A-1対外利払いで海外収益が食い尽くされる米国 貿易黒字が増加し続ける中国 武者陵司
強いドルを背景に対外債務を積み上げ、大幅な輸入で高水準の消費を続けるという米国1強の特権が続かなくなっている現状への焦りがにじむ。
米国経常収支の赤字拡大が続いている。コロナ・パンデミック直前2019年の4417億ドル(約6.3兆円)から24年には1.13兆ドルと2.5倍増となり、増加ペースに弾みがついている。
好調な消費を反映し貿易赤字の拡大に歯止めがかからない。
加えてデジタルサービスとともに大幅な黒字を稼いできた第1次所得収支(対外金融債権・債務から生じる利子・配当などの収支)が初めて赤字に転落した。金利の上昇により対外利払い費が大幅に増加し、米国企業の海外部門からの大幅な収益を全て食い尽くしてしまった。これにウクライナ支援による第2次所得収支(無償資金提供など)赤字の急拡大が加わった。
対GDP(国内総生産)比でみると、24年は3.5%と最悪期の06年の5.8%よりは小さい。しかし、当時と異なり米国の対外累積債務が急増している。06年の米国累積経常債務は5.97兆ドルに対して、24年末では16.27兆ドルとほぼ3倍増となっている。したがって金利がさらに上昇すれば利払い費が急増し、債務増加を加速させる。それは利払い増・債務増の悪循環を連想させ、ドル安・金利高(債券安)・株安のトリプル安を引き起こしかねない。
B-1 上記報道の検証GROK(英語)
米国の第一次所得収支が初めて赤字に陥ったという主張は、米国経済分析局(BEA)のデータによって裏付けられる。特に、BEAの米国国際取引に関する報告書は、具体的な証拠を提供しています。2024年第3四半期:BEAは、米国の経常収支赤字が3,109億ドルに拡大し、第一次所得収支が155億ドルの赤字を計上したと報告。これは、1960年以来のこの統計史上、第一次所得収支が赤字となった5回目であり、2四半期連続の赤字。
第一次所得の受取額は155億ドル減少して3,457億ドルとなり、支払額は38億ドル減少して3,612億ドルとなり、これが赤字につながった。
2024年年次データ:BEAは、2024年通年において、第一次所得収支が2023年の黒字から2024年には赤字に転じ、経常収支全体の赤字が2,282億ドル拡大したと指摘。この変化は、2024年が第一次所得収支の赤字化にとって重要な年であったことを示す。
歴史的背景:Haver Analyticsが分析したBEAのデータによると、1960年以降、基礎所得収支が赤字を記録したのはわずか5四半期のみであり、2024年第3四半期は155億ドルの赤字となり、過去最高を記録。これは、基礎所得収支が赤字に転じることの稀少性と重要性を浮き彫りに
これらのデータは、米国の第一次所得収支が2024年に赤字に転じたことを裏付け。これは、過去の黒字から大きく変化したものであり、これは収入の減少幅が支出の減少幅よりも大きかったことが要因です。詳細については、BEA(米国貿易統計局)の2024年第3四半期および第4四半期の米国国際取引に関する発表。
B-2:
この評価は、米国の国際収支における第一次所得収支(主に対外金融資産や負債から生じる利子・配当等の収支)が歴史的に黒字であったにもかかわらず、初めて赤字に転落したという重大な変化を指摘。
1. 評価の背景と意味第一次所得収支の赤字転落
米国は長年、対外資産(海外投資や債権)から得られる利子・配当収入が、対外負債に対する利払い費用を上回ることで、第一次所得収支は黒字を維持。この黒字は、米国の強力な金融市場やグローバル企業の収益力に支えられてきたもの。しかし、この評価によれば、金利の上昇により対外負債に対する利払い負担が増大し、米国企業の海外部門からの収益を上回った結果、収支が赤字に転じたとのこと。これは、米国の対外経済構造に構造的な変化が生じている可能性を示唆。
金利上昇の影響
