でゅら〜さん のコメント

ピーター・メンチ、敏腕すぎるだろ・・・
No.3
67ヶ月前
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さて、今回も前回の予告通りマイケル・シェンカー率いる M.S.G.(マイケル・シェンカー・グループ)の2枚目のアルバムを紹介したいと思います。 Michael Schenker Group / M.S.G. (神話) 購入場所:地元のBook Off 購入金額:750円 マイケル・シェンカー・グループ(以下 M.S.G.)の2枚目のアルバムです。 間違えやすいですが、1枚目がバンド名と同じMichael Schenker Group、 2枚目がM.S.G.と略称になっています。 (因みに邦題は1枚目が「神」で2枚目が「神話」…ややこしいです!) 今作の収録内容は以下の通り。 因みに2009年再発のデジタルリマスターVerに準拠してます。 赤字 は音源あり 1.Ready To Rock 2.Attack Of The Mad Axeman 3.On And On 4.Let Sleeping Dogs Lie 5. But I Want More 6.Never Trust A Stranger 7. Looking For Love 8.Secondary Motion 9.Never Trusut A Stranger(Rough Monitor Mix) 10.Natural Thing (以下15まで全て Live At The Manchester Apolloのライブテイク ) 11.Feels Like A Good Thing 12.Looking Out From Nowhere 13.Shoot Shoot 14.Doctor Doctor 15.Lights Out 前回 、唯一残ったゲイリーと共に何とかアルバムを出す事に成功したマイケル… 超やり手のマネージャーのピーター・メンチとマネージメント契約を結ぶ事に成功し 今度はメンバー募集に取り組み、Bにクリス・グレン、KeyにUFO時代の同僚である ポール・レイモンドを迎え陣容を整えました。 そしてDsに RAINBOWを脱退したばかり で数多のバンドから声がかかっていた    コージー・パウエルを獲得することに成功しました! 敏腕マネージャーの御蔭で(笑)、漸くラインナップが整ったマイケルはツアーを開始し 全英、全米と隈なく巡業した後、新作アルバム制作に入り完成したのがこれです。 本来であれば「最強の布陣」であるラインナップにより前回にも劣らぬ歴史的傑作が                誕生 …するはずでした。 ところがっどこい、このアルバムの評価とセールスは芳しい物ではありませんでした。 Q:内容? A:内容だけであれば実に練り込まれた楽曲とマイケルの凄まじいギターが 全編に渡り炸裂する 前作の曲と勝るとも劣らぬ充実ぶりです。 Q:ゲイリーのVo? A:いつもの事なのでお察しください(笑)むしろ今回彼は予想以上に頑張ってます。 Q:マネージメントの不手際による宣伝不足? A:そんな間抜けなマネをピーター・メンチがするはずもありません。 では何故失敗したのか? それはプロデューサーの選択ミス と それによるミキシングの大失敗 が原因でした‥ Q:プロデューサーの腕が三流だったのか? A:いえ、彼は超一流のプロデューサーです[注] Q:プロデューサーが仕事を放棄したのが原因か? A:いえ、彼はずいぶん立派に、そして求められる以上の仕事をしてくれました。 仕事のベクトルの方向性を酷く間違えたのですwww 彼の名前はロン・ネヴィソン。 マイケルとは以前UFOにおいて3作ほどアルバムをプロデュースしてもらった事があり、 その3枚ともアメリカではヒットさせた実績があり、アメリカでのアルバムヒットを 狙っていたマイケルにとってもうってつけの人物でした。 しかし、問題だったのが彼のプロデュースの仕方と音作り方針でした。 アメリカ受けするというアルバムを作る と言う方針の元、 音の作り方は総じてポップ風味に なりがちになり、 オーバープロデュースと言われるほど過剰な空間処理を施す のが彼の特徴と言えます。 (日本のプロデューサーで例えるなら故・佐久間正 英 の作風がそれに近いです) その為、このアルバムでもそれは遺憾なく発揮され、 前作では 「金欠のバンドが作ったデモテープみたいな」 シンプルな音像だったのが 急に成金になって楽器に機材を買い漁ったが如き分厚い音像になり、 これでもかと言わんばかりに耳当たりがいい丸みを帯びた音の仕上がりになっています。 