孫崎さんとの対談は私にとって非常に楽しいもので、終わってしまうのが残念なほどだった。相手の話に耳を傾け、互いの意見を楽しみ合う対談とは、とても文明的な時間の過ごし方だと思う。議論を戦わせ、まるで得点を競うスポーツのごときディベートとは違う。こうして対談を通じて本をつくることは日本独特のやり方だが、この国の良き伝統のひとつに違いない。
不思議なことに、孫崎さんとは初対面のときから長い知り合いのように思われた。その思いは、対談を通してより強まってもいった。私たちが問題意識、日本の現状に関する危機感を共有していたことが明らかになったからだ。そして私が抱く危機感は、より独立した国家をつくろうと模索した民主党政権の試みが頓挫してしまった今、より深まっていくばかりなのである。
この本の主題とは、奇妙かつ異常な状態が続いてきた日米関係と、真の意味で日本が米国から独立する必要性について論じることであった
孫崎享のつぶやき
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Wolferenはオランダのジャーナリストである。オランダは歴史的には東洋へ植民地を求めてやってきて、今のインドネシアにゴム園を開き、現地人を酷使して収益を上げ、その果てに日本にたどり着いたが、日本は当時江戸時代にあり、他のアジア諸国と異なり、ガードが堅く、平戸に商館を開き、わずかな貿易をするに留まった。一方、日本はオランダを通じて当時の良―ロッパ文明を吸収した。しかるに、第二次大戦では敵国として戦うことになり、日本はインドネシアからオランダ人を駆逐した。第二次大戦中、日本はオランダの民間人にも苦痛を味あわせたという記録もある。日本は第二次大戦で敗戦国となったが、インドネシアは独立し、オランダの植民地は永久に失われた。日本は独立後のインドネシアを援助した。以上の歴史により、オランダ人の中には日本人に激しい反感をもつ者もいる。Wolferen氏自身がいかなる傾向を持っているかは私は知らない。日本がアメリカに依存しすぎていると彼が考えるのは彼の勝手であるが、日本には日本の都合がある。日本国は自らの判断で外交を展開しており、それが第三者からみて、偏っていると言われても、簡単に同意するわけにはいかない。もちろん、孫崎氏がWolferen氏と同意するのは、自由である。