• ネット選挙、解禁。

    2013-08-04 08:05




    7月末。仕事がもろもろ一段落して、選挙のブロマガを、と思ったら3歳の娘が手足口病になりました。流行りの夏風邪です。夏は手足口病にヘルパンギーナ、冬はインフルエンザにノロウィルス。子どもの病気で季節の移り変わりを感じます。とほほー。

    師走の衆院選に続いて、この夏の参院選も、永田町自民党本部に設けられた開票センターからの中継を担当しました。ご存知の通り、自民党が大勝。夜8時の開票と同時に続々と当確が出ました。選挙区、最後の当確は激戦となった東京の武見氏。結局選挙区は岩手と沖縄以外にバラの花がつき、選挙区比例区合わせて65議席を獲得。結果、自民公明合わせて135議席となりました。これで、衆議院で与党が過半数の議席を持つ一方で参議院では過半数に達していない、いわゆる「ねじれ」が6年ぶりに解消されました。ねじれが始まったのは2007年第一次安倍内閣のとき。自民党は参院選で大敗しました。2013年、再びの安倍内閣で、ねじれが解消されました。



    開票センター、衆院選のときは自民の政権奪還に注目が集まりかなりの熱気でしたが、今回は選挙戦序盤から圧勝ムード。前回に比べて落ち着いていたと思います。にしても、報道陣の数はやはりすごい。安倍総裁や石破幹事長が開票センター入りするたびに報道陣も押し寄せる。身動きがとれない状態でした。開票センター正面には、バラの花がつくのを待つ候補者パネル。その横には、衆院選のときにはなかった縦型のモニターが。ここに自民党関連のツイートがリアルタイムで流れていました。ネット選挙解禁を感じさせる象徴的な「モノ」でした。


    今回の参院選から解禁されたネット選挙。7月4日、公示日の午前0時ちょうど。各党がニコニコ動画を通じて、第一声を伝えました。ニコニコ動画はリアルタイムで視聴者数が出るので、どの党がどれだけ注目を集めているのか一目瞭然です。一日何十回も発信する候補者、連日のように選挙活動の様子を動画で配信する政党、様々です。Twitter、Facebook、動画などを通じて、投票日の7月21日午前0時直前まで、ネットでの選挙活動は続きました。これまでの選挙ではできなかったことです。
    しかし投票率の上昇に結びついたのかというと、結果は全く。投票率は52%程度。低っ!沖縄以外の46選挙区で、前回の参院選投票率を下回りました。ネット選挙の解禁は今回、投票率の上昇には繋がらなかったわけです。

    ネット選挙の解禁が衆院選だったら、もう少し違った結果になったかもしれません。確かに、衆院選に比べて参院選は地味です。衆議院は全議員が選挙の対象になるけど、参議院は議員の半数ずつ選挙をする。だから、衆議院は総選挙、というけど、参議院は総選挙とはいわず、通常選挙という。(AKBの総選挙は、衆院選の呼び方から来ているんですね)よくわかっていないと、なんであの参議院議員は今回の選挙に出てないの?とハテナに思う。比例区の当選方法も、衆議院と参議院で違う。これもよくわからない。そもそも比例ってなに?必要なの?という人も多いと思う。そんな政治のしくみも交えて、ネットというツールを有効活用する方法をもっと探る必要があると思います。

    ネットでの発信も、演説のお知らせや投票のお願いばかりが目立ったのも確か。個人の政策、キャラクターが見えてくる発信をする候補者は限られていました。有権者も、初めてのネット選挙ということもあって、どこを見ていいのかとまどっていたように感じます。Twitter、Facebook、LINE、ウェブサイト、動画…。一言でネット選挙解禁といっても幅が広いのです。

    若者がついてこない。若者が投票しない、政治に参加しない。だから、お年寄り優遇の政策ばかりになる。(もちろんお年寄りは大切ですが)。ネット選挙の歴史は始まったばかり。そして、ネット世代の有権者がこれからどんどん増える。今回のネット選挙の反省点をふまえて、次の選挙では各政党、各候補者も対策を練る、はず。次回は、投票率の上昇に繋がって欲しいものです。有権者の半分しか投票しない、若者が参加しない選挙なんて、やっぱりおかしいですよね。

    2013年8月
    増子瑞穂

    追記
    参院選トリビア。ってほどでもありませんが。
    自民党では衆院選と参院選で、当選に使われるバラの花の大きさが違います。衆院選は候補者が多く一人分の枠が狭いため、小さなバラが(なぜか葉っぱつき)。参院選は候補者が少なく一人分の枠もたっぷりあるため大輪のバラが使われているのですね。




