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2015年4月から最強戦CHで配信されている「近代麻雀プレミアリーグ」の各節レポート


第二節A卓。対局メンバーは藤田(+4.0)小林(+76.5)寿人(-16.2)じゃい(+1.9)という組み合わせとなった。このゲームの注目は小林の順位。もし2連勝となれば、第3節以降で小林のいる卓では仕掛けを駆使してさっさと局を回すというスピーディな展開になるのは想像に難くない。ということは、マイナスしている打ち手が一気に挽回するのが難しくなるというわけである。

その小林がまず先制。東2局の親番で次のリーチをかける。
pai_s_3m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_8m.jpgpai_s_2s.jpgpai_s_2s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_8s.jpg ドラpai_s_3m.jpg

小林の捨て牌
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小林はリーチ宣言牌の4巡前にpai_s_5s.jpgを捨てている。リーチ宣言牌がpai_s_9s.jpgなのでpai_s_8s.jpgの出はさほど期待できないが、pai_s_2s.jpgならあっさり出ても不思議ではない。

このリーチに突っ込んだのが藤田である。小林のリーチ後にpai_s_7p.jpgをチー。この形から蹴りにいった。
pai_s_2m.jpgpai_s_3m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_1s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_7s.jpg チーpai_r_7p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_8p.jpg 打pai_s_1s.jpg

正直、この仕掛けは意外だった。たしかに元々現物が少ない手牌である。とはいえ、鳴いても苦しいイーシャンテン。リーチ後に安全牌が増えるかもしれないことを考えれば、ここから手を短くするのはリスキーに思える。もしかしたら第1節、そしてこの第2節の東パツのリーチ負けに藤田は少し焦れていたのかもしれない。

結果、藤田はテンパイを果たすもののpai_s_2s.jpgで7700の放銃となった。

アドバンテージを持った小林ほど相手にとって面倒な存在はない。他家の親は仕掛けてさっさと流そうとするし、じゃあリーチをかけたところでなかなか放銃をしてくれないからである。

たとえば東3局。
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親の寿人がpai_s_4m.jpgの暗カン後、このテンパイでリーチ。これには全員が白旗を上げる展開かと思われた。だが、小林が自風のpai_s_pe.jpgをポンしてテンパイを入れる。

北家・小林
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次巡、無スジのpai_s_8s.jpgを引くが、pai_s_7s.jpgのワンチャンスかつ自分の待ちが寿人の現物という強みがあるのでここはpai_s_8s.jpgを勝負。

ところが次にpai_s_6s.jpgを引いてしまった。
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さっきのpai_s_8s.jpgに比べたらこのpai_s_6s.jpgは段違いに切りづらい。寿人の序盤の捨て牌にpai_s_2s.jpgがあり、当たる可能性も十分あるからだ。さすがの小林もこの牌は切りきれず、もう一度pai_s_8s.jpgを捨てる。

ところが、すぐにpai_s_8p.jpgを引いて打pai_s_7s.jpgでテンパイ復活(pai_s_7s.jpgは寿人の現物)。すぐさま寿人からpai_s_5s.jpgでロン。寿人は加点するどころか、連荘すら許してもらえなかった。

この第二節でも小林は南場の親で満貫を決め、ダントツ体制。2着争いはラス前に藤田のリーチに対し、じゃいがこのイーシャンテン。マンズの一通も345の三色も狙えそうな形である
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ところが、じゃいは6巡目にpai_s_9m.jpgを捨てている。したがって一通を諦め、一旦藤田の現物であるpai_s_1m.jpgを捨てテンパったらpai_s_2m.jpg勝負の構えを取るかと思われた。だが、じゃいの選択は打pai_s_5p.jpg。何とこれがズバリ決まった。すぐにフリテンのpai_s_9m.jpgを引き戻し、一通確定のpai_s_3s.jpgpai_s_6s.jpg待ちで追っかけリーチ。藤田からpai_s_6s.jpgを討ち取り2番手に浮上した。じゃいはラス親だけに、小林のトップをまくりきってしまう可能性も十分あった。

だがオーラスは寿人が得意の一色手でリーチ。じゃいにも6000オールがみえる手材料はあったが、さきに寿人がハネ満をツモアガって2着を取り戻した。

北家・寿人のアガリ
pai_s_1s.jpgpai_s_2s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_4s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_haku.jpgpai_s_haku.jpg ツモpai_s_6s.jpg ドラpai_s_9p.jpg

