なのよ。普通じゃないの!
      アンタも早く目ぇ覚ました方がいいわ。普通の人の感覚取り戻すために
      イベント?とやらに行くのも自重しなさいね」


    開いた口がふさがらないとはこういう時に使うんでしょうか。


    私「…あのね…、マスコミの印象操作ってのもあるんだよ…。
      実際に見もしないでそういうのに流されるとかどうかしてるんじゃ…」

    「お父さんもね『コスプレなんてすぐにやめさせろ』って言ってたわ。
     
     昨日話したらアンタの趣味、大反対してた。
     お父さん、オタク大嫌いだから。」

    私の言葉を遮るように突如告げられた「お父さん、オタク嫌いだってよ」。

    おいおい、なんで急に”お父さん”の話題が出てくるんだい??
    実際のところ私はかなり混乱していました。

    前編では全く触れませんでしたが、父は私に対していつも寛容でした。
    母が私の趣味に対して嫌な顔をするとき、私の肩を持ってくれたのはいつも父です。

    こっそり深夜アニメを見ていると、いつの間にか近くにきていて「面白いなぁ」
    と笑い、一緒に新旧アニメの話題で盛り上がったり、
    イベント参加後には「コスプレしてきたんだって?写真撮ったか?」と興味深げに
    尋ねてくる、そんな父です。
    家庭内で唯一味方になってくれる存在といっても過言ではない……。

    追い打ちをかけるかのように母が真実を教えてくれます。

    「私もアンタの趣味が本当に理解できないけど、お父さんはもっと
     『理解に苦しむ』って言ってるからね。
     お父さんはアンタに直接言わないけど『早くやめさせろ』って。
     私はお父さんとアンタの間で板挟みになってる状態なんだから
     人を伝言板代わりにして、……まったく」
     


    衝撃でした。
    ありとあらゆるオタク的事象を憎む母には同じくオタクが嫌いな夫がおりました。

    理解者のように見せかけて、実は裏で母と結託していたというラスボスの存在。
    一体誰得なんだこのオチは。

    脳内で『半沢直樹』のメインテーマが流れました



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    私はなぜ「普通の娘」になれなかったのか。
    なぜ母のいうところの「異形」と成り果てたのか。

    きっと私は中学生の頃から父や母とは違う生き方を模索していたのです。

    「まとも」すぎておかしな父と母のもとで育った私のささやかな抵抗です。

    「真っ当に育ててくれたにも関わらず、気持ちの悪い存在に成り果ててしまった私自身」に対する激しい自己嫌悪や肩身の狭さ、息苦しさ、申し訳なさを感じながら生活
    するのはもうやめたいと思います。


    ……まだまだ自信はありません。

    ただ、「まとも」に縛られて “やられっぱなし”になるのは悔しいじゃありませんか。

        出向が怖くてオタクできるか!!



    私はこれからもこのオタ道を行きたい。
    これが今回のながーい雑記を書きながら導いた結論です。
    堂々と、親の前でも誰の前だろうと臆さずに「自分はこういう人間だ!!」
    って
    言ってる日がくるといいな。



    実はそんな願いも込めて、このブロマガのタイトルを決めました。


    ――2.5次元で、生きていようか


     
     


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  • ありとあらゆるオタク的事象を憎む母にはヲタの娘がおりまして 前編

    2013-09-09 16:53137
      
       わかってくれとは言わないが そんなに俺が悪いのか
                                  (ギザギザハートの子守唄 /チェッカーズ)

     

    はじめましての方ははじめまして!
    「ま た お 前 か」の方は、いつもお世話になっております。
    都まんじゅうと申します。

    この2か月は主に『世界ボーカロイド大会』の体験レポを書いておりました。
    それもこのほど完結したということで、少し趣向を変えて、雑記を垂れ流してみようと
    思い立ったのが今回のブロマガの内容でございます。

