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OPEREATION:MINDCRIME

2015-08-29 22:13
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今回の公式紹介は今まで紹介した事のないバンドのアルバムを紹介したいと思います。

Queensrÿche / OPEREATION:MINDCRIME


プログレッシブメタルバンドのQueensrÿcheの通算3枚目の公式アルバムです。
次作である「Empire」、「Promised Land」と共にバンドの代表作として有名な1枚です。

今作の収録内容は以下の通り。赤字は動画有り

1. I Remember Now
2. Anarchy—X
3. Revolution Calling
4. Operation: Mindcrime
5. Speak
6. Spreading the Disease
7. The Mission
8. Suite Sister Mary
9. The Needle Lies
10. Electric Requiem
11. Breaking the Silence
12. I Don't Believe in Love
13. Waiting for 22
14. My Empty Room
15. Eyes of a Stranger


コンセプトアルバムというとピンク・フロイドの「The Wall」などが
思い浮かぶ人も多くいらっしゃると思いますが内容は大まかに言うと
レーガン政権末期(当時)のアメリカ社会を背景に犯罪組織の黒幕、ドクターXに
よって暗殺者になるための洗脳と手術を受けたヘロイン中毒の主人公ニッキーが
やがて彼女になるシスター・メアリーにより心が変化して組織と対立する…


といった具合になっています。

I Remember Now

全編を通して1~4分の曲がテンポ良く流れる中、
1~5曲目でニッキーがドクターXに魅せられ組織に入る過程を描き
Spreading the Diseaseで鍵となる人物のメアリーが登場し
The Mission~Suite Sister Maryで最初のヤマを迎えます。

Spreading the Disease

特にSuite Sister Maryは10分超の大曲でメアリーの暗殺を命じられ
苦悩するニッキーと運命を悟り撃たれようとするメアリーのやり取りが
オペラ劇の如き展開で繰り広げられ
メインコンポーザーの
クリス・デガーモ(G)のソングライティングの非凡さが伺えます。

Suite Sister Mary


当然ながら組織と対立した結果、ニッキーは組織から追われる身となり
悲劇的な結末を迎える様子を9~14の曲でテンポよく描写し
ラストのEyes of a Strangerで盛大に幕を閉じます。

Eyes of a Stranger

とにかくこのアルバムの良さは社会批判を含んだ痛烈で重い内容を
クリス・デガーモの個性豊かなソングライティングに加え
縦横無尽に幅広い声域を持つジェフ・テイトのVoによって
あくまで「楽曲」として見事に描ききった所が素晴らしいと思います。

ロジャー・ウォーターズが「The Wall」で主人公ピンクの生涯を
音楽の領域を超えて視聴覚要素を持ち込んで「演劇」として具現化させたのに
対して今作ではあくまで「音楽」の領域に留めながらもSEや空間処理を用いて
メタルらしい疾走感とコンセプトアルバムとしての物語性を両方を併せ持つ
独自の世界観を築き上げる事に成功しました。

しかしながらこの作品を出したのがまだメタル全盛期の最末期だった事、
次作「Empire」もグランジ・ブーム到来直前であった事から良かったものの
次第にグランジ・ブームの荒波にバンドも飲み込まれてしまい勢いが失速してしまいます。

そしてその頃からVoのジェフ・テイトの独裁が始まり、
安易なグランジ路線への追従やメインコンポーザーであった
クリス・デガーモの脱退もあって更にバンドは迷走に陥る結果となりました。

結果として2012年にバンドはとうとうジェフを解雇して追放、新Voを迎えました。
負けじとジェフも元メンバー+αで「クイーンズライチ」を名乗り活動を開始し、
泥沼化した争いは法廷闘争まで持ち込まれた結果、

・残ったバンド側が「クイーンズライチ」を名乗る権利を持つ。

・ジェフはこの作品と2006年に出した続編「OPEREATION:MINDCRIMEⅡ」の
完全再現演奏の権利以外の全てを失う


・ジェフ側は2年間だけ「元クイーンズライチ」or「元クイーンズライチヴォーカリスト」
という条件で「クイーンズライチ」の名前を使用できる。

といったバンド優位の形で和解する事になりました。
(ジェフはその後自分のバンドを今作と同じ「OPEREATION:MINDCRIME」にしました)

この対立に関しては詳しくは述べませんが、
結果的にジェフは「自分でバカやってツケを払う羽目になった」
としか言いようのない有様だと思います。

また続編の「OMⅡ」関してもジェフの歌唱力や
作曲能力も往年の作品には到底及ばない低レベルだっただけに
ドクターX役でロニーのゲスト出演した以外は特筆できる事もないので
このブロマガでも「OMⅡ」は紹介しません。

もっともジェフの独裁だけがバンド迷走の原因だっただけではなく
やはり90年代のグランジブームというとてつもない不運があると思います。
このバンドに留まらずメタリカやメガデスといった一流バンドさえも
安易に時代に迎合して迷走を繰り返していた事も考慮すると
ジェフに全ての罪を背負わすのは酷なのではないかと思います。

結果的に「時代の狭間に咲いた仇花」的存在になってしまった
今作ですがメタル好きな人にとっては無論の事、メタルが好きでなくとも
コンセプトアルバムとしても非常に優れた作品ですのでプログレが
好きな方には聞いて損はないアルバムだと思います。

次回の公式紹介はこれまた今までにあまり紹介してない
邦楽のアーティストを紹介したいなと思います。
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はやり廃りは難しい問題ですね。
でも、こういうジャンルのバンドには、簡単におもねってほしくないという想いはあります。
54ヶ月前
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でゅら~さん、コメントありがとうございます。
仰る通りクイーンズライクは折角90年代に
花が咲いたプログレメタルバンドだっただけに
グランジの嵐さえ来なければ今頃再評価されて
いたのかも知れないので路線変更は残念でした。
54ヶ月前
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