小堀宗慶著「(シベリアに)咲いた一輪の花」(『もう一輪の花』
宗慶 平成23年4月24日 89才
大正12年(1923)1月14日遠州茶道宗家11世小堀宗明の長男として生まれる。 東京美術学校(現東京芸術大学)在学中、学徒出陣にて満州に従軍。 終戦後シベリアで4年間の抑留生活を送る。昭和24年9月に復員、
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捕虜になって一年半も過ぎた頃、私は全く疲労困憊し、自分の身をどう処すればいいのか考えることもできず、自暴自棄に過ごす日々が続いていた。いつ終わるとも知れぬ極度の飢えと寒さと疲労が身をさいなみ、私の内から明日への希望を完全に消し去っていたのだ。
それは抑留生活二年目の雪解けて終わりを告げる。およそ八カ月にも及ぶ長期間、寒き苦しめられるのだが、その長くつらい冬が終わる兆しを見せる頃である。
ある日、なぜその花に目がいったのか分からない。何気なく見やった

小堀宗慶著「シベリアに咲いた一輪の花」(『もう一輪の花』、文芸社、捕虜になり一年半全く疲労困憊、自暴自棄に過ごす日々が続いてた。ある日一輪の花が突然、瞳を通してとびこんできた。こんな小さな草が零下40度の寒さを耐え抜いて、可憐な花を咲かせている。心の奥底から、強く確かな感情
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コメント
コメントを書く高校の受験時代に私を苛んだことはこの「生死」の本質である。
戦争で死ぬ人がいれば年齢に関係なく死ぬ人は死ぬという冷酷な現実の中でどのように生きればいいかという事である。自分の思うようには社会は動かない。私とは無関係に動いていく。私と社会は関係があるようで全くない。ここに話が出ているように、社会にクレームを言う人がいれば黙々と一生懸命働いている人がたくさんいる。四季は間違いなくやってくる。美しい姿を見せてくれる。社会にクレームを言う人が多いし自分も同じように流されるのを解決する手段は「我執」から距離を置くことしかないと考えた時代があった。
ただ、受験と会社生活の中で「我執」を取り去ることを目指すには退職まで遅れてしまった。
どのような道に進んでも、自分の行動の中で、周りを見渡すとき、「どうして」と考えても説明できないが、はっとすることは誰にもあることでしょう。
韓国ドラマでのことですが、冤罪による過酷な刑罰に服する者に「ポクソ(復讐)を常に考えろ」とアドバイスするシーンがよくあります。
でも、小堀宗慶さんのシベリア抑留は不条理極まりないことでやるせない気持ちだったでしょう。憤懣をぶつける先も無し。
北極圏に接する地域の冬の寒さは想像を絶する。そこに目立たぬ一輪の花が小堀宗慶さんを奮い立たせた。とてもいい話ですね。