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記事 49件
  • マクガイヤーチャンネル 第91号 【科学で映画を楽しむ法 第2回:『コンテイジョン』――科学的正確さと映画的面白さの両立―― その1】

    2016-10-31 07:00  
    さて、今回のブロマガですが、今回こそ「科学で映画を楽しむ法」第2回として『コンテイジョン』について書かせて下さい。
    科学的正しさは映画的面白さと対立する――そう考えられがちです。
    例えば『スター・ウォーズ』では、真空のはずの宇宙空間で、宇宙船の推進音やビームの発射音や爆発音が鳴り響きます。無重力である筈の宇宙空間なのにきっちり上下が決まっていたり、ファルコン号にもX-ウイングにも回転部が無いにも関わらず艦内にはきっちり重力が発生していたりします(スター・ウォーズ世界に「重力井戸」の設定ができたのは旧三部作完結後の1989年です)。
    これは、『スター・ウォーズ』が科学的裏づけに支えられたハードなSF映画ではなく、片手に剣、片手に美女でカッチョ良い宇宙船に乗って銀河を又にかけて冒険しまくるというスペースオペラを映画で実現しようという作品だったからです。『スター・ウォーズ』は科学的正しさよりも、『フラッシュ・ゴードン』のようなスペースオペラ的爽快感や格好よさを重視する映画でした。
    仮に『スター・ウォーズ』の宇宙シーンを無音にしたら、面白さは半減してしまうでしょう。
    例えば『シン・ゴジラ』は、政治的手続きや自衛隊の作戦行動についてはリアリティ溢れる映画です。しかし、作中に出現するゴジラは(他作品のゴジラと同じく)生物学的にありえない存在です。「上陸したら自重で歩けない」どころか骨折してしまうだろうし、エネルギーを得るために共生している細菌は元々どこに棲んでいたのか、そもそも「まるで進化だ!」と呼んでいるあの形態変化は変態なのか「進化」なのか……
    しかし、映画の面白さという観点でいえば、日本にありえない危機をもたらすための、生物学的にありえないゴジラこそが正しいのです。ゴジラが生物学的に「比較的ありえる」存在だったエメリッヒ版『GODZILLA』がどれだけつまらなかったか。ゴジラが普通のビルより小さく、ミサイルで倒される存在だったら、あれほど面白くはならなかったでしょう。
    多くの映画では、映画的面白さを優先するために、科学的正しさを犠牲にします。当然です。現実ではありえないことを描けることこそが、映画の利点なのですから。
    しかし、これはリアリティを犠牲にするという意味ではありません。
  • マクガイヤーチャンネル 第88号 【オートファジーとトリコと基礎研究の大切さについて 】

    2016-10-10 07:00  
    おはようございます。ついこの前まで大隅良典先生をみるとセーラー服おじさんこと小林秀章さんを連想する人もいるのかなーなんて思ってたマクガイヤーです。
    でも、これからは違いますね! なにせノーベル賞ですよノーベル賞。安部首相でなくても「日本の誇り!」と興奮してしまいます。
    今回こそ「科学で映画を楽しむ法」第2回として『コンテイジョン』の解説をしようかと考えていたのですが、こんな機会めったにないので、オートファジーについて解説させてください。
  • マクガイヤーチャンネル 第87号 【「自業自得でない人工透析患者とは」どんな人か?】

    2016-10-03 07:00  
    元フジテレビアナウンサーの長谷川豊さんが、
    「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」
    http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/archives/48479701.html
    というタイトルのブログを書き、盛大に炎上しています。
  • マクガイヤーチャンネル 第85号 【科学で映画を楽しむ法 第1回:『コンタクト』――なぜジョディ・フォスターは小保方さん化するのか?――】

    2016-09-19 07:00  
    220pt
    さて、今回のブロマガから不定期で『Dr.マクガイヤーの科学で映画を楽しむ法』という連載を始めようかと思います。 これまでニコ生で『オデッセイ』や『ゼロ・グラビティ』や『ジュラシック・パーク』といった映画を科学的に解説する番組を放送してきましたが、同じようなことをブロマガでやって欲しいというリクエストを頂いておりました。 「科学」という視点から解説することで、皆が気づいていない映画の面白さについて語る。あるいは、一般的につまらない映画も、「科学」という視点から解説することで新しい魅力が出る。その逆に、一般的には秀作や傑作とされている映画も、「科学」という視点からみると、大きな欠点や問題点がある……みたいなことをやってきたわけですが、自分が思う以上に好評だったので、嬉しく思っています。 ただ、いつもそのような映画が新作として公開されているわけではありません。毎回毎回、その時々の新作映画で同じようなことをするのは難しいのです。そこで、過去作を取り上げて語ることになります。 取り上げる作品はいずれも公開後少なくとも数年は経った映画になります。ネタバレ前提の解説になりますが、本当に重大なネタバレの前にはきちんと「ここからネタバレ」と書きますので、ご安心下さい。
  • マクガイヤーチャンネル 第73号 【草薙素子の口説き方】