    TOKYOオリンピックおめ!!という時流に完全に乗り遅れる感じで申しわけない…。

    簡潔に言えば、母と娘のくだらない喧嘩と私の恥ずかしい告白大公開スペシャルです。

    正直、これはバトルをニコ生…、映像を配信した方が面白いのではないか!?と思ったのですが
    配信環境が整っていない&私のブサイクな泣き顔マツコデラックス激似の母の鬼の形相を
    皆様にお見せするのはしのびないと内省し、文章のみでお送りいたします。



    まず私の自己紹介から
    ・実家暮らしの大学院生。つまり親のすねかじり虫
    ・バイトで塾講師を少々。自分の趣味は自分の稼いだお金で楽しむ主義。
    ・中学時代の友人に勧められたギャルゲでオタになった。可愛い女の子に目が無い。ハァハァ
    ・スリザリンは嫌だ!な魔法学校物語で腐女子に覚醒。なんでもBLに変換する程度の能力。
    ・コミケ(夏・冬)参戦歴9年
    ・プレミアムなニコ厨
    ・ブロマガを読んでくださった方から「全方位アニヲタ」と呼ばれる。「変態」とも。
    フィギュアをやたら集めたがる。中野ブロードウェイ、アキバのホビ天大好き。
    ・ボカロ廃と名乗るのも恥ずかしいぐらいの浅識ですが、ボカロ廃に両足つっこんだ状態
    ・2か月前コスプレイヤーデビュー
    ・中高6年間のトラウマが響いており、致命的なコミュ障
    ・最近提督になった





    続いて、母さん紹介
    ・高卒。しかし切れ者だった為、出世街道まっしぐらのハイスペックOLだったらしい。
    ・現在は父の自営業を事務仕事で支える。お疲れ様です。そして相変わらずハイスペック。
    ・昔取った杵柄でファッションセンスがかなり優れている
    ・娘の私から見てもコミュ力が異常
    ・昔は「貴女のナイトになりたい」と砂糖ぶっかけ祭りのような口説き文句でチヤホヤされ、
     リアルにアラブの石油王等、多くの男性から求婚されるレベルのハーレクインロマンスに
     登場しそうな美女だったが、現在の姿はあわれマツコ・デラックス
    ・暇さえあればショップチャンネル&QVCを監視する通販マニア。
    ・某国ドラマ、アイドルに夢中。一週間の疲れを『トンイ』で癒す
    ・アニメを「マンガビデオ」と呼ぶ
    ・「オタク…?きもい氏ね」




                
                  ―――「オタク…?きもい氏ね」

    そんな母のもとになぜか重度のヲタ娘。が爆誕してしまったことから
    悲劇は始まりました。



    このブロマガを読んで下さっているであろう方に「私(ヲタ)の味方になってよ」
    というつもりは毛頭ありません。
    ただ、こういう真逆の母娘がいるんだな、と笑っていただければと思います。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    小6までの私は、というと
    マンガ?とかアニメ?とかポケモン?とかそういう低俗なものは知りたくもない
    という完全なるクソガk……、ガリ勉・文学少女でありました。
    過去の自分が地獄のミサワ絵で再生されるので、過去に遡ったら無条件で殴りたいです。

    それもこれも母の完璧な“調教”の成果。
    ありとあらゆる因子の侵入を防ぎ、私の目に触れさせないウォール・ママン。
    安倍首相ではありませんが「 「状況はコントロールされている!」」のです。
    母の目の届く範囲内でしか行動できなかったわけなので、当然っちゃあ当然。
    ポケモンいえるかな??いえるはずがない!――こんな小学生は嫌だ。な小学生でした。

    しかし、中学入学後、クソガキに転機が訪れます。
    鬼の居ぬ間になんとやら、マンガの面白さに目覚めました
    いやぁ、『フルーツバスケット』は名作ですよね。主に白泉社の作品が大好きでした。

