閉じる
閉じる
×
PHP『日本の「情報と外交」』の第一章 「今日の分析は今日のもの、明日は豹変する」からの抜粋。
情報についての認識は世界各地に赴任して、いろいろな出来事に出合って、構築されていく。
私にはイラン・イラク戦争時の教訓が強く働いた。イラン・イラク戦争は不思議な戦争であった。一九八六年当時、戦争終結の見通しは全くなかった。
見渡すと、真剣に戦争を終結させようとする有力な勢力は存在していない。戦争当事国のイラン、イラクですら、指導者が本当に戦争の終焉を望んでいるか疑わしかった。一見矛盾しているようであるが、独裁政権は国際的危機に直面すればするほど、国内的に強くなる。戦争という非常事態に政権に反対するのは非国民だとして、政治的反対派を強権で弾圧していく。経済が厳しくなると、食料の配布ですら、指導者に忠実な人間は食べ物がもらえる、他方、批判勢力は餓えるということで、指導者の勢
この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
入会して購読
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。