棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか
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棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか

2015-05-24 12:52
    最近忙しいのと目ぼしい物がないせいか
    ブート紹介が難しいので今日は本紹介を行いたいと思います。
    今回は再びプロレス関係の本です。

    棚橋弘至 / 棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか



    購入場所:地元のブックオフ

    購入金額:950円

    新日本プロレスの現在のエース選手である棚橋弘至選手が2014年に出版した自伝本です。
    今でこそ新日本プロレスの看板タイトルであるIWGPヘビー級王座を史上最多の7回も獲得し
    名実ともに日本のプロレス界を代表する選手にまで登り詰めた彼ですが
    そんな彼がデビューした1999年から2014年までの15年間を振り返って如何に自分が
    今の地位に登り詰めるまでに至ったかや丁度彼がプッシュ(売り出し)され始めてから
    2012年にブシロードに売却されるまで続いた新日本の通称「暗黒時代」についても
    かなり赤裸々に内情を綴っております。

    彼の試合

    私自身は丁度棚橋選手がデビューした1999年に初めて新日本プロレスを見て以降
    プロレスにハマりましたが、2002年に武藤敬司がライバル団体の全日本プロレスに
    移籍してから折りしも猪木の介入による新日本の総合格闘技路線に嫌気が差し始め
    段々日本プロレス自体への興味が薄れていき、同時並行して好きだったアメリカの
    WWEに移った為、2003年以降は一部の選手を除くと雑誌で情報を仕入れるくらいに
    留まり、棚橋選手もデビュー直後から本でも書いてある殺人未遂事件まではよく
    知っていたものの、それ以降は2011年くらいになるまではかなり無関心でした。

    本人曰く「完全に天狗」、「トゲのある嫌味な顔」であった2001年の試合

    詳しい内容は読んで頂いて欲しいので詳細は書きませんが
    棚橋選手も本の中で所謂殺人未遂事件(交際相手の女性に刺され一命を取り留めた)
    でどん底に落とされてからの這い上がりや「暗黒時代」の自分自身の暗中模索、
    2012年のブシロード体制になって以降の会社の現状や変化について語り、
    そして最後の章では苦しい時代を経て身につけた彼自身の「新たなプロレスラー像」や
    「トレーニングやプロモーションの大切さ」、「自分に求めらている役割の自覚」
    「これから新日本プロレス(ないしはプロレス界全体)に求められるもの」等を
    立命館大学卒とあって非常に分かりやすくスリムな文章で書いています。

    立命館卒とあっておしゃべりもお手の物です。


    本人も著書内で触れている「ビフォーアフター」での選手寮改築の様子


    私がこの本の中で非常に驚いたのは棚橋選手の頭の柔らかさでした。
    私自身もWWEユニバース(WWEのファンの事)になって以降、WWEの世界レベルの
    プロモーション戦略やメディアミックスに驚嘆すると同時に日本のプロレス業界の
    未だに「プロレスは”真剣”格闘技」を引きずるメディア戦略に歯がゆさを覚えてました。
    それは業界首位の新日本プロレスの選手や上層部ですら長州力みたいに

    「TV放送と東スポ(東京スポーツ)があればいい。プロレス雑誌はいらない」

    等とメディア戦略が猪木時代のまま40年近くの間旧態依然というお寒い状態でした。
    それに対して棚橋選手はプロレス雑誌へのコラムやブログを始めSNSに関しても
    積極的に発信し「情報の大切さとその情報が伝わる為の方法」を文中でも力説しています。

    棚橋選手のポッドキャスト

    この考えの正しさは親会社がメディア戦略に関して積極的なブシロードになった事で
    ユークス時代に思い切って行われた「負の遺産の清算」による会社の変化と
    メディアミックスによる相乗効果が発揮され一躍プロレス業界首位の座を
    奪回した事からも伺えると思います。

    ニコニコの新日本プロレス公式ch


    しかし、棚橋選手は今の新日を「ようやく上向きになってきた」と表現してますが
    ブシロードのオーナーでもある木谷氏は今までの新日本の試合の動画配信サービスである
    新日本プロレスワールド」を開始して僅か5ヶ月で2万2000人の加入者を獲得しましたが、

    「新日本プロレスワールドはギリギリのところで間に合った。僕たちは敗者復活戦のところでなんとか生き残ったという感じです。たから凄い焦りがあります。

    現在の会員数は2万2千人。20万人になれば、月額で6,000万円ぐらいが
    入ってくるはずで、そうなって初めてトップの選手に1億円のギャラが払える

    僕たちには時間がない。3年以内に20万人までに持っていかなければ、
    外国人レスラーも含めて、良いレスラーはWWEに全員持っていかれてしまう。

    敵はWWEとUFCだけほかの団体は眼中にありません。

                            出典 Number 876号より

    とインタビューで危機感を顕にしていました。
    木谷オーナーにとっては「成功の余韻に浸る」どころか「今も崖っぷち」レベルの
    認識である辺り「よく現実が分かっているな」と思いました。

    閑話休題。棚橋選手にとってはこれから「主役から次の主役へ場所を譲るキャリアの転換期」
    となっていきますが、これからも新日本プロレスを支えていってほしいなと思ってます。

    また棚橋選手自身、自分を「100年に1人の逸材」と言っていますが、
    こういった「理詰めでプロレスを語れるレスラー」は本当に極僅かしかおらず
    そういった意味では彼はまさしく「100年に1人の逸材」であると言えます。
    猪木時代からずっと新日本を見ている方も、90年代に新日本にハマった方も
    途中で新日本から離れてしまった人もこの本は是非読んで欲しいなと思っています。

    次回の本紹介は少し先の予定ですが初めてのアニメ関係の本の紹介の予定です。
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