    それにとどまらず、私の中の潜在的オタ要素を見抜いた友人Aは「コイツならイケる」
    と踏んだのか、すかさず『サクラ大戦』シリーズをハードごと貸し出します。
    この体験は衝撃で、「萌え」という言葉をデュアルショックを通して学びました。
    レニ・ミルヒシュトラーセは俺の嫁。

    それから鍵(Key)っ子になったり、エヴァにハマったり
    また別の友人から「なんでも┌(^o^ ┐)┐に変換する」というその発想はなかった的
    アニメ・マンガの楽しみ方を伝授され、むくむくと私の中の悪の華が咲き乱れ始めます。

    思ったほど中学に馴染めず、小学校からのエスカレーター組に「デブス」とプギャー
    されていた私にも仲の良い友人が出来たことに、当初母は喜んでくれました。

    アニメ・マンガ・ゲームはあくまでコミュニケーションの道具」なのだと、
    私が割り切り、そして母もそのように理解していたうちは。。。

    これは私の非でしかないのですが、どんどん「その世界」にハマっていきました。
    ……辛い現実から逃げるように。
    中二という時期も重なり、オタク的なセカイが私には唯一のオアシスになりました。
    こんなに楽しいことには逆らえないっ!状態。
    まぁ「依存」ですね。



    そんな娘の姿を、いつしか母は気持ちが悪いと表現し始めます。

    気持ちが悪い

    理解できない

    そして「失敗した」と。

    理想の「娘」からどんどん逸脱していく私の姿は、母にとってさぞかし異形に思えた
    ことでしょう。

    もしかすると母の脳裏には宮崎勤事件における「オタク」像が未だにこびりついている
    のかもしれません。

    自分が「理解ができない」ものを、人は「恐れ」ます。
    私は母の「恐れ」、「異形」と成り果てました。

    異形の子」…か、悪くない響きだ…。と厨二の私は不敵な笑みを浮かべた。

    ――って、そんなこと言ってる場合じゃないんすよ!!!!!!

    こうして母はありとあらゆるオタク的事象を憎むようになりました。
    元々「好きじゃなかった」らしいのですが、憎しみにまで変わったのは私のせいです。

    ここから母も反撃を開始します。
    アニメ・マンガ・ゲーム・ネット・アニソン…すべてを天岩戸へ封印しました。
    汚名返上。

    「元の私」つまり小学生時代の私に戻るよう、再調教の開始です。

    あらゆるオタク的事象は、私の眼前から消し去られました。

    しかし、一度オタであることの味をしめた娘は
    隙を見つけてはお小遣いを握りしめアニ〇イトへ進撃する日々。

    そして隠す→見つかる→母激怒→反省したそぶりを見せる→許される→アニメ〇トへ
    の無限ループを繰り返します。

    私のオタク化(異形化)は禁止されればされるほど加速する一方でした。


    唯一母を黙らせる方法は、『勉強』している姿を見せることだったので、そちらの方面
    は頑張ったつもりです。このあたりは母の調教が成功しているように思えます。

    高校時代も陰湿なイジメを体験しつつも、心優しいオタク仲間と楽しく青春を謳歌し、
    親を納得させるため、無事現役で大学へ入学した私は、さっそくアルバイトを始めます。

    生まれて初めて「自分の意志で自由に使えるお金を手に入れた」のです。


    その金でさらにオタ化に歯止めがかからない状態へと進行しつつある私を母は
    気持ちが悪い」「理解できない」「失敗した
    どうしてこんな娘に育ってしまったのか…と嘆きました。

    私はそんな母を横目に、

    「なぜ放っておいてくれないの」
    「自分で稼いだ金で遊んでなにが悪いの」
    「別に犯罪に手を染めているわけでもなしに、なぜそんな誹りを受けねばならないのか」

    こんなに素晴らしい文化をなぜ理解してくれないんだ!
    という気持ちが湧きあがるようになりました。

    これは単に「甘え」だと思います。理解してよぅ!と泣きわめくのはただのガキです。
    いい歳して親のすねをかじって生かせてもらっている以上、親の言う事を聴き入れる
    のは義務ですよ。