A卓の結果は次の通り。カッコ内はトータルポイント。
小林+70.0(+146.5) 寿人+11.7(-4.5) じゃい-18.2(-20.1) 藤田-63.5(-59.5)

小林が2連勝をかざり早くも予選通過を濃厚にした。



一方のB卓は、達也(+70.5) 瀬戸熊(-52.3) 石橋(-58.3) 魚谷(-22.3) という組み合わせ。こちらも達也が連勝すれば圧倒的有利なポイントにはなるが、達也の場合はリードしているからといって普段のスタイルを大きく変化させることは考えにくい。もちろん、他の3名は第一節の成績が悪かったのでここは何とか取り戻したいところであろう。

東3局、西家・達也が満貫をツモって先行する。
pai_s_5m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_1p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_sha.jpgpai_s_sha.jpgpai_s_sha.jpgpai_s_haku.jpgpai_s_haku.jpg リーチツモpai_s_haku.jpg ドラpai_s_1p.jpg 裏ドラpai_s_3m.jpg

そして続く東4局、この局がこの半荘で最も印象深い一局となる。

まず最初に動いたのが南家の達也。三元役も見える形からpai_s_chun.jpgをポンしていく。
pai_s_1p.jpgpai_s_2p.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_1s.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_haku.jpgpai_s_hatsu.jpgpai_s_hatsu.jpg ポンpai_s_chun.jpgpai_s_chun.jpgpai_r_chun.jpg

で、この達也の仕掛けにいち早く反応したのが北家・石橋だった。
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2メンツができたところ。だが、達也の仕掛けの捨て牌がピンズの染め手に見えなくもない。pai_s_ton.jpgも切りづらいしドラのpai_s_1s.jpgも切りづらい。したがってこの手をアガリに導くには相当キツい牌を押さなければならないのだ。普段は腰の重い雀風の達也がpai_s_chun.jpgを1鳴きしたということはそれなりの手が入っている可能性も十分ある。石橋はそう判断したのだろうか、5巡目にしてpai_s_5m.jpgを抜いていった。半分オリ気味に、あわよくばチートイツで復活する道を選択した。

その後、瀬戸熊がpai_s_haku.jpgを通したことで、pai_s_hatsu.jpgもやや切りやすくなったか。ドラトイツの魚谷がpai_s_hatsu.jpgを捨て、これを達也がポン。この形のイーシャンテンになる。
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一方、親の魚谷も自分がドラトイツの手なのに、子の達也に好き勝手させておくわけにはいかない。
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まだアガリには遠いが、石橋のpai_s_7s.jpgをチーして打pai_s_2m.jpg。567の三色に活路を見出し、動いていく。ポイントとしてはピンズのホンイツ模様の下家・達也に対し、安全に通しやすい牌が多いこと。アガリやテンパイが厳しくても、手詰まりで放銃する可能性は低いということである。

直後、達也からドラのpai_s_1s.jpgが出、これを魚谷がポン(達也はツモpai_s_ton.jpgでイーシャンテン形を変えた)。
pai_s_1m.jpgpai_s_5m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_9s.jpgpai_s_9s.jpg pai_s_1s.jpgpai_s_1s.jpgpai_r_1s.jpg pai_r_7s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_6s.jpg

まだイーシャンテンだが、ドラポンを見せることでその存在感を見せつけることになる。最初に仕掛けたpai_r_7s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_6s.jpgに関連して567の三色は当然警戒されるが、役牌pai_s_ton.jpgも場に見えていないだけに達也にとっても一気にやりづらくなった。


一方、このやりとりの中、瀬戸熊もツモり三暗刻のテンパイを入れた。
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ただし親のドラポンと達也の三元役の可能性(大三元は薄そうだが、小三元ホンイツのハネ満は十分ある)があること、自分の手はツモらないと安いことを考慮し、ここはヤミテンを選択。



一方、魚谷も下家の達也に切りづらいpai_s_6p.jpgを立て続けに引かされ、イーシャンテン形を変化。
pai_s_5m.jpgpai_s_7m.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_9s.jpg pai_s_1s.jpgpai_s_1s.jpgpai_r_1s.jpg pai_r_7s.jpgpai_s_5s.jpgpai_s_6s.jpg

