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  • 【第369号】『タクティクスオウガ』と理想と現実

    2022-11-30 07:009時間前
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    マクガイヤーチャンネル 第369号 2022/11/30
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    おはようございます。マクガイヤーです。

    前回の放送「『タクティクスオウガ』とゲームクリエイター松野泰己」は如何だってでしょうか?

    『タクティクスオウガ』の魅力から、クリエイターとして理想と現実に引き裂かれ続ける松野泰己まで、きっちりと話すことができ、満足しております。

    それぞれの立場から『タクティクスオウガ』について語って頂いたナオトさんとひとみさんにも感謝です。



    マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



    〇12月12日(月)19時~「一体いつからオサレ漫画じゃないと錯覚していた?『千年血戦篇』アニメ化記念『BLEACH』特集」

    10月よりアニメ『BLEACH 千年血戦篇』が放送されています。『千年血戦篇』は『BLEACH』の最終エピソードなわけですが、2022年のいま映像化されることに、驚きを禁じえません。

    『BLEACH』は週刊少年ジャンプで2001~2016年に連載されていたわけですが、連載終了から8年、アニメ終了から10年経ったいま、しっかりと完結編がアニメ化されたわけです。

    それだけ人気も影響力もある作品だということを証明した形になっているわけですが、実際、ジャンプの大看板作品である『ONE PIECE』よりも『BLEACH』の方が真似しやすい……影響力の高い作品なのではないかと思います。

    そこで、『BLEACH』について解説しつつ魅力を紹介するような放送を行います。

    ゲストとして自分よりも『BLEACH』に詳しい舞台女優の桜木ゆいさん(https://twitter.com/sakuramauyoru)と、メカデザイナー回も好評だったお友達の虹野ういろうさん(https://twitter.com/Willow2nd)をお迎えしてお送り致します。



    〇12月25日(日)19時~「『マッドゴッド』とストップモーションアニメ特集」

    12月2日より映画『マッドゴッド』が公開されます。フィル・ティペットが約30年を経て完成させたストップモーションアニメ映画で、ティペットの狂気と執念がつぎ込まれた作品であることは想像に難くないです。

    振り返れば、『JUNK HEAD』『PUI PUI モルカー』『ウェンデルとワイルド』と、ここ数年でストップモーションアニメの大作・話題作が次々と発表されています。3DCGの登場でストップモーションアニメが絶滅するといわれていた頃が嘘のようです。

    そこでストップモーションアニメの歴史と魅力、個々の推し作品について解説するような放送を行います。

    ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)と編集者のキリグラフこと瀬川卓司さん(https://twitter.com/killigraph)をお迎えしてお迎えしてお送り致します。



    〇1月9日(月)19時~「Dr.マクガイヤーのオタ新年会2023」

    例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」。

    2022年は番組編成の都合上開催無しとなりましたが、代わりに新年会を行います。

    例年の忘年会と同じく、2022年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくる予定です。

    ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。



    ちなみに過去の忘年会動画はこちらになります。

    2021年

    2020年

    2019年




    〇1月22日(日)19時~「『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』と『仮面ライダーBLACK SUN』:東映特撮の新しい夜明け、あるいは黄昏」

    2022年は特撮がアツい年でした。

    中でも、東映特撮の暴れっぷりは目覚ましく、「スーパー戦隊」というジャンルを破壊し再生しようという勢いの『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』『シン・ウルトラマン』と同じく特撮の歴史に残るのではないでしょうか。

    もう一つ、賛否両論ですが『仮面ライダーBLACK SUN』もネット配信でしかできないことをやりきり、特撮の歴史に残るのだと思います。

    歴史の節目にいる、というかこんなお祭りに居合わせることなんて、めったにありません。

    そこで、『ドンブラザーズ』と『BLACK SUN』の魅力について語るような放送を行います。

    ゲストとしてお友達のナオトさん(https://twitter.com/Triumph_march)をお迎えしてお送り致します。



    〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

    当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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    また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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    合わせてお楽しみ下さい。





    さて本日のブロマガですが、『タクティクスオウガ』と松野泰己について、改めて文章でまとめさせて下さい。



    ●――駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚――『タクティクスオウガ』の何が凄かったのか


    『タクティクスオウガ』は今から27年前、1995年の10月に発売されました。

    『ファイナルファンタジーVI』は前年である94年4月、『ドラゴンクエストVI 幻の大地』は2ヶ月後の95年12月に発売されたわけですが、今となっては『タクティクスオウガ』をプレイした記憶の方が強く印象に残っています。あまりにも印象的すぎて、というかショックを受けて、以後しばらくの間、松野泰己が参加したゲームを追い続ける「松野信者」になってしまいました。