    しかし、私は母が韓国ドラマを見る時
    「きっと母がハマるぐらいだから、どこかしら良い点や面白いところがあるのだろう」
    と思い、むしろ微笑ましく母の姿を眺めていました。

    自分の萎えは誰かの萌え

    母の幸せのカタチ、私の幸せのカタチがただ違うだけなのだ
    ――そのことを母は何故分かってくれないのか。

    「アニメ」や「マンガ」を見ているだけでなぜ「気持ちが悪い」と
    言われなければならないのか。

    甘え、尊大な自尊心、そして自我の目覚め。密やかな反抗。自立への意欲―――

    こいつぁ思春期をこじらせていますね。こっぱずかしい///
    でも書かずにはいられない!不思議!
    私はドMなのでしょうか。たぶんドSに憧れるドMでしょうね!



    その一方で
    何事も卒なくこなしてしまう母を誰よりも尊敬している私は、
    母の発言は世間一般の意見を代表しているはずだ」とも考えていました。

    きっと一般の人は「オタク」を見て「気持ち悪い」「理解できない」「しね」と
    思っているに違いない、と。

    なぜ私は、普通の女子になれなかったのか。
    なぜ私は、母の言うところの「異形」になってしまったのか。

    小学生の頃の私が、すでに成人した私の中で幾度も嘲笑してきます。
    「今のアナタは わたしがなりたかった  大人 ではないよ」 と。

    休日は友達や彼氏とカラオケに行ったり、ショッピングモールで遊んだり、
    スイーツパラダイスで思い切り食べたり、映画やネズミの国で満たされる。

    そんな別の幸せのカタチをなぜ優先的に選べなかったのか。

    もちろん両立は可能でしょう。
    現代のオタクの方々は往々にして「リア充」と「オタ充」の世界を横断して生きている
    ように思います。二つの顔を持っているとでもいいましょうか。
    異なる二面性が日常生活をより輝かせているように思います。

    私も、おこがましいことですが、割と“両立”してきた方だと自負しています。
    隠すときは隠すし、見せるときは見せる。


    ただ、友達と服を買いにいくときに
    「うわ、高いな。このアウター1枚で一体何冊の同人誌が買えると思ってんだ!!」
    「Tシャツだけでボカロコンピアルバムが2枚買える…だと…!?」
    と脳内で計算してしまいますし、

    逆に
    「このコスプレ衣装は丁寧につくってある…!セットで2万か。安いほうだわ」
    「7ページしかないコピ本だけど、この人が描いているんだから800円は出せる」
    と一般人の金銭感覚ではないことが多々あります。


    一番心にひっかかるのは母の存在。そこから派生する
    「真っ当に育ててくれたにも関わらず、気持ちの悪い存在に成り果ててしまった私自身」
    に対する激しい自己嫌悪です。

    心のどこかでずっと、肩身の狭さや息苦しさ、申し訳なさを感じながら生活しているの
    かもしれません。

    つい最近そんな母と娘の不満が互いに衝突しあう出来事がありました。
    『世界ボーカロイド大会』への参加、そしてコスプレデビューです。

    母は言います。
    「アンタ、最近ほんとうに頭おかしいよ。
            ちょっと方向性が違うんじゃない?」


    私は呟きます。
      「方向性?なんの方向性だよ!!」と。


    このやりとりが母娘の溝を深める決定的な契機となりました。
    大人になった私と母の間に横たわる溝を乗り越えるための選択肢は2つです。

    私が母に理性的な説明をした上で一定の理解を求め、一緒に暮らす、共存
    もう母なんかどうでもいいじゃないか。我が道を行こう、独りで生きていく、別離


    小学生の頃の私が現在の私をあざ笑うと先述しました。
    そういう時は決まって

    「あの時なりたかった大人にはなれなかったけど、今すごく楽しいよ?」

    と、言い返すことにしています。

    たまに哀しくなりますが、オタクであることに後悔はほとんどないのです。

    今の自分が好きになれそうな場所まで、ようやく到達できた喜びを
    昔のいじめられてしょげていた自分に見て欲しい。

    だから私にも日本文化を愛するオタクとしての自尊心があります。
    韓流好きのマツコデラックスに負けてなるものか。いや、どこの国の文化にハマるとか
    そういうのは別に各個人の自由で良いのだけど。