前回ではか細く、不安げに聴こえたゲイリーのVoも編集のせいか 非常に安定に満ちた Vo(笑) になっており、主役であるマイケルのギターもしっかり音が配分されています。 しかし、その反動と言うべきか    コージーのDsの音が異常なまでに軽く仕上がっていますorz という悲惨な有様になっています。 M.S.G.のブートを聴かれた方はご承知の通りかと思いますが、 この時のM.S.G.のライブの魅力は リッチーとRAINBOWで火花を散らすようなインプロを行っていた   コージーと マイケルの真剣の鍔競り合いの様なガチンコ激突! でした。それ故にアルバムでもその再現を期待していたファンにとってはさぞかし 肩透かしを食らったに違いありません。 特にこの事はコージー本人もこの事には非常に不満を持っており、ネヴィソンに対して   「俺のDsの音を勝手に削るな!ヽ《 ゚Д゚》ノ ゴラアァァァァ!!!! 」 と詰めかけたと後年語っているほどでした。 しかし、マネージメントとマイケル双方から「アメリカ受け」するアルバムを依頼されていた ネヴィソンも根っからの仕事人、絶対に方針を曲げずにアルバムを完成させ販売させました。 結果は…お察しの通りです。 一言で言えば今回のアルバムは「素晴らしいプロデューサーの使いどころを間違えた」 というのがやはり致命的要因ではないかと思われます。 もし前作に引き続きロジャーが続投したり、もしくは次のアルバムでプロデュースを務めた マーティン・バーチがプロデューサーを担当していれば今以上に下手すればパープルの 「Machine Head」の様なヒットも夢ではなかったかも知れないだけに非常に惜しまれる アルバムでもあります。 因みにその後のネヴィソンは 「大ヒット請負人」 として名を馳せ、 手始めに1984年、まずSURVIVORに関わり「 Eye of the Tiger」ヒット後に 一度「 Caught In The Game」で大コケしたバンドを立て直して 「Vital Signs」を全米16位までヒットさせ 再び 人気復活を遂げさせました。 そして翌1985年にこれまた低迷期のど真ん中にいたHEARTに関わり、 全米1位となった 起死回生のヒット作「HEART」と全米2位の次作「Bad Animals」をヒットさせました。 しかし、翌86年に担当したOZZY OSBOURNEの所ではM.S.G.と同じ原因で オジーと対立してしまい結果的に出来た 「The Ultimete Sin」は 全米6位と 当時の オジーの最高順位に加えてダブル・プラチナまで売り上げる事に成功し 結果は残しましたが、オジーは後年までネヴィソンの事を深く恨み続け オリジナルアルバムで唯一 2014年現在もリマスター除外という村八分扱いを続けています。 更にその翌年に当たる1987年にはKISSと仕事をしますがこの時は非常に良好に行き 出来た 「CRAZY NIGHT」は 1980年代にリリースされたキッスのアルバムの中では 最高の全米18位まで行き、プラチナアルバムになる等 ここでも結果はキチンと残しています。 と、この様に結果だけは共通して出しつつあるものの、アーティストによって まるで正反対の評価を受ける実に珍しいプロデューサーでもあります。 上記の結果を見てもわかるように HR系でもポップ寄りのアーティストには 彼のプロデュースはまさにうってつけであった のに対して 恐らく HR/HM路線ゴリゴリのアーティストにとっては 彼のプロデュースは 非常に向いていない という傾向が良く分かります。(両者の中間に当たるKISSが唯一の例外) と、ここまでかなりボロクソに書きましたが、上記でも述べたように 楽曲自体は後に定番曲になる素晴らしい曲ばかりであり、 このアルバムの楽曲を十二分に楽しむ為にはボーナストラックの5曲や 公式ライブアルバム及びブート(笑)で ライブテイクを聴くに限ります。 2004年のライブでのAttack Of The Mad Axeman 2010年の来日公演でのOn And On 次回はこのアルバムのツアーの後、更なるスーパーバンド化を目指すべく ピーター・メンチがゲイリーを解雇、ポールを脱退に追い込み あの”やっさん”が参加した唯一のアルバム「黙示録」を紹介する予定です。
MASAの部屋
洋楽ブートレッグを中心として歴史やら山やらその他諸々の趣味について書いているので良かったら見てください。