    それだけ完成度の高いゲームだったということなのですが、具体的に書けば、当時のスーパーファミコンのゲームとしては、システムとストーリーの作り込みが圧倒的だったのですよ。


    まずシステムですが、

    ・1ユニットをタコ殴りできるターン制ではなく、一手の重みが響くウェイト制

    ・レゴにも通じるクオータービューで共通パーツを置くことで作り込んだグラフィックの魅力

    ・RPGとして面白味のあるクラス(職業)とクラスチェンジによるキャラメイク

    ・洗練されたインターフェイスとチュートリアル

    ……と、当時のシミュレーションRPG(SRPG)としては異様に高い完成度でした。完成度が高すぎて、以後、まるで『タクティクスオウガ』のようなゲームを「タクティクスRPG」と呼び、1ジャンルとしてしまうほどの影響力がありました。シリーズ化されたものとしては『サモンナイト』や日本一ソフトウェアのSRPG、近作では『GOD WARS』『トライアングルストラテジー』などが明らかに影響を受けている作品たちといえるでしょう。


    ストーリーは、ガッツリ民族紛争をテーマとしています。当時、テレビではユーゴスラビア紛争が盛んに報道されており、世界観のモデルというかモチーフの一つである――ということは松野自身がインタビューで言及しています(https://dengekionline.com/elem/000/000/336/336146/index-2.html)。富野が『Vガンダム』を作ったように、当時「戦争」を題材にする人間はユーゴスラビア紛争を無視できなかったわけです。「民族浄化」は当時のボスニア政府とPR契約を結んでいたアメリカの広告代理店が、「ホロコースト」の代わりに使い出した言葉であることは『ドキュメント 戦争広告代理店』で有名になりました。


    一方で、直接的なモデルではなくあくまでモチーフの一つ(動画などで)と松野が強調したくなる気持ちも分かります。より普遍的な「戦争」について描こうという努力に満ちているからです。




    以下ネタバレ

     
  • 今後の放送予定

    2022-11-23 07:00
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    マクガイヤーチャンネル 2022/11/23
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    おはようございます。マクガイヤーです。

    前回の放送「『すずめの戸締まり』と新海誠の挑戦」は如何だったでしょうか?

    遂に国民的映画作家になってしまった新海誠について2時間きっちりお話しすることができ、満足しております。

    次回は本日11/23放送になります。果たして準備は間に合うのか!



    本日のブロマガはお知らせのみとなります。



    〇11月23日(水)19時~「『タクティクスオウガ』とゲームクリエイター松野泰己」

    11/11にシミュレーションロールプレイングゲーム『タクティクスオウガ リボーン』が発売されます。1995年に発売されたスーパーファミコン用ゲーム『タクティクスオウガ』の二度目のリメイクです。

    『タクティクスオウガ』といえば、約30年経った現在ではスーパーファミコン最高のソフト(の一つ)、シミュレーションRPGの名作として確固とした評価を得ています。当時20歳だった自分も前作『伝説のオウガバトル』と合わせて、興奮してプレイしたことを覚えています。

    一方で、『タクティクスオウガ』のディレクターである松野泰己は明らかにゲームクリエイターとして天才ですが、スクウェアに移籍後は波乱万丈なキャリアを積むことになりました。かつて「松野信者」であった自分は、松野泰己の現在に複雑な思いを抱いたりもします。

    そこで、『タクティクスオウガ』とゲームクリエイターとして松野泰己について語るようなニコ生を行います。

    ゲストとしてお友達のナオトさん(https://twitter.com/Triumph_march)とひとみさん(https://twitter.com/hetoldme_m)をお迎えしてお送り致します。



    〇12月12日(月)19時~「一体いつからオサレ漫画じゃないと錯覚していた?『千年血戦篇』アニメ化記念『BLEACH』特集」

    10月よりアニメ『BLEACH 千年血戦篇』が放送されています。『千年血戦篇』は『BLEACH』の最終エピソードなわけですが、2022年のいま映像化されることに、驚きを禁じえません。