    ただ私が私らしく生きる権利を獲得したいだけなのです。
    厚顔無恥だと自覚していますが、そろそろ自己肯定をして、生きていきたいのです。


    そこで私は、母に提案しました。

    昔の「真剣10代しゃべり場」みたいに、直接本音でお互いをぶつけ合ってみよう、と。

    今までお互いに避けてきた話題です。家庭内の和を乱さないために、あえて遠回り
    して築きあげてきた妥協点をぶっ壊す作業なので、どうなるのか分かりません。

    かくして「ありとあらゆるオタク的事象を憎む母」と「ヲタの娘」の本音バトルは
    幕を開けました。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    戦いの舞台は、一泊二日の『伊勢志摩』旅行。
    あえて非日常の中で、丸2日かけて争ってみようというわけです。


    戦いの末に何が見えたか―― は次回。
    誰も得しない結末が待っていました

  • 『第00回 世界ボーカロイド大会』にぼっちで参加してみた⑨フィナーレ。さらばつま恋、ボカコンよ永遠なれ

    2013-08-25 15:522
    ぴんぽんぱんぽーん♪
    ※世界ボーカロイド大会は2013年6月8日(土)〜9日(日)に開催されたイベントです

    ……いろいろ遅すぎるだろ!!!!!!

    そうなのです、もうかれこれ2か月以上前の出来事なのです。
    今更感満載でお届けしてきた、ボカコンぼっち参加レポートも今回でようやくフィナーレ。

    今回は閉会式の様子、そして全体を通して感じた個人的な感想などをつらつらと
    お伝えしていきます。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    いよいよ、閉会式。会場に行く前に、名残惜しかったので祭壇を拝みにゆきました。


    ま だ 増 え て い る


    伝説の「文楽ネギ」もお供えしてある。このネギがあの感動を呼び覚まします。


    閉会式。

    2日間参加された方々が既に大勢集まって、その時を今か今かと待っておられます。
    中には若干お疲れモードの方もいらっしゃったと思います。
    それだけ楽しみつくした!ということでしょう。

    各イベントの主催の方がどんなイベントだったか、そして最後に挨拶をしていきます。
    私が参加したイベントがすべてじゃなかったんだ、と改めてボカコンコンテンツの
    奥深さを実感させられました。
    出来れば全部の催しに参加したかったなぁ…(´・ω・`)
    一日30時間ぐらい欲しいわ、と思ったのは大学の卒論を書いた時以来です。


    (※プライバシー保護の為に目隠ししておりますが、犯罪をおかした方々ではありません むしろ英雄です)

    なんだか、皆さんいい笑顔。
    「2日間やりきってやったぜ(ドヤァ…」
    「これが大人が本気出して“遊ぶ”ってことだ!」
    という自負があらわれているような気がします。




    ―――素晴らしい2日間でした。
    運営に関わったすべての方に、参加者からは途切れることなく拍手がおくられていました。
    私も手のひらが腫れるぐらい叩いていた記憶があります。
    全力でありがとうを伝えたい。その一心でした。


    少しずつマスターの元に帰っていくミクさん、ルカさん達に一抹の寂しさを感じます。
    でもずーっと飾っておくわけにはいきませんよね。
    お祭りは終わりがあるから「お祭り」なのです。

