NYT「円安・株高:市場は日本の次期総裁を歓迎。高市早苗氏が与党の予想外の総裁に選出されたことで、月曜日の市場は動揺し、円安が進行し、日本株は急騰。
長期政権を担う自民党の総裁選で、景気刺激策推進派の保守強硬派である高市早苗氏が予想外の当選を果たしたことで、日本の市場は新たなボラティリティの局面に突入した。
 高市氏はここ数日、発言内容を大幅に軟化させているものの、安倍晋三前首相の側近である彼女は、日本はさらなる景気刺激策と金融緩和政策を推進するいわゆるアベノミクスに回帰すべきだと長年主張してきた。
 高市氏が低金利政策を含む「ネオ・アベノミクス」を実施するとの憶測から、月曜日の朝、アジア市場では円が対ドルで急落した。
長年にわたる超低金利により、日本への投資の多くは、米国などの他国に比べてリターンが低く。その結果、投資家は円を売ってより利回りの高い外国資産を購入し、市場に円が溢れかえり、円安につながっています。
 また、月曜日には、日本の株価指標である日経平均株価が早朝取引で約4%上昇。投資家は、円安は日本製品の海外での競争力を高めるため、国内輸出企業にとって追い風になると見込んでいる。高市氏が推進する政府支出と各種減税策も、短期的には日本経済を押し上げると期待。
アナリストによると、月曜日の市場は、高市氏が歳出削減のより強力な推進派と目されていた小泉進次郎農相を破ったことも織り込んでいるという。
自民党総裁選に初めて挑んだ高市氏は、他の党員とは大きく異なる経済政策を推進した。昨年のある時点では、日銀の利上げを「愚かだ」と発言した。
彼女の発言は、日銀の最近のメッセージと矛盾している。上田総裁は、引き続き段階的に金利を引き上げていくと述べている。日本の政策金利は、インフレ率が日銀の目標である2%3年以上も上回り、民間支出を圧迫しているにもかかわらず、依然としてわずか0.5%にとどまっている。
今月末に予定されている次回の金融政策決定会合で日銀が利上げに踏み切るとの憶測が高まっていた。しかし、高市氏の当選により、市場参加者は利上げの可能性は低下したと見ている。
 野村総合研究所のエグゼクティブエコノミスト、木内登英氏は、日銀はおそらく高市氏の政策運営の動向を「見守る」だろうと述べた。「現時点では、日銀が12月に利上げに踏み切る可能性は非常に高い」と同氏は述べた。
高市氏は党首選の選挙運動中、金利に関する発言を和らげ、金融政策の責任は日銀にあると認めた。同時に、当選後の土曜日には、政府と日銀は「足並みを揃えて」行動すべきだと述べた。
 高市氏はまた、選挙運動中には再交渉の可能性を示唆していたものの、土曜日には、現政権がトランプ大統領と合意した貿易協定の再交渉には応じないと表明した。
A2日経平均上昇、一時48000円上回る 「高市銘柄」防衛・核融合・宇宙に買い(日経)
6日の東京株式市場で日経平均株価は急伸し、取引時間中として初めて48000円を上回る場面があった。4日投開票の自民党総裁選で高市早苗前経済安全保障相が新総裁に選ばれ、財政拡張・金融緩和路線を進めるとの思惑から円安・株高が一気に進んでいる。前週末3日に付けた最高値(4576950銭)を大幅に上回り、上げ幅は一時2200円を超えた。