ここで達也がpai_s_6m.jpgをツモ切り。その直後、瀬戸熊が達也に切りづらいpai_s_7p.jpgを引いてしまう。

西家・瀬戸熊
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直前にpai_s_6m.jpgを打たれたことで、自身のツモり三暗刻が実る可能性が低くなった以上、ここはおとなしくするのが妥当。ということで、瀬戸熊はpai_s_3s.jpgを抜いて手を崩す。次巡、pai_s_5s.jpgツモでこの形。

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魚谷がツモ切り。魚谷に対しpai_s_6m.jpgは通るので、瀬戸熊はここでpai_s_6m.jpgをトイツ落し。


が、ここで石橋の手が面白い形になっていた。瀬戸熊が2枚目のpai_s_6m.jpgを手出しした直後、絞り気味に打っていた石橋の手がメンホンチートイツのイーシャンテンまで育っていたのである。
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石橋にとってみれば、魚谷の仕掛けでアガリがあるなら567の三色しかなく、(役牌のpai_s_ton.jpgは自分が捨てない限りアガリはないから)、それには自分の手にあるpai_s_6m.jpgが確実に必要であることも明白だ。逆に自分のアガリを考えたらpai_s_6m.jpgを捨てるのは確実に通る今しかない。一度でも手出しされてしまうと、もう打てなくなる可能性もあるからだ。だが、ここで石橋はまだpai_s_6m.jpgを打たずにpai_s_5s.jpg切りで粘る。

その後、達也はpai_s_haku.jpgを重ねてハネ満テンパイを入れる。
pai_s_2p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_6p.jpgpai_s_ton.jpgpai_s_haku.jpg ツモpai_s_haku.jpg pai_r_hatsu.jpgpai_s_hatsu.jpgpai_s_hatsu.jpg ポンpai_s_chun.jpgpai_s_chun.jpgpai_r_chun.jpg

が、余り牌のpai_s_ton.jpgが打ち切れずテンパイを取れず打pai_s_2p.jpg

さらに石橋はpai_s_sha.jpgを暗刻にする。魚谷に対しpai_s_6m.jpgがロンになることがないのも分かっていたが、ここも我慢してpai_s_sha.jpgをツモ切った。
pai_s_1p.jpgpai_s_1p.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_3p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_4p.jpgpai_s_5p.jpgpai_s_9p.jpgpai_s_ton.jpgpai_s_ton.jpgpai_s_sha.jpgpai_s_sha.jpgpai_s_6m.jpg ツモpai_s_sha.jpg

魚谷も最終ツモで形式テンパイを入れることができたが、達也に通っていないpai_s_3p.jpgを打ち切れずオリ。結果、この局は全員ノーテンで流局となった。

この局は誰かの対応が少し違うだけで色々なアガリ(テンパイ)が出ていただけに、流局とはなったが非常に見ごたえのある一局となった。



この半荘は達也が終始リードを保ち、そのまま逃げ切り。オーラスはラスめ・魚谷と900点差の瀬戸熊が678の三色をリーチ一発ツモで決めて逆転の2着浮上。

道中、このイーシャンテンから上家の達也にキー牌のpai_s_7m.jpgを立て続けに切られた瀬戸熊。
pai_s_6p.jpgpai_s_7p.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_3s.jpgpai_s_6s.jpgpai_s_7s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_8s.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_4m.jpgpai_s_6m.jpgpai_s_8m.jpg ドラpai_s_sha.jpg

これをチーすれば2着浮上は叶わないまでも、ラス回避のテンパイが入る。が、瀬戸熊はこれを動かなかった。
瀬戸熊「もちろんまだ先のあるリーグ戦ですし、鳴く人もいるでしょうが、自分はアガれなくてもいいから『絶対鳴かない』と意地を張りましたね。結果、最高のアガリとなりましたね」

これで達也はA卓の小林と同じく2連勝を飾った。
B卓の結果
達也+55.8(+126.3) 瀬戸熊+10.8(-41.5) 石橋-17.7(-76.0) 魚谷-48.5(-70.8)

また、トータルは
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となる。上位2人が抜け、今後の展開は下位陣にとってますます厳しいものになる。果たしてそこから抜けるのは一体誰なのか!?