    2016-06-27 07:00  
    220pt
    おはようございます。 遂に『仮面ライダー アマゾンズ』が最終回を迎えて、呆けたようになっているマクガイヤーです。 来年の春から第二シーズンが始まるらしいのですが、正直待ちきれないです。こんなにアマゾンズのことが気になるなんて……く、くやしい! さて、先週の木曜日に山田玲司チャンネルにゲスト出演致しました。 いつもどおり前半無料部分がニコ動にアップされています。 更に、先生の御厚意で、マクガイヤーチャンネル入会者も後半有料分を観ることができます。
    http://www.nicovideo.jp/watch/1466716110
    また、山田先生もゲストでマクガイヤーチャンネルに出演してくれる予定です。
    現在、日程を調整中です。
    さて、今回のブロマガですが、山田先生のニコ生でも話題にした映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』について話題にさせて下さい。
    や、おっくんこと奥野さんに「草薙素子の口説き方を考えてきて下さい!」と連絡された時は戸惑ったのですが、結構盛り上がりましたね!
    自分がこの映画を観たのは、ガメラ3の渋谷炎上で有名な、今は無き渋谷の東急文化会館でした。
    これまた今は無き東京国際ファンタスティック映画祭にて、一般公開よりも早く上映されたのです。
    『機動警察パトレイバー the Movie』にて押井守にハマり、すっかり一匹のオシイストになっていた自分が、一足早く観られるこのチャンスを逃すわけがありません。チケットぴあにてしっかりチケットをゲットし、期待に膨らむ胸で劇場に駆けつけました。舞台挨拶で出てきた大塚明夫のダンディーさと、押井守の声の小ささに驚いたことを今でも覚えています。
  • マクガイヤーチャンネル 第72号 【Tシャツとワレカラと私】

    2016-06-20 07:00  
    220pt
    おはようございます。マクガイヤーです。
    久しぶりにFallout4を再開したのですが、やはり面白いです。
    このままサクっとクリアして、スパロボOGに備えたいところです。
    さて、前回の放送でもお話したのですが、 今週6/22(水)20時から山田玲司チャンネルにゲスト出演致します。
    『攻殻機動隊』と押井守について喋ることになると思います。
    マクガイヤーチャンネルと同じく、前半1時間は無料ですので、是非ご覧下さい
    傷痕……じゃなかった、爪痕を残してくるぞ!
    ……で、今回のブロマガですが、ここで販売しているオリジナルTシャツについて語らせて下さい。
    なにを隠そう、自分はTシャツが大好きなわけですよ。
    Facebookなんかやってると、「大人の男がTシャツなんてイタイ」とか「アラフォーでTシャツなんで恥ずかしい」なんてコピーをつけたサイトのリンクが回ってきたりするわけです。で、友人が「いいね!」をつけたりシェアしたりするわけですね。
    そういうのをみると、もう溜息もでません。
  • マクガイヤーチャンネル 第71号 【「腸管免疫と腸内フローラ」補講】

    2016-06-13 07:00  
    220pt
    こんにちは。マクガイヤーです。
    前回の放送「腸管免疫と腸内フローラ」は如何だったでしょうか?
    久しぶりの科学回だったのですが、評判が良くて嬉しいです。
    なるべく間を空けずにまた科学回をやりたいところです。
    さて、今回のブロマガですが、前回の放送「腸管免疫と腸内フローラ」の訂正というか付け足しというか、補講のようなことに書かせて下さい。
    もくじ
    ・腸内細菌のバランスについて
    ・ウシの腸内細菌について
    ・マクガイヤー流便秘解消法とおすすめ食材
    ・ラーメン二郎と下痢
    【腸内細菌のバランスについて】
    腸内フローラ中の細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類にざっくり分けて説明されることがあります。
    健康な人ではこれらの割合が善玉菌:約15~20%、悪玉菌:約10%、日和見菌:約70~75%になっていると言われています。
    善玉菌は醗酵・分解により食物繊維から乳酸や酪酸などを生成して身体に良い作用を示す菌、悪玉菌は二次胆汁酸やニトロソアミンなどの発がん物質(や発がん促進物質)を生成して身体に悪い作用を示す菌のことです。
  • マクガイヤーチャンネル 第61号 【何故風呂場でセックスするのか? あるいはスーパーマンの子孫存続に関する考察】

