• 新聞を勝手に発行していた

    2021-01-13 21:02
    その昔、ネットなど無い時代、テレビ以外の媒体では新聞や雑誌が主流だった。
    新聞を取っていない家庭は、なにか訳アリなのではないかと思われたりした。
    そんな時代の話を少しばかり書いておこうという気になったのですぐに実行するのだ。

    自分で新聞を発行してみたい。なぜかそう思ってしまったことがすべての元凶だった。
    と言っても、購読者なんていないから、いつもつるんでいる友人になってしまうわけなのだが・・・。
    肝心の内容というか方向性は、自分たちや友人の身に降りかかった、ちょっとした” 事件 ” 
    を針小棒大に書くという、東スポ的なものだった。
    しかし、自分たちに降りかかった事件だから、当事者なのである。すでに顛末は知っているのだ。当然、特ダネであるわけもなく、また、実はこの件はこうだった・・・みたいな意外性もまったくないという、何かいろいろ見失った新聞だった。
    とは言え、いつも同じメンバーで何かするわけでもなく、その場に居合わせなかった者も出てくるわけで、そういった場合においては少しばかり興味をひく内容になった。

    しかし、ここで問題が出てくる。実際の新聞もそうだが、時間との勝負になるのだ。
    その蚊帳の外の友人がコトを知るまでに発行しなければならない。速報性がすべてと言ってもいい。つまり、" 事件 " が起こるとすぐに制作に取り掛からなければならない。ソッコーで自宅に戻り、ワープロ(WORDなど当時は無いのだ)を起動し、今しがた起こった生々しい出来事を文章化していく。(当たり前だが)取材をする必要は無く、ただ起こったことをそのまま文章にしていけばいいのだが、なかなかリアルに書くということは難しいのだった。

    どうにかして1時間くらいでB5サイズの新聞(我々は「機関紙」と呼んでいた)を作成、
    すぐに近くのドラッグストアに持ち込み、10枚ほどコピーをする。これで号外の出来上がりというわけだ。うまくしたもので、だいたいそういうタイミングでターゲットは訪ねてくるのである。
    ところで、なぜか自分の部屋が友人たちのたまり場になっていたりして、(こいつ誰なんだろう・・・?)と自分が知らない人物が普通にマンガを読んでいたりした。友人の友人なわけだが、別に自己紹介し合うわけでもなく、たんたんと普通に接していた。今考えると相当不思議なことだが、当時はあまり細かいことは気にしなかった。

    話が脱線してしまった。新聞が出来上がり、部屋の真ん中の炬燵の上に置いておくと、見つけたターゲットが手に取り、読み出すわけだ。じっと読んでいる。無言で記事を目で追っている。こちらも無言である。
    そして感想は、「ああ、そんなことあったんか・・・。」そんな程度だった。

    それでも、自分が発行した新聞を他人が読んでくれるのがうれしく、まもなく機関紙は乱発されることになる。といってもネタを捏造することはなく、実際に起こった出来事にこだわった。ウソはいけないのである。けっこう盛った内容ではあったが事実なのだ。

    しかし、こんな遊びにつきあってくれるほど友人たちもバカではなく、そのうち、ただのゴミ扱いを受けるようになった。
    いったいどれだけの労力を要して作成された新聞なのか、まったく理解していないのだ。実費もかかっている(コピー代だけど)。それをタダで読めるのだ。
    これを僥倖と言わずして何だというのか!・・・そんな気持ちだった自分は、「自分たちの機関紙なのだから、必ず目を通すように!」と、強要するようになってしまった。

    ほとんど恐怖新聞と化した機関紙は疎んじられ、やがて廃刊へと追い込まれていった。

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  • 社会人デビュー! しかし現実は甘くはなかった

    2021-01-10 20:55
    いきなり大学を一年で卒業(中退なのだが)してしまい、特に何をするでもなくブラブラ
    していた日々に焦りを感じ始めていた。
    まあなんとかなるだろうとのんびりしていたが、さすがにこれはとにかく就職してカネを稼がなければいかんだろうと思い、就職雑誌なるものを買ってみた。
    パラパラとめくって見てみると、「都市部のとにかくデカいビルの高層階で働く仕事」が載っていた。これだと思い電話をすると、すぐに面接を受けることになった。どうせ受からないだろうと思っていたが、何かあっさりと明日から来るようにと言われ、どうやら合格したようだった。
     次の日、出勤してみると、同じような年齢のヤンキー上がりみたいなニィちゃんがぽつんと座っていた。どうやら彼も同じ日に初出勤となったらしい。ところで、この瞬間になっても、いったい自分がどんな仕事をするのかまったく知らなかった。普通は業務内容とかいろいろ精査した上で応募するものだと思うが、このころの自分はどうかしていたのか、わりと順番とか細かいことにこだわっていなかった。別の言葉で言うとバカとか間抜けになるのだろうが、世の中そういうものだと思っていたから恐ろしい。