    『BLEACH』は週刊少年ジャンプで2001~2016年に連載されていたわけですが、連載終了から8年、アニメ終了から10年経ったいま、しっかりと完結編がアニメ化されたわけです。

    それだけ人気も影響力もある作品だということを証明した形になっているわけですが、実際、ジャンプの大看板作品である『ONE PIECE』よりも『BLEACH』の方が真似しやすい……影響力の高い作品なのではないかと思います。

    そこで、『BLEACH』について解説しつつ魅力を紹介するような放送を行います。

    ゲストとして自分よりも『BLEACH』に詳しい舞台女優の桜木ゆいさん(https://twitter.com/sakuramauyoru)と、メカデザイナー回も好評だったお友達の虹野ういろうさん(https://twitter.com/Willow2nd)をお迎えしてお送り致します。



    〇12月25日(日)19時~「『マッドゴッド』とストップモーションアニメ特集」

    12月2日より映画『マッドゴッド』が公開されます。フィル・ティペットが約30年を経て完成させたストップモーションアニメ映画で、ティペットの狂気と執念がつぎ込まれた作品であることは想像に難くないです。

    振り返れば、『JUNK HEAD』『PUI PUI モルカー』『ウェンデルとワイルド』と、ここ数年でストップモーションアニメの大作・話題作が次々と発表されています。3DCGの登場でストップモーションアニメが絶滅するといわれていた頃が嘘のようです。

    そこでストップモーションアニメの歴史と魅力、個々の推し作品について解説するような放送を行います。

    ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)と編集者のキリグラフこと瀬川卓司さん(https://twitter.com/killigraph)をお送り致します。



    〇1月9日(月)19時~「Dr.マクガイヤーのオタ新年会2023」

    例年お楽しみ頂いている「オタ忘年会」。

    2022年は番組編成の都合上開催無しとなりましたが、代わりに新年会を行います。

    例年の忘年会と同じく、2022年に語り残したオタク的トピックスやアイテムについて独断と偏見で語りまくる予定です。

    ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。



    〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

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    マクガイヤーチャンネル 2022/11/23
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  • 【第368号】『すずめの戸締まり』と国民的シャーマン新海誠

    2022-11-16 07:00
    220pt
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    マクガイヤーチャンネル 第368号 2022/11/16
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    おはようございます。マクガイヤーです。

    先週は忙しすぎて、まだ『仮面ライダーBLACK SUN』を観られていません。

    同じ日にMCUと新海誠アニメが公開されて、『タクティクスオウガ』が発売されたので、致し方なしです。

    来週のニコ生が終わってからになるかなー。



    マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



    〇11月21日(月)19時~「『すずめの戸締まり』と新海誠の挑戦」

    11/11より『すずめの戸締まり』が公開されます。歴史的大ヒットをした『君の名は。』『天気の子』に続き、新海誠が監督・脚本を務めるアニメーション映画です。

    これまで当チャンネルでは「セカイ系」「新しい貧困」「童貞」「女の子大好き芸人」といったキーワードで新海誠作品を読み解いてきましたが、久しぶりの女性単独主人公、更にロードムービーと、直近二作とは趣が異なるようです。また、「『魔女の宅急便』の影響を強く受けた要素がある」というコメントも気になります。

    そこで、『すずめの戸締まり』と新海誠のフィルモグラフィーについて語るようなニコ生を行います。

    ゲストとして編集者のしまさん(https://twitter.com/shimashima90pun)をお迎えしてお送り致します。



    〇11月23日(水)19時~「『タクティクスオウガ』とゲームクリエイター松野泰己」

    11/11にシミュレーションロールプレイングゲーム『タクティクスオウガ リボーン』が発売されます。1995年に発売されたスーパーファミコン用ゲーム『タクティクスオウガ』の二度目のリメイクです。

    『タクティクスオウガ』といえば、約30年経った現在ではスーパーファミコン最高のソフト(の一つ)、シミュレーションRPGの名作として確固とした評価を得ています。当時20歳だった自分も前作『伝説のオウガバトル』と合わせて、興奮してプレイしたことを覚えています。

    一方で、『タクティクスオウガ』のディレクターである松野泰己は明らかにゲームクリエイターとして天才ですが、スクウェアに移籍後は波乱万丈なキャリアを積むことになりました。かつて「松野信者」であった自分は、松野泰己の現在に複雑な思いを抱いたりもします。

