日米首脳会談 共同声明の全文を見るに、一般的文言は別とし、今後最大の懸案となる関税に関する言及はない。
この点に関しては次の報道がなされている。
「トランプ大統領は日米首脳会談後の共同記者会見で、貿易相手国が米国に課しているのと同率の関税を、相手国からの輸入品に課す相互関税の政策を導入する方針を表明した。詳細を来週に発表する。トランプ氏は米国が抱える巨額の貿易赤字を問題視しており、関税政策によって貿易赤字の解消を図る姿勢を鮮明にした。
米国の2024年の貿易統計(国際収支ベース、季節調整済み)によると、モノの輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1兆2117億ドル(約185兆円)の赤字だった。貿易赤字(通関ベース)の相手国・地域別では中国が2954億ドルと最大で、トランプ政権はすでに中国からの輸入品に10%の追加関税を発動した。
米国の貿易赤字で、日本は7番目に金額が多い。トランプ氏は会見で「慢性
孫崎享のつぶやき
日米首脳会談:共同声明には関税への言及はない。米国の貿易赤字で、日本は7番目に金額が多い。トランプは会見で「慢性的な貿易赤字は、米国経済を弱体化させる。日本との貿易赤字を解消するつもりだ」と明言。日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収に買収は心象的にも良くない」
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日米首脳会談と言っても、わずか30分であり、従来から相互確認されている内容を再確認したに過ぎない。共同声明というにはあまりにも新鮮な具体的内容がない。
初対面の首脳会談を成功させたいという日本側の事情を米国側が汲み取り、従来から確認されている内容で成功裏に終わったという演出に協力したということでしょう。
関税の問題は今後提示される。カナダ、メキシコなど迂回して輸出している自動車は米国内生産に移行する計画を早急に作成し、対応策を提示できるようにしなければならない。日本企業の宿題はこれからが本番であり、今回は具体的議論の俎上に乗らなかっただけで今後は厳しい交渉が待っているのでしょう。
Global Timesは、中国社会科学院日本研究所の孫家深研究員のコメントとして、石破-トランプ会談を次のように評した。「トランプ大統領の取引外交への譲歩」「米国の懐に入る動き」「日本の戦略的自主性を制限するものだ」
https://www.globaltimes.cn/page/202502/1328082.shtml
そうして見ると、十年一日のごとき拝米外交と言えるのだろう。とはいえ、かたやトランプは新思考外交のような新政策を、是非はともかく次々とぶちあげている。
しかし、そうしたこの間の一連のトランプ新外交の斬新さに比較すると、今回の日米共同声明には、十年一日のごとき古くさい印象を受けた。要するに、親分アメリカ帝国と子分日本という関係性の中で、国際情勢は多極化しているのに、相変わらず、アメリカ帝国の“懐“の中でしか、世界を見ていないカンジ。
中国や北朝鮮の脅威を強調しながら、日米同盟強化を唱えるスタイル。エマニュエル・トッドが言う「西洋の敗北」が事実なら、NATOですら解体する可能性を排除できないのに。
戦後80年、時代は確実に変化しているのに、相変わらず冷戦思考から抜け出ていない日本。少なくとも、トランプは冷戦思考ではないだろうに。
貿易赤字の拡大維持はパックスアメリカーナの基盤の政策なんです。これを関税で抑制しようとするわけですから、これまで発行し印刷し続けてきてきて累積したものは暴落するリスクは高まっていき長大なインフレとデフレが併存する未曽有の経済金融のカオスに直面しよう。トランプの側近に経済金融の専門家がいない。そんな不安定な政権と尾っぽを振って言葉を交わした石破氏は一体どういう計算があるのだろう。
トランプが日本に対して関税を敢えて言及しなかったのは使いものにならない武器を高値で買い取ってもらいたいからでしょう。石破氏もその気でいるようだ。彼は武器オタクでもありますから。
USステイールは日鉄にとってM&A対象であって単なる投資では意味がありません。単なる投資だったら、ハイテック業種になるでしょう。日鉄は財テックには関心を持つ筈はない。馬鹿にしないでほしい。
自由で開かれたインド太平洋:大日本帝国の夢もそうでした。インドのチャンドラ・ボーズが戦前東京に来て叫んでいました。そのキーとなるマラッカ海峡とフィリッピン海峡は前者は非同盟のアセアン、後者は中国人民解放軍が制海権を握っており、日米豪ニュジランドが束になっても取り戻すことは出来ません。お題目を唱えるのは自由だが、中国へのあてつけであり、これから仲良くしなくってはならい日本としては言うだけ野暮となるのです。
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