目次
はじめに
第一章・「米国支配の構図は消滅する
第ニ章 米国を凌駕し始めた中国経済
第三章 米中戦争の危険はあるのか
第四章 トランプは勿論ヒトラーではない。だが米国は今、ナチ支配の前夜に類似していないか
第五章 日本の対米隷属の系譜―世界が米国一極支配から脱しようとする中、何故日本では依然「米国NO一,米国に従う」が覆っているのか。戦後の歴史の理解なしではわからないー
第六章:対米隷属だけで、激動の世界を乗り切れない。
第七章 米国一極支配崩壊後の日本の選択
第八章 過去の英知を学び、中露の考えを学び日本の道を考える
第九章 戦争を避ける路は外交、その出発点は過去の合意を尊重する。
おわりに
「はじめに」
世界は今、どこへ向かうか明確でない。漂流している。
世界の動きを統制する国もなく(少し前は米国がその役割を担っていたが)、理念もない。理念らしきものが存在しても、単に正体を隠すカモフラージュに過ぎない。
第二次大戦直後は違った。
二度と第二次大戦の惨事を繰り返さないため、方向性を真に模索した。
自由・民主主義国家群と、社会主義国家群の対立こそあれ、「戦争は繰り返さない、人々の暮らしを豊かにする」という目標は存在した(注:社会主義圏の動向に疑問はあるが、それでも医療と教育への投資を見れば、「暮らしを良くしたい」という意思はあった)。
その代表に国連憲章がある。一九四五年六月署名された国連憲章は「われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し」と書き始めている。人々は空々しい枕詞とはとらえていない。真に目指すべき目標としてとらえた。
日本国憲法も「再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し」、「人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し」とある。「この国の憲法を守っていこう、憲法を変える必要はない」は一九五五年に約七〇%(NHK)、一九七三年に六三%(朝日新聞)であった。
しかし、冷戦が終結し、米国一極支配の体制になると世界は変化した。誰が述べたかはこの本の中で記すが、次が世界の規律となった。
『条件を受け入れ、システムに適合し、控えめでも保証された分け前を受け取り、満足せよ。他人があなたのために考え、決定します』。
「米国の意向を尊重する」、「控えめでも保証された分け前を受け取り、満足せよ」は日本で特に顕著となった。知的層、国家の運営に関与する層でこの傾向が特に顕著である。
だが世界的に見ると、システムが崩壊した。中国は政策を強いられない国力を獲得した。ロシアも指示に屈服しない姿勢を見せている。
だが驚くのは米国国内である。
二〇二五年十一月四日実施されたニューヨーク市長選挙で、民主党候補のマムダニ氏が勝利した。マムダニ氏は三四歳、ウガンダ生まれ、インド系イスラム教徒、民主社会主義者(民主主義の下で社会主義政策を行うという政治思想)。イスラム教徒であることや民主社会主義者であることを隠さない。堂々と主張する。
ニューヨーク市にあるニューヨーク証券取引所は世界最大の株式市場で、時価総額は約二五兆ドル(二〇二五年時点)。世界の資金がここに集まる。フォーチュン五〇〇企業中グーグル(アルファベット)、JPモルガン・チェース、ファイザー、ブルームバーグなど、五〇社以上の本社がある。資本主義の総本山である。
マムダニ氏の父親はコロンビア大学教授、母親はヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞の映画監督ではあるものの、イスラム教徒や民主社会主義者がニューヨーク市長になることは考えられなかった。
旧体制への挑戦である。既得権益者への挑戦である。それが資本主義の総本山で起こっている。人々は旧体制に騙されるのを止めた。マムダニ氏の当選演説を見てみよう。
「私たちは一人で投票したが、共に希望を選んた。専制政治よりも希望。大金やささやかなアイデアよりも希望。絶望よりも希望。私たちが勝利したのは、ニューヨーカーが不可能を可能にするという希望を自らに与えたから。私達が勝利したのは、もはや政治は私たちに押し付けられるものではなく、私達が行うものなのだと訴えたから
孫崎享のつぶやき
紹介『米国一極支配の終焉と日本の選択、対米隷属NO、戦争回避の外交政策へ』①
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日本人が多極化していく世界に合致した選択をしたとは全く言えない。アメリカ帝国の覇権低下、覇権放棄は同時に、中露BRICS、グローバルサウスの台頭を意味する。それは、同時に政治経済面では、グローバリズムからの脱却である。グローバリズムは、金融資本による自由な利益追求の手段として機能した。新自由主義、規制緩和、低賃金労働力としての移民受け入れといった政策が、グローバル資本主義の名の下に断行された。その先駆者は西欧やアメリカ帝国本国であった。彼らが世界中に押し付けたのが、ルールによる秩序であった。しかし、そのようなアメリカ帝国らによる覇権=グローバリズムは逆回転を始めた。ウクライナにおける、ロシアとの代理戦争でのウクライナの敗北は、かつてのアメリカ帝国や西欧による軍事力神話を崩壊させ、経済制裁を跳ね除けたロシアによる圧倒的な軍事力の強さを世界中に見せつけた。