何度話を聞いても思う。
6年前くらい、セットを何度もした時期がある。
瀬戸熊さんは当時から流れを重視するタイプだった。
ある晩、一度ミスをしてそれで心が折れズブズブと沈みさらに暴牌を重ねて負けるというパターンを見たことがある。
ラスを引き続けている人の顔はきつい。
それは普段勝っている瀬戸熊さんでも同じだ。
その姿は同卓してアガらせてもらってる僕から見ても痛々しかった。
24回が終わり集計結果が出た後あるデジタル派プロが同情を声に込めて言った。
「瀬戸熊さん、きつかったですね」
その人の本心は、やっぱりこの人は負けだすと荒くて大したことないなというのが普段の発言を思い出すと聞こえた。
もちろんそれはある一晩の話で、瀬戸熊さんはトータルでかなり勝っていた。それなりに勝てるから来続けていた部分もあるだろうし、僕がトータルで相当負けていたのでおいしいカモは僕自身だったのだが。
やがて瀬戸熊さんは多忙となりセットには来なくなり、会うのは最強戦や原稿依頼、連盟のイベントのときのみになった。
麻雀友達から仕事仲間に、すっかりつまらない関係になってしまった。
先日ある麻雀プロに言われた。
「金本さんは瀬戸熊さんの事好きでしょ」
「瀬戸熊さんは誰にでも好かれてますよ。あの人を嫌いと言う人聞いたことないです」
恥ずかしくなって一般論で煙に巻いたが、言われてみると好きな方だ。
そんな瀬戸熊さんが鉄人プロ戦で優勝したので、その検討番組をやってみることにした。
優勝したからといって完璧な麻雀を打っていたとは限らない、瀬戸熊さんのことは好きだがヨイショ番組にはしたくない。
視聴者の方と一緒に決勝の1ハンチャン見ながら、おかしいんじゃ?という部分はそこで止めて、視聴者アンケートをとって、ガチで麻雀を検討してみたい。
6月24日(火) 19時~鉄人プロ代表決定戦・検討会
番組ページ http://live.nicovideo.jp/watch/lv182861229
そして、なぜ僕が瀬戸熊さんのことを好きなのか、それはやはり論理的には言えない。言ってしまえばなんとなく、だ。
論理は大切だが、論理的に語れないという物が実際にある、というのも事実だと思う。