    たくさんの方のご視聴、ありがとうございました。


    私、運コメ書かせていただいております。。。

    分かりやすくまとめられています。

    視聴者数、コメント数のデータを見ているだけでも、面白いです。


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  • 30万人で海底探査の旅しんかい6500

    2013-07-03 14:27

    2013年6月22日。歴史が塗り替えられました。と、いっても過言ではないと思います。「しんかい6500」という有人潜水調査船が、カリブ海の海底5000メートルを科学探査する様子が、生中継されました。これだけの深さからの科学探査を生中継するのは、世界で初めてのことです。この模様は、インターネットのニコニコ生放送で配信され、30万人以上の人が見守りました。私は、この番組のMCを担当しました。
    しんかい6500とは、その名前の通り水深6500メートルまで潜ることができる潜水調査船です。それも人を乗せて!しんかい6500からの映像と音声は、光ファイバーと衛星を使って、カリブ海から日本へ届けられました。しんかい6500に光ファイバーを繋ぐのは日本では初めての試みです。

    深海へ行くのは宇宙に行くよりも難しい、とも言われています。なぜか。酸素がないから。これは宇宙も深海も同じです。大きな違いは気圧です。水の中、深く潜れば潜るほど高い気圧がかかります。地上は1気圧。水深1000メートルなら101気圧。水深6000メートルならば601気圧です。これは1平方センチメートルあたりに601キロの重さがかかっている状態。爪一枚くらいの広さに、軽自動車が乗っかっているのと同じこと。それも全身にびっしりと。深海に潜ったら、絶対に潜水船の外には出られません。水圧でつぶされてしまいます。宇宙のように、船の外に出て探査をしたり、修理をしたりできないのです。これが、深海へ行くことが難しいと言われている理由です。

    しんかい6500に乗り込めるのは、パイロット、コパイロット、研究者の3人。パイロットは飯嶋一樹さん、コパイロットは池田瞳さん(女性です!)研究者は高井研さんです。内径2メートルほどのチタン合金製の球体がコックピットです。耐圧穀(たいあつこく)と呼ばれています。水圧から人命を守ってくれる大切な球体です。人が座れる広さは直径120センチほど、狭いです。マニピュレータと呼ばれるアームが2本ついていて、海底生物や岩などをつかんだり、スラープガンと呼ばれる掃除機のような生物採集装置を使ったりして、海底のサンプルをバスケットに入れて持ち帰ります。しんかい6500はそのままだと、水に浮くようにできています。バラスト、という重りを何百キロも積んで、沈ませるのです。海底に近づいたら 、バラストを半分捨て探査をします。探査が終わったら、再び残りのバラストを捨て、浮上します。バラストは鉄でできています。長い年月はかかりますが、地球に帰る素材が使われているのですね。
    このしんかい6500をサポートするのが、支援母船「よこすか」。海面への着水、ひきあげ、メンテナンス、海底から持ち帰ったサンプルなどの研究、乗組員の食事なども、よこすか上で行われます。この支援母船よこすかと、しんかい6500を光ファイバーで繋いでの生中継が試みられました。

    日本時間の6月22日午後10時半、カリブ海は朝8時半。しんかい6500は、支援母船よこすかのクレーンにつり上げられ、カリブ海に着水しました。うねりの高い海上、スイマーがしんかいの上に乗って、手作業で吊り上げ金具をはずします。そして船内のタンクの空気が抜かれ、しんかい6500はゆっくりと海底へ。着水から太陽の光が届かなくなるまでの深さ、5分から10分間は、トワイライトゾーンと呼ばれています。私たちの知っている海の色から、光の届かない世界まで、青から漆黒へのグラデーションが美しい時間です。
    このトワイライトゾーンも、光ファイバーによる映像でしっかりと日本へ届けられました。

