ビブリア古書堂の事件手帖はこれで1-5まで全て買った。おまけに、5は偶然ではあったが、発売初日に購入しているから、大変なフアンだ。
この本の魅力は幾つかの要素が混在していることにある。
① 古書店で働く主人公と、経営者の若い女性とのほのかな恋愛感情
② 古書店の知識
③ 古い本にまつわる知られざるストーリー
④ 本にまつわる推理、事件
これらがうまい塩梅に混ざっている。
このバランスが4では崩れたような気がした。
① よりも経営者女性の母親の問題が出てきたり、古い本にまつわる知らる
るストーリーの情報量が減った印象を得た。
でも『ビブリア古書堂の事件手帖5』では完全に元のバランスに戻り魅力たっぷりとなった。
作者が「―『ビブリア古書堂の事件手帖』の源泉とは」を書いている。
・北鎌倉の架空の古書店を舞台に、該博な知識を持つ美人店主と、本について何も知らない
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僕はもともと完全に理系の人間でしたが大学院時代に神話に興味を持ち始め、それから小説を読むようになりました。そのとき今まで自分はいかに表層の日常を生きてきたか、人生とはもっと奥深く不思議なことで満ちあふれているのか思い知りました。文字通りそこから人生の意味が変わってしまいました。そこから始まる長い旅は客観的には幸せなものではなかったけれど、いつも自分の物語を生きているようなそんな感覚はありました。その感覚は多分意識のありようで誰にでも起こりうる変化です。
物語とはMythos、つまり神話。本来Logosと同等、あるいは補い合う価値を持つものです。人は恋をします。美しい音楽を聴くと心が震えます。シェークスペアの「マクベス」は現代を語っているし、手塚治虫の「時計仕掛けのリンゴ」はまるで今の世界そのものです。パンドラの箱には未来を見る力が眠っているのです。そんなこと人の理性でなしえますか?でもmythosだけの人生なんてありえませんね。理性で舵取りできなければ溺れてしまいます。
それでも物語でつながった人には運命的なものを感じることは多いです。それがお互いの人生にとって有意義なものであれば、それ以上のものを求める必要はないのではないでしょうか。