    2016-04-04 07:00  
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    こんにちは。放送が終わってほっと一息ついてるマクガイヤーです。
    まだ『Fallout4』をクリアしてないけど、『ファークライ プライマル』を買うべきかどうか悩んでおります。初回限定特典でマンモスに変身して大暴れできるってなんやねん! 気になりすぎるわ!!
    さて、今回のブロマガですが、前回のニコ生の補講っぽいことを書かせて下さい。
    放送でしっかりと言うのを忘れてしまったのですが、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は 実に「なう」が詰まっている――「いま」という時代を反映している――映画です。
    本作は『マン・オブ・スティール』の続編なのですが、『ダークナイト・リターンズ』でブルース・ウェイン少年がバットマンとして覚醒する有名なシーンをそのまま映像化した後、前作のクライマックスに続きます。スーパーマンとゾッド将軍がニューヨークで高層ビルをなぎ倒しつつドツき合うシーンです。
    あれだけビルが壊されたにも関わらず、『マン・オブ・スティール』では、まるで被害者など一人もいなかったような描写でした。しかし、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』では、やっぱり死人はいたのです。それもバットマンの知人――会社の部下が死んでいたのです……というシーンとして語りなおされます。今にも倒壊せんとするビルから沢山の人が逃げ出す中、部下を助けようと、人波に逆らって一人ビルに向かって走りだすシーンは、911にて倒壊せんとするWTCビルに向かって走り出す消防士たちの再現です。貧富の差を解消しようとテロを起こしてニューヨーク市民を殺したテロリストが悪なのか、長年中東の石油利権を握り続けてきたアメリカ政府が悪なのか、何が正義で何が悪なのか分からない世の中で、彼ら消防士たちは唯一「911に立ち向かったヒーロー」と呼ばれました。
    そんなヒーローが「1%も敵になる可能性があるなら、それは敵だ」という、まるきりドナルド・トランプのテロに対する主張みたいな台詞を口にして、スーパーマンを殺そうとするわけです。それも、クリプトナイトを盗んだり、と、全力で殺そうとします。
    廃墟となった町をうろつくブルースが、主人を失って彷徨う馬(ニューヨーク市警にはアメリカの都市の中でも最大級の騎馬部隊があります)をみつけるのもいい描写です。映画において馬というものは「高貴さ」、「自由」、「美」……そして「アメリカ」の象徴です。それらが失われてしまった――という意味なわけです。『ジャーヘッド』でも同じようなシーンがありましたね。
  • マクガイヤーチャンネル 第59号 【ヒロポンマグカップ】

    2016-03-21 07:00  
    220pt

    こんにちは。ペプシストロングエナジーがすっかりセブンイレブンから姿を消してしまい、明日から何を飲めば良いのか途方に暮れているマクガイヤーです。ペプシMAXといい、コカ・コーラ プラス ビタミンといい、自分の好きなコーラのフレーバーがすぐ販売中止になるのが悲しいです。
    ヒロポンマグカップをはじめとする番組オリジナルグッズも引き続き販売中です。
    マクガイヤーチャンネル物販部 : https://clubt.jp/shop/S0000051529.html
    で、今回のブロマガですが、 このヒロポンマグカップに関する一連の顛末というか、現状に至るまでについて書かせてください。
    先月の「最近のマクガイヤー」(2016年2月号)にて、空前のシャブブームにひっかけて合法だった時の覚醒剤――ヒロポンについて解説したわけですよ。
    今一度説明しますと、いわゆる覚醒剤とは、アンフェタミンとメタンフェタミンの2つを指します。メタンフェタミンの方がより強い興奮作用があり、「シャブ」や「エス」や「スピード」と呼ばれたり、過去に日本で「ヒロポン」や「ホスタミン」などの商品名で販売されたものに相当します。ちなみに、アンフェタミンは「ゼドリン」「アゴチン」「ソビリアン」といった商品名で販売されていたそうです。
  • マクガイヤーチャンネル 第55号 【質問コーナー 第4回】

    2016-02-22 07:00  
    220pt
    こんにちは。マクガイヤーです。
    前回の放送「ニコ生マクガイヤーゼミ 『オデッセイ』と火星で生き延びる方法」は如何だったでしょうか?
    「文芸と科学両面からの解説が面白い」「あのシーンはそういう意味だったとは」「映画が観たくなる」……と非常に評判が良く、嬉しい限りです。ただ、ネタバレもあるので、映画を観てから番組をご覧になった方がいいかもしれませんね。
    さて、今回のブロマガですが、第3回に引き続いて皆様からお寄せ頂いた質問に答えますよ。
    なお、質問文は内容を変えない範囲で一部加工している場合があります。
    ちなみに前回までの質問コーナーはこちら。
    ・質問コーナー 第1回
    ・質問コーナー 第2回
    ・質問コーナー第3回
    13. 『マッドマックス』を見るといつも思うのですが、ガソリンが不足している世界で、なぜアメ車で暴走するのでしょうか。
    燃費が極悪な上に運転も荒く、無駄なアイドリングどころか、激しく空ぶかしまでやっています。
    あれではどんどんガソリンが減っていきます。
    私だったらプリウスに乗って、発進もソーっとアクセルを踏むと思います。
    他にも『ミスト』等、少ないガソリンで遠くまで逃げなければいけない状況でもアメ車が使われていると「そうじゃないだろ!」といつも思ってしまいます。
    その点が気になって映画に集中できません。
    なるほどと思える解答があれば教えていただきたいのですが。