    「ハレ」「ケ」「ケガレ」という概念が日本にはあります。
    「ケガレ」は言うまでもなく、色々な意味で喪の状態。
    「ケ」が日常。いつもの毎日です。

    「ハレ」は「晴れの舞台」「晴れの衣装」などで使われる「ハレ」
     
    そしてエネルギーが非常に活性化した「張れ」の状態も「ハレ」 らしい。
    つまりは非日常。テンションMAX!!な時間。

    ボカコンは日常空間から隔絶されていました。
    しかも深夜まで常時テンションMAXだった(レポ④MK-PNT参照)の私にとって、
    間違いなく「ハレ」の場だったと言えるでしょう。
    「つま恋リゾート」という会場の立地を鑑みても、やはり日常との隔絶を感じます。

    ただ誤解されがちですが、これはただ単に集団で「現実逃避」をするための集いでは
    決してなかったのです。

    むしろこの2日間は「ハレ」でありながら
    「ボーカロイドの過去と現在と未来をつなぐ為に、
                "現実"をじっくり見つめなおしてみようよ。」


    という試みだったのではないでしょうか。

    人形浄瑠璃というボーカロイド・MMDの過去の形態を実際に鑑賞し、
    アミッド、ポリッドスクリーンによるライブとMikulusという最新技術を体験し語り合い、
    ドイツ・アメリカとボーカロイドの現在・未来についてグローバルな視点をもって討論し、
    データを使用してボーカロイドの今を検証する。

    現実の「ボーカロイド」に関するブームメントや様々な事象と向き合うことで
    未来につなげる為の2日間だったのだと改めて断言できます。

    そして、ぼっちはかけがえのない
    (この言葉は使い古されすぎてあまり好きではないのですが、この表現しか思いつかない)
    「絆」というものを手に入れました。
    右も左も分からない、不穏分子になりかねない、この「一人でイベントに参加する女」を
    受け入れてくださり、最終的に歓迎して気軽に話しかけてくださった皆さんには本当に
    感謝の言葉しかありません。


    (『VOCALO CRITIQUE』編集長、兼ボカコン車掌さんの中村屋さんと イエーイ)


    後日談ですが、やはり運営様、そして既にお知り合い同士の参加者の皆さんは
    都まんじゅうって誰だよ!やべえよ、こいつ独りでくるらしいぞ、やべえよ
    どうしよう」「どうしよう」「知らない子…」「しかも女…?
    と開催前に戸惑いを隠せなかったそうで。
    そりゃそうだ。下手したらイベントの和を乱しかねない存在ですからね。

    ボカコンレポ①に書きましたが、参加して2か月以上たっても胸に突き刺さる
    「泳げない奴がプールでの練習すっ飛ばして、いきなり遠泳に挑戦するようなもの」
    という的確で強烈な一言。これに尽きるとおもいます。

    にも関わらず、人が人をつなぐように、私を色々な方に紹介してくださって、
    またその方々が他の知り合いを紹介してくださる、という幸せな連鎖反応によって、
    ぼっちは最終的に仲間の一人になれました。(だと思います。そうだったらいいなぁ)

    だって、参加前Twitterのフォロワー1桁だったんですよ!?今3桁だよ!?
    しかもほとんどボカコンで知り合った、顔見知りの方で構成されてるんだよ!?
    こんなの絶対おかしいよ!奇跡だよ!


    たくさんの点は線になって」「いくつもの線は円になって全て繋げてく
    という言葉を、私はボカコンを通して実際に体験することができたように思います。
    すべてはVOCALOIDという共通項があったからこそ。
    ボカロ好きで良かった、と、こんなにも強く感じたことはなかったです。

    せっかくこの「界隈」の仲間に入れて頂いたのですから、
    豆腐メンタル&超絶ネガティブな私なりに、これからは前向きに、ひたすら前向きに、
    前向きに!

    そして貪欲に、微力ながらボカロを大いに盛り上げるお手伝いができたらいいなと思います。


    さよなら、つま恋。ありがとう、ボカコン(*´・∀・)ノ゙


    ちなみに帰りのバスの中ではいたるところでこんな光景が


    DIVAやってるよ!!!!みんな元気だなオイ!!!眠くないのか!?