米国の連邦準備制度(FRB)による金融引き締め(2022年以降の利上げ)により、米国債や企業債の利回りが上昇。これにより、米国の対外負債(特に外国が保有する米国債や企業債)に対する利払い費用が急増。一方で、米国企業の海外子会社や投資からの収益(配当や利子収入)は、金利上昇の恩恵を十分に受けられなかったか、または為替レートの変動や海外経済の減速により伸び悩んだ可能性。
米国企業の海外部門の収支
米国企業の海外子会社や投資からの収益は、第一次所得収支の主要なプラス要因。しかし、評価ではこれらの収益が「大幅」とされているにもかかわらず、対外利払い費の急増によって相殺され、赤字に転じたことが強調されています。これは、海外子会社の収益力が低下したか、利払い負担の増大が予想以上に大きかったことを示唆。
2. この評価の妥当性この評価の妥当性を判断するためには、具体的なデータや時期の確認が必要。以下は、評価を検証する上でのポイントです。データによる裏付け
日本の財務省や日本銀行の国際収支統計(例えば、)では、米国の経常収支や第一次所得収支の詳細は直接扱われていませんが、米国の対外資産負債残高や金利動向に関する情報から推測が可能です。米国の第一次所得収支が赤字に転じたという主張は、米国の公式統計(米国商務省経済分析局の国際収支データ)に基づく必要がありますが、2025年7月時点で公開されている最新データでは、2023年時点で米国の第一次所得収支は依然として黒字(約2000億ドルの黒字、2023年データ)を維持しています。したがって、この評価が「初めて赤字に転落した」とする時期やデータソースが不明確であり、2024年以降の最新データで確認する必要がある。
孫崎享のつぶやき
米国は長年、対外資産(海外投資や債権)からの利子・配当収入が対外負債への利払い費用を上回り、第一次所得収支は黒字を維持。米国の強力な金融市場やグローバル企業の収益力による。だが金利上昇で対外負債利払い負担が増大、米国企業の海外部門からの収益上回り収支が赤字、構造的変化。
2025/07/10(木) 19:45
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武者氏は何を言いたいのかわからない。
現在輸出に依存しない投資・消費の国は米国、英国、日本でありドル経済を支えている。武者氏は米国が第一次所得収支で赤字に転じたことを問題視している。日本は第一次所得収支は大幅にプラスであり米国と異なっているが、家計貯蓄では米国は日本の7倍ぐらいであり、増加傾向は日本より大きい。一部分をとらえて問題視することは大切ではあるが、金融の根本的問題追及にはならない。国家としての全体的な収支バランスを見る必要性がある。
米国が問題というより、輸出に頼らない国が、米国と英国と日本が主要プレイヤーであり、多くの国が輸出に依存していることのほうが問題でしょう。たとえば、世界第二位の経済国になった中国が投資と消費で自活できる経済体制にすることに視点を置くべきでしょう。武者氏の見方は単に米国に視点を向けているだけであり、世界経済の在り方についての追求が全く欠けている。
前向きな経済評論家であれば、問題を指摘したならば、問題解決の方法を提起すべきでしょう。
米国は既に既発債の利払いを新規国債の発行で行うようになっている。この状態が改善されず今後続けば、財政は行き詰まり、新たな貨幣発行で新規巻きなおしを図らざるを得ないことになる。率直に言えば、米国経済の崩壊だ。トランプは敗戦と言っている。
米国は財政の赤字だけではなく、貿易収支、経常収支、第一次所得収支も赤字だから、事態は重症。米国経済の崩壊は速い。
このところのトランプのヒステリックな高関税政策は上記の米国の深刻な病状から派生したものだ。トランプとその側近はもっと冷静になり、中国、その他主要国と真摯に話し合い、どうすれば米国経済の崩壊を避け、ソフトランデイング出来るか緊急に討議すべきだ。
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