そして、敗北するウクライナへの無駄な支援により、徒に犠牲者を拡大させている西欧の姿勢は、世界中から不信の目を向けられている。パレスチナ人虐殺を続けるイスラエルに対しても、アメリカ帝国や西欧は、むしろイスラエル支援を鮮明にする始末である。この点で、アメリカ帝国や西欧による自由民主主義や、ルールによる秩序はダブルスタンダードやご都合主義であることが露見した。経済的にもアメリカ帝国は製造業の衰退や、移民による社会的混乱が進行し、自国の社会経済の立て直しが急務になっている。西欧は、ロシアからの安価なガス供給が途絶え、製造業の価格競争力が低下し、移民による社会の不安定化が拡大した。このように、アメリカ帝国や西欧の没落は、グローバリズムからの脱却が解決策であることを強く示唆している。実際、アメリカ帝国のトランプ政権は、公然と反グローバリズムを標榜し、欧州エリートと対立している。
中露BRICS、グローバルサウス、アメリカ帝国、中東の主要国は、ルールより国益を軸にした新しい秩序を見据えて動き出している。取り残されているのは、西欧や日本のような戦後序列化されたアメリカ帝国の属国だろう。
日本の高市政権に至っては、高市発言により、多極化した世界の雄である隣国中国と対立を招き、国力差を顧みずに虚勢を張り続けているというまことにお粗末な状況である。しかも、高市政権は移民を低賃金労働力としてドンドン受け入れようとしている。西欧等の失敗に学ばない、周回遅れのグローバリズム政策を推進する時代錯誤ぶりである。有権者は、そんな高市政権にフリーハンドを与えた。これでは日本のますますの没落は決定付けられた。
おっしゃる通り戦争回避は外交でしかないのです。ところが、高市は中国との外交を遮断して中国を敵視するポーズを周囲に見せて日本の無産階級から支持をかき集め選挙で圧倒的に勝利したのです。
高市の政治ビジョンは統一教会と神道軍国主義のイデオロギーで固められていますから、中国との戦争を避ける努力をすることは無いでしょう。彼女の任期は4年。今後急速にインフレが進み高市の支持率が下がれば、失脚も大いにあり得るのですが、残念なことに、高市政権は必ず支持率の発表を禁止するするでしょう。それだけでは終わらず、日本の無産階級の意識を嫌中センチメントから中国敵視のステージに引き上げるために大マスコミを動員することになるでしょう。
日本の人々は米国が日本と一緒に中国と戦ってくれると信じてますが、敵が今の中国だと米国は退きます。何故なら、中国は21世紀に入り経済、軍事、発明・発見分野で米国に圧力を加えられ且つ挑発まで受けてきたが、その全てを跳ね返し、増々強くなっているのです。最近の中国政府のステートメントでは5年以内に脱米が成功する見通しなのです。日本人は報道管制下にあって中国の真の強さを全く知りません。1944の日本人の99%は米国の高水準の裕福と世界最大の経済力を知りませんでした。その当時も今と同じく日本人はつんぼにされていたのです。
今、米国の無産階級は日本と真逆の社会主義志向に傾いてます。この動きは間違いなく所得の再分配に繋がって行くでしょう。従って、米財政を壊す戦争は忌避されることになります。
高市のミッションの向かう先はデストピアなんです。愚かな無産階級には愚かな政府しかマッチしないのを今回我々は思い知らされるのです。
「対米隷属NO」言うことは簡単であるが、日本人の誰かが米国に対していったか。
だれもいない。
ダレスでなくとも、敗戦国の日本が米国から「戦争に勝ってから言え」と言われたら。何と答えるか。
答えることは誰もできないのではないか。
自民党政権に無理難題を言っていることにならないか。
>>3関連追記
米国の下院が、「台湾保証法」に続き「台湾保護法」を395対2で可決した。
米国が中国を国際金融機構から排除するということである。
米国議会の一致した方針であり、中国対応が明確化したようだ。
>>3
対米隷属Noと言った人いますよ。
田中角栄氏です。
石原慎太郎も「Noと言える国にする」と言いました。
岸信介は生前「今は隷属已む無しだが、いずれはNOと言って独立する」と側近に語ってます。
その孫である安倍晋三はお爺ちゃんの「隠された目標」を内に秘め、その手段としての原爆保有を模索していたと元公安の故菅沼光弘氏は著作に記してます。
>>5
高市を扇動するためのものです。米国には建国以来法律は破られるためにあるのです。米国は建国以来無数の条約を原住民と結びました。全部履行してません。
中国を国際金融機構から外す?であれば、報復受けて米国経済、財政が崩壊します。
>>6
私は米国に対していったかと言っているのですが。
>>7
高市を扇動するために米国議会が「台湾保護法」を議会で可決したという。
あなたおかしくなったと違いますか。
現状把握として、対米隷属。それでは嫌だ、やめたい。まずはその方向性を皆で共有できなければ始まらない。政治家だけが頑張っても、官僚組織から後ろから刺されるようでは前に進めない。世論の後押しも必要。ただ、今回の選挙結果を見ると、、かなり厳しい現状。ただ、対米隷属がかなり見えるようになってきているので、おかしいと思う人は以前より増えてきている。と感じる。
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