    なんというか、もう、ここまで突き抜けて楽しんだ後だと眠気がふっとんで
    アドレナリン出まくりなんでしょう。


    私は、自宅の場所の関係で一足お先に「海老名SA」で皆様とお別れすることに。
    両親が迎えに来るのを待ちます。
    その間にも「さよなら」ではなく「また会おう!」と声を掛けてくださる皆さんに
    涙涙でした。
    (そして実際に、かなりの頻度で会うことになるのだった)



    だからさ、私のようなぼっちの人間勇気出していろんなイベントに
    思い切って飛び込んでみるといいんじゃないかな!?




    そして私をSAでピックアップしにやってきた両親+愛犬カンタくん。
    そこでまさかの母と運営様である隈元さんがエンカウント!焦る私!

    母ちゃん「うちの娘が大変お世話になりまして……何か変な事はしませんでしたでしょうか
    隈元さん「ものすごく楽しんで…すごくはっちゃけていましたよ…… 」

    あああああああああああああああああああ隈元さんあああああバラしたああああああ…


    帰りの車内、

    母「はっちゃけた、って、アンタ…何しでかしてきたの!!」
    私「い、いろいろと…皆さんにはお世話になって…め、迷惑は掛けてない、はず…」
     
     
     「あ、あと、これお土産です」



    母「ふーん……(疑心暗鬼の目を私に向ける)」

    父「ハハハハハ、どうだった?楽しかったか?」

    ―――「 うん、すごく楽しかった 」

    父「そうかー。よかったなー。若いって良いよなぁ(*´ω`*)」
    母「これからが心配(水を差す一言に定評のあるママン)」


    これからが心配と言われた私は、その後ボカロ関連イベントに出来る限り出没、
    その上、レイヤーとして覚醒することとなる……
    たった2か月の間になにがあったんだ……



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    同好の士とともにまるごとボカロ漬けになることのできる二日間
    『第00回 世界ボーカロイド大会』にぼっちで参加してみた。
    全レポート、これにて終了です。

    ここまでお付き合いくださり、本当に、本当にありがとうございました。
    読んで下さる方がいらっしゃらなければ、ツイッター等でコメントや反応を
    下さった方々がいらっしゃらなければ、2か月以上もかけて最後まで書ききる
    ことは不可能だったと思います。改めて感謝申し上げます。


    ネーミング通り、今回は
    『第00回 世界ボーカロイド大会』のレポートでした

    古くは1962年(昭和37年)5月に東京の目黒で第1回大会(MEG-CON)が開かれて以来、
    何度か存続の危機を迎えながらも毎年開催されている『SF大会』

    1975年12月21日、漫画批評集団「迷宮」が実質的な主催の下、東京・虎の門の
    日本消防会館会議室において参加サークル32、参加者約700名で開催された
    C1(第1回)コミックマーケット――

    ここで1960年代の大きな前衛芸術運動であるフルクサスに触れるのは場違いかも
    しれませんが、フルクサスだって「第00回」にあたる契機があったはずです。

    いまや「大きなお祭り」となっているような、これらのムーブメントも始めは
    プロトタイプとなるイベントがなければ永続性が得られなかった……。

    そう考えるとこの『第00回 世界ボーカロイド大会』の終わりは、新たなスタート
    とも捉えることができるでしょう。

    『ハリーポッターと炎のゴブレット』の最終章だってタイトルは
     ”The Beginning(始まり)” だったフォイフォイ。



    このような素晴らしいイベントを企画・運営してくださった全ての方々、
    ボカコン内での様々なコンテンツを企画・運営してくださった全ての方々に

    39!!!!!!!(さんきゅー!)

    ―――そして最後に、

      『第01回 世界ボーカロイド大会』全裸待機なう!
     
     
                       by 都まんじゅう