     さて、仕事の内容だが、どうも英会話の教材のセールスのようだった。朝から晩までセールストークの練習というか、ロープレばかりしていたが、肝心の売り物は最後まで見ることは無かった。
    一週間が経とうかという日、それまで隔離されてひたすらロープレをしていた日々から解放されることになった。いよいよデビューである。その日の朝、ほかの社員の前に立ち、同期のヤンキー君と自己紹介みたいなことをした。誰も関心が無いようだった。

     そして目の前に分厚い名簿が置かれた。ここに載っている番号にひたすらかけまくって英会話の教材を買わせるんだよ、ということらしい。
    これはダマされたな、と思った。そういう怪しい電話は自分も何回も受けたことがあるからだ。今考えれば、ダマされるほうもどうかと思うが・・・。
    しかし電話機を見つめていても何も始まらないし、周りの社員はどんどん電話をかけて、なにやら怪しい呪文を唱えている。仕方ないので、自分も適当な番号を選び、かけてみた。
    「どこでこの番号を知ったのか?」と怒られたり、ものすごく人のよさそうなお母さんが出て、「娘はここに勤めているから。」とショクバの番号を教えてくれたりした。
    これにはさすがに良心が痛んだ。というのも、渡された必殺電話マニュアルには、”卒業した学校の同級生と名乗れ”とか、”同じ会社の者だが、緊急の連絡があると言うように”といったインチキな方法が書かれていたからだ。

     昼食をとる暇もなく、夜の10時まで電話をひたすらかけるという作業を繰り返していた。ヤンキー君もすました顔でなにか電話をしている。もしかしたら、こいつは会社の手先で
    はないかと思ったが、帰りに聞くと、天気予報にかけて電話をしているフリをしていたとのことだった。そんな手が・・・と思ったが、何かもう疲れてどうでもよかった。

     帰り際にヤンキー君が「こんなインチキな仕事やってられっかよ。俺はトブから。」と小声で耳打ちしてきた。なぜかびっくりして「いや、とにかく1週間くらいはがんばろうよ。」と、まったく思ってもいないことを口走っていた。ヤンキー君は何も言わなかった。

     次の朝、起きてぼんやりとしていると、いくらなんでもこれは詐欺の片棒を担いでるだろうと、アタマがおかしい自分でも思い始めた。何しろその教材がとんでもなく高いのだ。ローンを組ませて買わせたりしているようだった。一週間はがんばろうよ、とヤンキー君に言った自分だったが、トンだのは自分のほうだった。ショクバに連絡も入れなかったし、連絡もなかった。もちろん1週間分の給料も回収できなかった。また回収しようとも思わなかった。
    ヤンキー君が実際にトンだのかもちろん分からなかった。
    しばらくはその高層ビルの前を通ると悲しかった。
  • 戦慄の実験「フィラデルフィア計画」

    2021-01-06 20:47
    さて、怪しい話を続けて申し訳ないのだが、UFO関係も大好きだったりするのだ。
    昭和の時代には、UFO特番がけっこう放送されていたから、純真なお子様だった私は、もう
    かぶりつきで見ていた。
    中でも矢追さんの番組は必ず見ていた。その中でも特に好きだったのが、フィラデルフィア
    計画(実験)についての回だった。その中で触れられていた、「モントーク・プロジェクト」なる超能力者を使っての実験という話も、ものすごいインパクトだったが、しかしそんなものなど消し飛んでしまうほどの恐ろしさがこのフィラデルフィア計画にはあるのだ。

    そう、世の中には恐ろしいこと、ご無体なことはゴマンとあるわけだが、
    この「フィラデルフィア計画」に参加した米海軍の皆様ほどムゴイこともそうはあるまい。
    有人飛行の前段階として、宇宙のもくずと消えたソ連のライカ犬(詳細は涙なしには語れないので割愛します)に匹敵するといっても過言ではない。

    当初は、戦艦がレーダーに発見されないように「消磁」するということが目的であった。
    そこで、強力なテスラコイルを使用したところ、対象の戦艦「エルドリッジ号」は、レーダーから消えた。実験は成功したかに見えた。が、同時に妙な光につつまれ、空中に浮きあがってしまった。そして、次第にその姿が消えてしまったというのだ。
    大変なことですよこれは。マジもんのイリュージョンですよ。
    転送されてしまった先は、2,500キロも離れたノーフォークという港。
    数分後、ご帰還された「エルドリッジ号」ではとんでもない惨状となっております。
    以下、惨状一覧。

    ・甲板と人間が融合(!)していた。
    ・人体が発火していた。
    ・生き残った者も精神に異常をきたしていた。 つまり全滅の憂き目に。

    戦艦と人間が融合してしまうとは、それから数十年後、日本で一大ブームを巻き起こした
    艦隊これくし(略)を先取りしていたとはいえまいか。
    先見の明があるとはいえ、さすがに米軍のすることはえげつねえっす。