    日本時間の午前1時30分頃、カリブ海はお昼前。しんかい6500は海底5000メートルへ到達。光ファイバーも無事に繋がっています。パイロット飯嶋さんの見事な操縦技術が光りました。(詳しくは研究員、高井研さんのコラムをご覧くださいませ。)
    初めて、リアルタイムで見る、深海5000メートルの世界。イソギンチャクがいます。500気圧という凄まじい環境で生きられるなんて。チムニーという名前の煙突状の鉱床から300度を超える熱水がわき出し、鉛などの成分と混じって黒い煙が吹き出しているように見えます。「ブラックスモーカー」と呼ばれています。ブラックスモーカーが映し出された瞬間には、Twitterのトレンドに「ブラックスモーカー」があがっていました。(ちなみに、気圧が高いと水の沸点もあがるため、300度という温度に達するのですね)そのチムニーに無数の白いエビが群がっていました。海底5000メートル、300度を超える熱水、そんな過酷な環境でも生物がいる。その事実を、リアルタイムで共有しました。 マニピュレータを使って、エビの採集も行われました。
    海底探査を初めて1時間あまり、再びチムニー近くのエビを探査しているとき、光ファイバーの映像が途絶えました。ついに光ファイバーが切れてしまったのです。しかし、「トワイライトゾーン」や「ブラックスモーカー」、深海に住むイソギンチャクにエビ、初めてリアルタイムで見る深海の世界に多くの人が興奮し、感動しました。もちろん、Twitterのトレンドにも「光ファイバー」が。多くの人が探査の様子を見守って、思わずつぶやいた、ということですね。この光ファイバーの切断、「エビの呪い」では…という声も出ています。

    日本時間の午前7時過ぎ、カリブ海は午後5時。探査を終えたしんかい6500は浮上。浮上したしんかい6500の姿は感動的で、浮上を見守っていた多くの人からのおかえりメッセージが番組に届けられました。カリブ海の夕暮れ時に、クレーンで母船よこすかにつり上げられるしんかい6500。3人の潜航者は無事、母船に戻ってきました。本当によかった。潜水に2時間半、探査に3時間、浮上にまた2時間半。合計8時間の旅を共有させていただきました。

    深海の映像だけではなく、船内の様子もリアルタイムで中継されました。安全に潜航するためにひとつひとつ丁寧に作業していく様子に加え、雑談するなど和やかな雰囲気も伝わってきました。これまで、パイロット、コパイロット、研究者の3人しかリアルタイムで見られなかった世界。これを30万人以上の人に伝えてくれた全ての人に感謝です。
    番組のエンディング。スタジオで一緒に番組を進めてくださった、しんかい6500元パイロットの吉梅剛さんから、手作りのしんかい6500をいただきました。割り箸を彫って作られた可愛らしいしんかい6500。初潜航の方や一緒に乗船した方に贈られてきたそうです。今回の潜航を見守った30万人を代表させていただき、ありがたく受け取りました(泣)。


    夜から、深夜を経て、朝まで、12時間近くにわたった番組。一睡もしてません(笑)。いつ、中継が途切れるかわからないし、光ファイバーもいつ切れるかわからない。集中しっぱなしでした。番組が終わって、しばらくは、ほうけていました。今日もどこかで、だれかが海底へ科学探査の旅にでかけていると思うと、胸が熱くなります。

    いくつか告知です。ニコニコ生放送の番組は、あらかじめ予約をしておかないと過去の放送が見られないのですが、今回のしんかい6500の番組は、会員登録(無料)をすれば、いつでも誰でも見られます。トワイライトゾーンの美しさ、しんかい6500に関わる全ての方の勇姿、ぜひご覧ください。
    また、お台場にある日本科学未来館にはしんかい6500旧型の実物大模型が展示されています。耐圧穀に入ることもできます。
    また、7月6日からは、上野の国立科学博物館で「深海展」が行われます。こちらではしんかい6500新型の実物大模型が展示されるそうです。

    日本の有人潜水調査船は、今のところ潜れるのは水深6500メートルです。地球で最も深い海底は10000メートルを超えています。今、これを目指しています。しんかい11000になるのか、12000になるのか。日本の有人潜水調査船はもっと深いところへ。いつか、しんかいのパイロットになりたい、しんかいに乗る研究者になりたい、新しいしんかいを作る技術者になりたい、子ども達がそんな夢を持ってくれたらいいなと思います。


    2013年7月1日
    増子瑞穂

    「世界初へ挑戦」深海5000メートルへの有人科学探査を生中継JAMSTEC×ニコ生
    会員登録(無料)をすればいつでも誰でも見られます。


    準備編はコチラ

    マイナビニュース
    生中継の成功は、多数のメディアにも取り上げられました。

    JAMSTEC海洋研究開発機構サイト
    スタジオ写真も掲載されています。

    研究員、高井研氏のリポート
    ニコニコ生放送の画像も。

    日本科学未来館
    しんかい6500旧型の実物大模型が展示されています。

    深海展
    上野の国立科学博物館で7月6日から。
    しんかい6500新型の実物大模型が展示されるそうです。

    マッシー通信より再編集


  • しんかい6500が海底5000メートルを目指します!

    2013-06-22 20:03
    いよいよっ!

    楽しみすぎます!

    MCとして参加させていただきますよー。