    そこで、『タクティクスオウガ』とゲームクリエイターとして松野泰己について語るようなニコ生を行います。

    ゲストとしてお友達のナオトさん(https://twitter.com/Triumph_march)とひとみさん(https://twitter.com/hetoldme_m)をお迎えしてお送り致します。



    〇12月12日(月)19時~「一体いつからオサレ漫画じゃないと錯覚していた?『千年血戦篇』アニメ化記念『BLEACH』特集」

    10月よりアニメ『BLEACH 千年血戦篇』が放送されています。『千年血戦篇』は『BLEACH』の最終エピソードなわけですが、2022年のいま映像化されることに、驚きを禁じえません。

    『BLEACH』は週刊少年ジャンプで2001~2016年に連載されていたわけですが、連載終了から8年、アニメ終了から10年経ったいま、しっかりと完結編がアニメ化されたわけです。

    それだけ人気も影響力もある作品だということを証明した形になっているわけですが、実際、ジャンプの大看板作品である『ONE PIECE』よりも『BLEACH』の方が真似しやすい……影響力の高い作品なのではないかと思います。

    そこで、『BLEACH』について解説しつつ魅力を紹介するような放送を行います。

    ゲストとして自分よりも『BLEACH』に詳しい舞台女優の桜木ゆいさん(https://twitter.com/sakuramauyoru)と、メカデザイナー回も好評だったお友達の虹野ういろうさん(https://twitter.com/Willow2nd)をお迎えしてお送り致します。



    〇12月25日(日)19時~「『マッドゴッド』とストップモーションアニメ特集」

    12月2日より映画『マッドゴッド』が公開されます。フィル・ティペットが約30年を経て完成させたストップモーションアニメ映画で、ティペットの狂気と執念がつぎ込まれた作品であることは想像に難くないです。

    振り返れば、『JUNK HEAD』『PUI PUI モルカー』『ウェンデルとワイルド』と、ここ数年でストップモーションアニメの大作・話題作が次々と発表されています。3DCGの登場でストップモーションアニメが絶滅するといわれていた頃が嘘のようです。

    そこでストップモーションアニメの歴史と魅力、個々の推し作品について解説するような放送を行います。

    ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)と編集者のキリグラフこと瀬川卓司さん(https://twitter.com/killigraph)をお迎えしてお送り致します。



    〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

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    また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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    合わせてお楽しみ下さい。





    さて本日のブロマガですが、先週公開された『すずめの戸締まり』について書かせて下さい。


    ●また可愛いJKが世界救う話なんだろう?

    『すずめの戸締まり』を観たのですが、意外なことに傑作でした。

    正直な話、これまでの新海誠作品は、出来の良さを認めつつも、童貞の妄想話的な嘲りの視点で観ていました。東宝としっかり組んで、日本映画史に残る興行収入を記録した『君の名は。』『天気の子』も同様です。

    今回の『すずめの戸締まり』も、「また可愛いJKが世界救う話なんだろう?」


    しかし実際観てみると、これまでの新海誠作品でどうしても鼻についた主人公の心の声によるナレーションはほとんど無くなり、童貞の妄想話のような失恋ラブストーリーは添え物のようになり、RADWIMPSの歌詞と映像のシンクロで強制的に盛り上げる手法は禁じ手とされ、エロゲ―における顔を髪の毛で隠した主人公のように名無しの存在だった主人公はしっかりと家族やこれまでの人生の背景が描かれ、新海誠が得意とする日常描写はロードムービーである本作で日本全国における市井の人々の生活を描くと共にその意味合いが物語的なクライマックスに至るに連れてに収束するという、およそ考えられる限り最大限の効果を発揮します。もう主人公は電車に乗らず(最後に電車に乗るのは草太の方です)、カーステレオから流れるのはよりによって劣化した『ルージュの伝言』をはじめとする懐メロで、中盤で最悪な状況に陥った主人公は自らの意思と選択でハッピーエンドを選ぶ黄金の三幕構成をとり、力強いメッセージを発します。新海誠作品には珍しい女性主人公という理由もあるのでしょうが、高い完成度と(特に『君の名は。』以降)新海誠がどうしても描きたかったテーマが両立しています。


    そればかりか、この映画が扱ったそのテーマ故に、新海誠はそう遠くない将来に国民的映画作家に位置づけられることが確定したと思うのですよ。



    以下ネタバレ。