梶本「お願いします」
小林「お願いします」
梶本「小林さんのプロ歴はどれぐらいになります?」
小林「今、19年目ですね」
梶本「もうすぐ20年なんですね。昔から最強戦の予選などには出場されてましたか?」
小林「大体、出ていたと思います」
梶本「最高でどの辺まで勝ちあがられましたか?」
小林「いや、勝ち上がった記憶がほぼないですね」
梶本「昔からプロ予選ってハードル高かったでしたっけ?」
小林「そうですね。プロ予選もですが、一般予選もかなり倍率が高かったような気がします」
梶本「今回は7月の新鋭プロ代表決定戦を勝ち抜いてファイナルということですが、優勝したときはどういう気持ちでしたか?」
小林「嬉しかったですし、『やっと出れるな』という思いがありましたね」
梶本「最強戦は実績のあるプロでもなかなか出られなかったりしますからね」
小林「昨年は日程の都合で出れらなかったこともあったんですよ。新鋭プロ代表決定戦の一段階下の予選の対局があって、そこでは8人中1人が勝ちあがれるシステムで。それにせっかく声をかけていただいたのに、出場できなかったことがありまして」
梶本「それはアツい。その分、今回の新鋭プロの優勝は嬉しいですね。ただ、その対局はかなり厳しい戦いでしたね。特に決勝は」
小林「そうですね。内容もキツかったですし、何よりいいメンバーが揃ったので」
梶本「そこを勝ちあがってから、周囲の反応はいかがでした?」
小林「新鋭プロ代表決定戦に出ることになったとき、特に麻雀連合の人の多くが(小林に)期待してくれたので、今回の優勝は本気で喜んでくれました」
梶本「その期待がプレッシャーになったりしませんでした?」
小林「プレッシャーはそんなになかったですけどね」
梶本「たしかに小林プロも経験豊富ですから、硬くなることも余りないでしょうね。どういう時に『これはヤバいな』みたいなことを感じます? たとえば打っていて冷静じゃなくなるときとか」
小林「それはまずないですね。むしろ風邪をひくなど体調を崩すほうが心配です」
梶本「大きな試合の前で独自の調整法などありますか?」
小林「大体、前日は遅くまで仕事をしていますね。長時間の仕事を入れないようにするぐらいで、普段どおり過ごします。他の人はお酒を抜くとかあるのかもしれませんが、そもそも僕がお酒を飲まないので。特に何もしないです」
梶本「普段の睡眠時間はどのぐらいなんですか?」
小林「けっこう短いんですよ。昔から5時間睡眠ぐらいで。ま、それより短いとマズいので最低限の時間を確保しようとは思います」
梶本「ではファイナルB卓の組み合わせについて伺います。まず、十段位の桜井さんですが」
小林「桜井さんはあまり知らないのですが、凄く強いという噂は聞いています。この記事ページで桜井さんが僕と1~2回打ったことがある、ということでしたが、どこかのお店で打ったのかな、と。よく覚えていないんですよね」
梶本「なるほど。では、徳井さんですが、こちらは全くの未知数ですね」
小林「そうですね、会ったこともないので。噂で、色々な雀荘を打ち歩いている方だということですが」
梶本「あと、最高位はこの時点でまだ出場選手が決まっていないわけですが」
小林「誰が出ても強いんですが、現状だと佐藤聖誠か村上淳のどちらかでしょうね。ま、2人ともメッチャ強いのはよく知っているので、楽しみではあります。この2人とはかなり打っているので、お互いに手の内は十分把握しています」
梶本「こういう感じだと、対戦相手について特に対策を講じるということはなさそうですか?」
小林「元々、僕があまり相手に対応するタイプではないですからね」
梶本「最強戦特有の、トップのみ勝ち上がるというシステムだと、やはり普段とは打ち方が変わりますか?」
小林「実はそれが不安要素でして。一発裏ドラありのトップ勝ち上がりというのは、他の人より打ち慣れていないかもしれないので。普段のリーグ戦のルールとは違いますからね。もちろん、ある程度対応はできると思うのですが。たとえば、先日の新鋭プロ代表決定戦も、正直自分が勝ちやすいとは思っていなかったんです」
梶本「といいますと?」
小林「一発裏ドラありのトップ取りっていうのは、鈴木達也、村上淳、井出康平の3人のほうが明らかに打ち慣れていたでしょうからね。ひょっとすると自分が一番経験が少ないかもな、と思って打っていました」
梶本「普段のリーグ戦との一番違う部分はどの辺でしょう?」
小林「手順はそれほど変わらないんですが、ゲーム回しの部分が違いますかね。『この点差ならこういう風に打とう』みたいなところが異なります。想像以上に荒れた展開になりやすいです」
梶本「点数を稼いだら手堅く守る、というより自分で局をどんどん進めないといけない、という感じですか」
小林「局流しもありますが、時にはリードを広げにいかないと危なくなりますね」
梶本「ずばり優勝する自信はどのぐらいありますか? 単純に考えれば16分の1ですが」
小林「16分の1.02ぐらい、とか言ってますけど」
梶本「あれ? 随分控えめですね。小林プロの実力・実績からしても他のプロに劣るとは思いませんし、小林プロご自身も正直そう思っているでしょう? もっと高い数字を出してくるかと…」
小林「ま、それでも自分が16分の1を大きく超えているとは思いませんが」
梶本「では、まずB卓を勝ち上がって決勝に進んだとして、対戦したい相手は誰ですか?」
小林「打ってみたい人はたくさんいるんですけど、特に瀬戸熊さん藤崎さんとは打ちたいですね。この2人はプロ連盟のトップの打ち手ですから。実は、この2人ともプロとしてのキャリアはほとんど一緒なんですよ。なので対局したことはあります。が、こういう大舞台では戦ったことはないですからね。ぜひ、2人のうちどちらかとは打ってみたい」
梶本「最後にファイナルにかける意気込みを聞かせて下さい」
小林「最強戦って、第4期に佐々木英樹さんが勝ったころ、僕が高校生のときから近代麻雀を読んで知ったタイトル戦ですからね。そういう意味では思い入れも深く、やっと出られて非常に嬉しい。いつも以上に気合いを入れて臨みます」
梶本「分かりました、ありがとうございます。ファイナルでもよろしくおねがいします」
小林「ありがとうございました」