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2015年4月から最強戦CHで配信されている「近代麻雀プレミアリーグ」の各節レポート


第一節A卓。麻雀最強戦2015ファイナルへの出場枠として今年から中堅トップ雀士たちのリーグ戦が創設された。前期に出場するのが、石橋伸洋・魚谷侑未・小林剛・佐々木寿人・じゃい・鈴木達也・瀬戸熊直樹・藤田晋の8名。

このリーグ戦の予選は、各自半荘8回ずつ打ち、上位4名が決勝戦に進出するというシステムになっている。半荘8回のリーグ戦は、特に先行有利の展開になりやすい。その大事な緒戦は、小林・魚谷・瀬戸熊・じゃいという組み合わせになった。

先行したのは小林剛だった。
東2局、じゃいがpai_s_chun.jpgから仕掛け、ドラのpai_s_9s.jpgを捨ててテンパイを入れる。
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直後、小林も打pai_s_sha.jpgでこのテンパイ。
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すかさずじゃいがこのpai_s_sha.jpgを叩いてトイトイへ移行。
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これがじゃいの仕掛けの特徴の1つ。まずはテンパイを目指して動くが、その先にトイトイやホンイツなどさらに高くなる道が続いているパターンが少なくない。もちろんメンゼンでもそのスタイルは貫いており、たとえば東4局ではこういう一打もみられた。
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pai_s_hatsu.jpgを暗刻にしたところでイーシャンテン取らずの打pai_s_2s.jpgである。マンズの下が場に安いとみて、一気に四暗刻までめざしたというわけだ。今回のメンバーで手役派といえば達也・藤田が思い浮かぶが、じゃいもスタンスは違うが間違いなく手役派である。こういう打ち手がツボに嵌まったら本当に怖い。


さて、話を東2局に戻そう。トイトイのpai_s_4s.jpg単騎のじゃいに対し、小林はpai_s_1m.jpgpai_s_4m.jpgのノベタン。ところが小林はドラのpai_s_9s.jpgを引き、ドラ単騎へ待ち変えした。この待ちが、ドラ切りのタイミングを計っていた瀬戸熊から出た。じゃいのドラ切りから小林のドラ単騎への待ち変えの間に一打を切る猶予がなかったのである。

小林のアガリ
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これでリードした小林は、南1の親でメンタンピン即ツモの親満を決める。
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これが決定打となり、小林が+76.5の大トップ。魚谷・じゃいが僅差の2着争いをしていたが、魚谷が小林のタンピンドラ1に捕まり、3着へ転落となった。ラスは瀬戸熊。

第一節A卓結果 小林+76.5 じゃい+1.9 魚谷-22.3 瀬戸熊-52.3



第一節B卓。達也・藤田・石橋・寿人の組み合わせとなる。この半荘は達也台風が吹き荒れた。

達也は東3局に寿人とのリーチ合戦に競り勝って一通の満貫を決めた後、東4局では独特の手筋を見せた。6巡目、三元牌が5枚ある形からpai_s_hatsu.jpgをポンして1枚捨てるところ。
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ここは三元役を諦めいったん打pai_s_haku.jpgで3900点のテンパイを取るのが普通だろう。pai_s_chun.jpgがコーツになれば打pai_s_7p.jpgで満貫を狙えばよいのだから。

だが、達也は先にpai_s_7p.jpgを捨ててテンパイを取らなかった。
達也「pai_s_hatsu.jpgポンの時点では手の早そうな人が誰もいなかったので、ならば様子を見て満貫、ハネ満を狙いに行きました」

この思考が達也の特異な部分であろう。

たとえば、相手3人のうち、一番先にテンパイした人の巡目が仮に10巡目だとしよう。大部分の打ち手は、アガることが大事で、それは相手が追いつく前なら何巡早くても構わない。自分のテンパイがそれより早ければテンパイ巡目は1巡目でも5巡目でも良いのである。

だが、達也は違う。相手のテンパイより1巡だけ早ければ良いのである。それより前ならテンパイすることより、自分の手を高めることを優先させたい打ち手なのだ。相手の手が遅そうなら、テンパイ崩しはもちろん、ヤミテンしているところに相手からロン牌を打たれても見逃すケースも多いという。

結局、この局は次巡にすぐpai_s_7p.jpgを引き戻し、今度は打pai_s_haku.jpgでテンパイを取った。結果、石橋からpai_s_6p.jpgでアガリとなる。

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(お詫びと訂正:4月15日発売の近代麻雀では、この部分を勘違いして記事を書いてしまいました。
間違い箇所:結果、pai_s_7p.jpgを先切りしたような捨て牌になり、藤田からpai_s_9p.jpgを討ち取ることに成功した。

この記事で訂正し、お詫び申し上げます)。

達也の最初のpai_s_7p.jpg切り。この一打に達也の麻雀観が集約されているように思った。

これと似た構えがが南1局にも見られた。

トップ目で迎えた南1局の親。達也は4巡目にテンパイを入れるが、ノータイムで打pai_s_1s.jpg

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 親で役なしのドラ1テンパイ。今時の主流は打pai_s_5m.jpgの即リーチだろう。

達也「これもまだ早い巡目なので様子を見ながら良い形を目指しました。自信のないギャンブルリーチはなるべくしません。たとえ親の先制でも!」

 この結果、この局は寿人に先制リーチを許し、先行することはできなかったが。もちろんこうしたリスクも達也は十分承知の上であろう。

 達也は、ラス親・寿人と約1万点差のトップでオーラスを迎える。そこへ滅多にないボーナス配牌が達也に舞い降りた。配牌でチンイツのイーシャンテン。
pai_s_5m.jpgpai_s_1p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_8p.jpgpai_s_8p.jpg ドラpai_s_7p.jpg

しかも親の寿人の第一打pai_s_3p.jpgでチーテンが取れたのである。
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 結果、達也がハネ満のツモアガリ。
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このアガリは達也のトップを大きなものにしただけではなかった。寿人が親っかぶりをしたことで、藤田との2着3着が入れ替わったのである。

この結果、B卓は、トップ・達也+70.5 藤田+4.0 寿人-16.2 石橋-58.3

第一節トータルポイントは以下のようになった。
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次節、瀬戸熊・石橋の巻き返しはあるか? それとも上位2人がこのまま突き抜けるのか?
こうご期待!