世界は大きく変動している。
変動する可能性は日本にもある。年収の中央値は一九九七年約三八〇万円であったが、二〇二三年には三六六万円。生活は下がっている。貧困層が増大している。
社会で生活が苦しくなるとどうなるか。
典型の一つが一九三〇年代のドイツにおける動き出る。
①生活環境の悪化
②既存政党への不信
③社会的弱者への攻撃
④対外強硬姿勢
⑤言論弾圧
トランプ大統領はまさにこの道を歩み始める。
日本では、「① 生活環境の悪化」が起こった。ついで「②既存政党への不信」が生じた。参政党や自民党は、外国人滞在者に焦点を絞った。近隣諸国との協調ではなく、対決することを政治の売り物にし始めた。ナチスがたどった道を歩み始めている。
二〇〇〇年頃から世界に対する米国一極支配が確立していくにつれ、日本では対米隷属が進行した。「米国に追随すれば繁栄する、安全だ」という事実と異なる見解が日本を覆った。「事実と異なる」これが極めて重要だる。それは言論の抑圧と共に進んでいる。私ですら、言論弾圧は多方面でひしひしと感じている。
既存政党への不信があるにせよ、維新や参政党に真の意味で日本立て直しの青写真がある訳ではない。世論は一時的に流れ、また漂流する。解が見つからないから、また「米国に追随すれば日本は繁栄し、安全だ」に戻る。最早、それが全く機能しないにもかかわらず。
トランプ大統領が来日した。高市首相は個人的関係の緊密さをアピールした。結果、高市首相支持率が急騰した。十一月一,二日JNNが実施した内閣支持率は八二%に上っている。
日米首脳会議後、小沢一郎(事務所)は次のXを発信した。
「①日米首脳会談は成功したと、高市総理も自民党もはしゃいでいるが、本当にそうだろうか。まず、八〇兆円規模の対米投資はお金の出所もはっきりせず曖昧なままで、利益もほとんど米国。その分、国内投資は大きく減る。こうした言わば「不平等条約」の日本経済へのマイナスをしっかりと認識しているか。
②高市総理は、防衛費をGDP比二%に増額する計画の前倒しを米国に自慢げに伝達したが、原資は血税。今後これまでの二倍に膨らんだ巨額防衛予算が、毎年民生を圧迫し続けることになる。「他国もやっているから」と深い考えも無く、果てしなき軍拡競争に身を投じる余裕は、もはやこの国には無い。」
高市首相とトランプ大統領の親密さを示す動画をみて頷いても、本質を問いかける小沢氏の発言に耳を傾ける人々は存在していない。日本の国民は見てはいけないもの(体制、政権を本質的に批判にするもの)を察知する能力が極めて高くなった。
本論に入ろう。
「米国に追随すれば日本は繁栄し、安全だ」という見解に、執拗にさらされてきた日本国民に、客観的事実を受け入れる余地があるのか。
この本を読み世界の現実を知ろうとする層がどれだけ日本に残っているか。
「この本を読み世界の変化を考えよう」と呼び掛ける知識人はいるか。多分国民には届かないだろう。
だがいつの日には気づく。その日は日本が凋落しきって手の打ちようがない時なのか、或いはまだ余力のある時なのか、
「早く気づいて欲しい」と念願しつつ、この本を書いていく。
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